TEL
2021年08月12日
不動産売買の諸費用

宅建マイスターが考える仲介手数料の成功報酬制廃止【不動産業界の改善点 】

不動産屋さんが仲介手数料をもらえるのは売買契約成立時です。つまり、お客さまが複数の不動産屋さんに相談していた場合、契約できた1社を除き、他の全ての不動産屋さんが「タダ働き」したことになります。

 

「仲介手数料の成功報酬制」は、不動産屋さんがタダ働きで涙を流すだけでなく、お客様にもデメリットが生じています。不動産業界の裏側を説明してこの問題を明確にしながら、問題解決案として「仲介手数料の成功報酬制を廃止しよう!」というテーマで熱く語ってみたいと思います。

 

不動産業界16年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

不動産屋さんの報酬である仲介手数料は「All or Nothing」

仲介手数料はなかなかの金額になりますから「不動産屋さんって儲かるんでしょ~」って何度も言われたことがあります。

 

確かに、仲介手数料は高額です。

ちょっとだけ見てみましょう。

 

消費税率が10%で計算してみると…

 

【不動産価格】    【仲介手数料額】

 2,500万円  …     891,000円(税込)

 5,000万円  …  1,716,000円(税込)

 7,500万円  …  2,541,000円(税込)

 

これが両手仲介(売主さま・買主さまの両方から仲介手数料をもらう取引)だと2倍になりますから、仲介手数料の【上限】で両手仲介ばっかりやっていれば、確かに儲かる仕事なのかもしれません。

 

もっと見てみたい方は次の早見表をどうぞ~

 

不動産価格100万円~5,000万円の仲介手数料早見表【消費税10%ver.】

不動産価格5,100万円~1億円の仲介手数料早見表【消費税10%ver.】

 

しかし、仲介手数料は「成功報酬」のため、売買契約が成立しないと1円たりとも受領することができないものです。もし、2年かけて20回も現地を案内したとしても、契約できなければその努力は全てタダ働きになってしまいます。

 

売買契約できれば儲かる。だけど、タダ働きがかなりある…という事実もあるわけですね。これは、タダ働きさせている立場の人は気が付かないところだと思います。

タダ働きは絶対イヤ!不動産屋さんが強引になるのは当然かも…

先ほど例を出しましたけど、2年かけて20回も現地案内をしたとしましょう。(不動産屋さんにこんな忍耐力はないでしょうから、ちょっと極端な例かもしれませんね。まぁ、参考程度に見てください。)

 

1回の現地案内でかかる時間を考えてみます。

 

お問い合わせへの対応 30分~1時間

内覧予約 30分

資料準備 30分~1時間

現地案内 3時間(移動時間を含む)

内覧後の対応 30分~1時間

 

もっとスピードを速くして効率的に仕事ができる不動産屋さんは間違いなくいます。また、手を抜いている不動産屋さんなら1/3くらいまでギュッと圧縮できるかもしれません。しかし、逆に、ものすごく手のかかるお客さまもいますし、初回は丸1日使うこともあります。だから、平均でこのくらいかな…と考えてみました。

 

1回の現地案内だけで5時間かかるということは、20回の現地案内で100時間も使う計算になりますね。この努力が報われて売買契約になればいいですけど、取り扱えない未公開物件が出てきてしまい、その物件を契約されてしまったら…もう悲劇です(悲)

 

こんな経験を積み重ねてきた不動産屋さん。

どんな営業をしてくるのか…

想像するのは難しくないですよね??

 

答えは…

 

1回の案内で強引に契約しようとしたり、

未公開物件を潰す営業トークをします。

 

つまり、

 

お客さま目線で仕事をせず、

自己都合での仕事になってしまうのです。

 

だから、現地案内中は「奇跡の物件ですね!」とか「こんなスゴイ物件始めてみました!」とか「プロの目から見ても間違いありません!」とか…どんな物件でも毎回言っちゃいます。

 

最近は少なくなっているようですけど、旦那さんが帰宅するのを隠れて待ち、偶然を装って突撃訪問をしかけてきます。会えなければ、夕食時とか、子どもが寝る時間とかお構いなしに電話攻撃もしてきます。

 

さらに、これでも契約にならなければ「新人の練習台」として扱われます。ゆめ部長が最初に勤務した会社では「契約にならなかったんだから客じゃない!遠慮しないでガンガン電話しろ!!」と言われました…(涙)

 

不動産仲介は「0 or 100」の仕事ですから、こうなるのは仕方がないというか、当然の流れだと言えます。タダ働きをしてもらえる(=無料サービスを受けられる)メリットの裏返しとしてデメリットがあるのは当然ですよね。「タダより怖い物はない!」ってことです。

 

もう少し業界の裏側をお話しちゃいましょう。

 

