仲介手数料は素直なお客さまが払い過ぎている!不平等な不動産取引の実態
不動産を売却したり、購入したりするときには、「仲介手数料」がかかるケースが数多くあります。この「仲介手数料」ですが、不動産取引の最前線で戦う上級宅建士のゆめ部長としては、サービスを受け過ぎのお客さまと、サービスを受けていなさ過ぎるお客さまがいて不平等だと思うのです。
今日の記事では、不動産取引の現場を一緒に見ながら「サービスに見合った仲介手数料」について考えてみましょう!
不動産業界15年・宅建マイスター・2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~
不動産売買の仲介手数料をおさらいしましょう
ゆめ部長のWebページを読んでくださっている方は、もう聞き飽きたかもしれませんが、はじめて読んでくれている方もいると思いますから、まずは「仲介手数料」について簡単に説明しておきます。
仲介手数料については、宅建業法第46条(報酬)第1項 に次のように書かれています。
宅建業者が、宅地または建物の仲介をした際に受け取れる報酬額は「国土交通大臣」の定めるところによる。
そして、国土交通大臣は次のように言っています。
200万円まで … 物件価格×5%
200万円超~400万円以下 … 物件価格×4%
400万円超~ … 物件価格×3%
不動産価格が400万円を超える場合には「速算式」があります。
( 成約価格 × 3% + 60,000円 )× 1.1
仲介手数料って「3% + 60,000円」だよね?という認識を持っているお客さまが多いのは、この速算式を使った計算方法になります。
もう1つ大事なのが、「仲介手数料は上記の計算式による金額以下でなければいけないよ。」と言っていることです。つまり、仲介手数料は「上限」を定めているだけで、不動産屋さんが「3% + 60,000円」を請求できる「権利」があるわけではないのですね。
仲介手数料は「3% + 60,000円」が「上限」になるということは…
もしかしたら、「3% + 60,000円」は払い過ぎかもしれないし、「3% + 60,000円」はサービスを受ける対価としては安すぎるかもしれない…という問題が生じます。
「3% + 60,000円」を固定的に考えるのではなく、これからの不動産取引では、もっと柔軟に考えていく必要があると思います。
例えば、不動産売買の仕事の中で全部を不動産屋さんに任せないで、自分でできることを除いた一部だけ依頼することで仲介手数料を値下げするとか、難易度が高く金額が低い物件の取引をする場合は最大「10%」まで値上げを許容するとか…。
このアイディアは、ゆめ部長が主張し続けている「仲介手数料の自由化」です。詳細は下記の記事を読んでみてもらえたら、すっごく嬉しいです♪
少し話が飛びましたので戻します。
問題点を指摘できましたので、次は、不動産取引の現場がどうなっているかをお話していきますね。
2019年8月28日修正…
消費税率を10%に修正しました(終)
仲介手数料の早見表…
不動産価格100万円~5,000万円の仲介手数料早見表【消費税10%ver.】
不動産価格5,100万円~1億円の仲介手数料早見表【消費税10%ver.】
参考記事…
宅建マイスターが考える仲介手数料の適正化【不動産業界の改善点 2 】
一緒に読んで欲しい記事…
仲介手数料が安すぎ!サービスを受け過ぎな人
仲介手数料は「成功報酬」です。売却でも購入でも、成約にならなければ報酬が0円の「0 or 100」「All or Nothing」になります。
だから…
■ 現地案内1回につき20,000円請求します
■ 住宅ローン相談1回につき10,000円請求します
■ 契約にならなかったので調査費用50,000円請求します
■ 写真撮影代30,000円請求します
■ 価格交渉代5,000円請求します
などなど…こんな費用を請求するのは全部ダメです。原則として、請求できるのは「仲介手数料」のみであり、売買契約が成立しないと報酬は受け取れません。もちろん、勘定科目を「コンサルフィー」に変えても同じですよ。
都庁の話では「成果物」をお客さまに渡せるようなものであれば、不動産屋さんが仲介手数料以外のお金を請求できる余地もあるそうですけど、上記のようなものであれば通常は請求できない…というのがゆめ部長の認識になります。
ちなみに、写真撮影をプロカメラマンに依頼したり、住宅ローン相談をFP(ファイナンシャルプランナー)に依頼してライフプランを作成してもらえば、別途費用を請求できそうですけど、詳細は都庁・県庁へ確認してくださいね。
このような不動産取引において、じゃあ、具体的にどんな「困ったちゃん」が現れるのか…それを見てみましょう。
■ 現地内覧100回を自慢する
■ 現地内覧が趣味で、毎回、車で送り迎えさせている
■ 気軽に申込キャンセルを続けて5年以上探している
■ いつまでも購入しないのに細かい物件調査を要求し続ける
■ 高くて売れないのに2年で不動産屋さんを5回も変えている
ゆめ部長は15年以上この仕事を続けていますから、数千組のお客さまとやり取りをしてきたことになります。その経験から言えることは、この人たちの多くは「私、お客様だよ?」「不動産屋って使えないよね(怒)」と主張してきます。
で、この人たち。「これをお願いしてもタダですよね?」というフレーズが大好き。「タダで働いてもらって得している!」と感じたい人だと思うので、おそらく…「現地案内で1回3,000円です」と言ったら連絡が来なくなるはずです。
不動産屋さんからしたら「1回3,000円なんて安すぎて嫌だよ!そんな小銭いらん!!」と言うでしょうけど、3,000円が欲しいのではなくて、困ったちゃんを排除するのが目的なわけです。
これくらい、不動産屋さんの権利として認めてくれないかなぁ…
ゆめ部長の考えは、「私、お客さまだよね!?」なんてことを平然と主張する人には、サービスを提供する側がハッキリと「NO!!」を突き付けるべきだと思っています。その分、大切なお客さまに全力を尽くしてサポートしたいですからね。
こんなナマイキ発言をできる不動産屋さんであるために、仕事には誇りとプロ意識を持ち続けていくと決めています。
仲介手数料が高すぎ!サービスを受けていないお客さま
ゆめ部長のWebページは「不安・悩み・怒り」などを解決する記事を書いていますから、他の不動産屋さんの対応に関する相談を受けることも結構あります。
よくある相談で実際にあったものを1つ紹介します。わかりやすくするために要点を箇条書きしてみましょう。
■ 仲介手数料は「3% + 60,000円」請求された
■ 仲介手数料がかかることを契約直前まで知らなかった
■ 物件は自分でネットを使って探した
■ 不動産屋さんとは1度しか会っていない
■ 住宅ローンは自分でやり取りしている
■ 価格交渉を全くしてくれなかった
■ 契約前日なのに契約書類を送ってもらえない
■ 担当者と連絡が取れない…
どうですか?信じられないですよね…。でも、本当にあるんですよ。
この不動産屋さんの仕事は、とてつもなくお粗末だと思います。これで仲介手数料の上限を請求するなんて、どう考えても、もらい過ぎでしょう。
こんな感じで、不動産取引の勉強を始める前に気に入ったマイホームに巡り合ってしまったお客さまなどは、不動産屋さんの食い物にされてしまう危険があるわけです。
この程度の仕事しかしていないのに、仲介手数料は「3% + 60,000円」。一方、現地を100回も見たお客さまでも「3% + 60,000円」
これって、なんか変じゃないですか?不平等ですよね??
仲介手数料の負担はもっと平等にできないのかな??
どんなにレベルの高いサービスをしても、どれだけ時間をかけても、仲介手数料の上限は「3% + 60,000円」。
どんなに知識がない人が仲介しても、どれだけ楽に契約しても、請求される仲介手数料は「3% + 60,000円」。
ということは、
ムダに多くのサービスを受けている人のために、仲介手数料が値下げできないのではないか…?手間暇かけずに不動産屋さんを楽に儲けさせてくれる…そんな「イイお客さま」が、仲介手数料を余計に支払い過ぎなのではないでしょうか?
そこで。やっぱり、不動産屋さんに過剰サービスを求める人に対しては、たとえ安くても構わないので、費用を都度、請求できるようにしなくてはいけません。
不動産屋さんの負担を減らすことができたら、仲介手数料を値下げできる会社も増えてくるはずですからね!!
こんな意見を発信すると、「結局、不動産屋が儲けるだけで仲介手数料を下げるわけないじゃん!」と同業者の方から何度も言われますけど、なんてつまらない反論なのかなぁと思います。
新しい不動産取引のあり方を模索している中で問題点を指摘しているんです。目的は不動産屋さん・お客さまの両方が Win - Win になれることですから、過去のやり方にいつまでも固執せず、自社のサービスに磨きをかけていってくださいよ~とお伝えしておきます。
同業者の皆さま、ご理解・ご協力をお願いします。
ゆめ部長は仲介手数料無料のサービスもしています!
ゆめ部長は「売却」と「購入」で仲介手数料を変えています。
営業トークになっちゃいますけど、比較するために見てください!
【売却】
■ セラーズエージェント ➡ 仲介手数料「 3% + 60,000円 」
■ 手数料0円売却 ➡ 仲介手数料「無料」
【購入】
■ 新築戸建購入 ➡ 仲介手数料「無料」
売却のセラーズエージェント以外は仲介手数料を安くしていますけど、サービス内容は他社さんよりも厚く・温かいものになっています♪
「仲介手数料は安いのに、サービスの質は高い!」
あえて厳しい場所を選ぶことによって、過当競争でレッドオーシャンの不動産市場において、たくさんのお問い合わせをもらえるようにしたいと考えています。
最後に…
不動産屋さんへ…
不動産屋さんは楽して儲けようという考えを改めましょう。その後、無理難題をふっかけてくるクレーマーに対して一緒に「NO!!」を突き付けて欲しいと願っています。まずは自分の仕事を見つめなおすことからですね。
クレーマー対応の時間を削れたら、今度は頑張っている大切なお客さまのために時間と労力を注ぎましょう。そうしたら、お客さまに喜ばれ、仕事がもっと楽しくなるはずです!!
お客さまへ…
不動産屋さんのサービス内容を確認して、支払う仲介手数料に納得できるか…しっかり見極めてくださいね。不動産屋さんに食い物にされてしまわないように、少しずつ知識もつけてほしいと願っています。
ちょっぴり、過剰サービスを求めてしまっているお客さまは「タダでやってもらえることは、全てやってほしい」なんて考えは止めてくださいね。ご理解いただけましたら幸いです。
長くなりましたので今日はこのあたりで…。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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