不動産屋さんが皆さまから問い合わせをしてもらう「単価」を考えたことがありますか?つまり、不動産屋さんが1件のお客さまを集客するために使う広告費のことです。

 

ビックリするかもしれませんけど、大手や中堅で1組10万円くらい、中小零細でも1組2万円~3万円くらいはかかっています!!suumoなどの広告費はものすごく高いですし、リスティング広告も不動産関連は高額になりがちです。さらに、新聞折込広告や現地販売会の開催にも費用がかかりますから、集客単価はどうしても高くなってしまいます。

 

時間と労力だけでなくお金も大量に投入しているから、不動産屋さんの営業マンはノルマが厳しくなる。これを理解してもらえると、この記事でゆめ部長が主張したいことに共感してもらえるようになるはずです!

 

参考記事…

居住中でも、空室でも、内覧予約を取るのはけっこう大変!「いつになったら予定が決まるんだ!」と怒らないでくださいね。

情報もサービスも無料ではありません!

最近の日本って、なんか…狂っているような気がしています。

 

「お客さまとして丁寧な対応をされてあたり前!」と考えている人がかなり多くいるようです。何でも無料で良質なおもてなしを受けられるものだと本気で信じているようですけど、こういう人ってどう思いますか…?

 

ちょっと話は脱線しますけど、吉野家の牛丼について語ります (笑)

 

ゆめ部長は吉野家が大好きでよく行くのですけど、380円でアツアツの牛丼並盛がササっと出てくるだけで大満足しています。おそらく、牛丼並盛1杯しか注文しないと利益は微々たるものでしょう。そう考えると「おい!水くれ。」とか「俺は客だぞ!」なんて言えないし、笑顔で接客してくれるおばちゃんに横柄な態度をとるなんてもってのほかだと思ってしまいます。

 

380円の牛丼だけで満足のいくおもてなしを受けたい…。これって、支払うお金に対して求めるものが多すぎる!と言えませんか??だって、牛丼おいしいじゃん!380円だよ?結局、働いている人に苦しみがシワ寄せされているんでしょうね。

 

運送業界は過剰サービス・低料金化に「NO!」と言いましたよね。飲食で働くお客さまも限界だと言っていました。不動産取引も似たような状況です。

 

参考記事…

不動産屋さんのイメージが悪いのはお客さまにも問題あり!?

 

長くなってごめんなさい。話を戻します。

 

suumoに掲載している情報は、不動産屋さんが広告費を負担しています。社員が写真を撮影して、間取図を作成して、魅力を伝える文章を考えて。これを皆さまは無料で見ながらマイホーム探しをしているわけですね。

 

これの対価はどうしますか…?

 

そうです。これは仲介手数料で支払うことになります。

 

しつこいようですけど、日本の不動産取引での仲介手数料は成功報酬制です。だから、資料を送ってもらうのは無料だし、専門家である宅建士に回答してもらうのも無料だし、現地を案内してもらうのも無料だし、売買契約書を作成させて「やっぱ、や~めた」と言っても無料です。

 

こんなワガママに対する対価はどうしますか…?

 

そうです。仲介手数料で「誰かが」支払うのです。大したサービスを受けていないお客さまが支払った仲介手数料があるから、ワガママを言う人が無料でサービスを受けられている状況だと言えます。

 

情報を提供する人がいて、サービスを提供する人がいるわけですから、無料になるはずがない!ということは理解してほしいと切に願います。

 

参考記事…

仲介手数料は素直なお客さまが払い過ぎている!不平等な不動産取引の実態

 

最後に、情報も無料なはずがない!ということをお話します。

 

「未公開のマル秘物件情報」

「緊急値下げ物件情報」

「値下げ可能額情報」

「最速でお知らせする新規物件情報」

 

これらの情報は、不動産屋さんが接待してGetした情報だったり、頻繁に情報に触れることで最新の情報を最速でお届けしていることがあります。

 

「不動産は一生に一度の大きなお買い物」だって皆さまよく言うじゃないですか?それなら、新鮮で価値のある情報を得るためにお金を支払ってもイイと思えませんか。

 

「未公開物件情報だけ教えてくれたらイイですよ。」って偉そうに言われて、一所懸命集めた情報をメールで簡単に教えたくないですし、教えてもらえないことが多いはずです。ゆめ部長は未公開物件に強いわけではないですけど、黙っていられなかったので書いちゃいました。

不動産屋さんの被害体験談

仲介手数料が成功報酬制であるがために、不動産屋さんがどれくらい被害を受けているのか…少し事例を紹介しましょう。

 

事例1…

 

新築戸建を購入したいけどエリアが全く定まっていないお客さまでした。東京に引越をしてきてばかりのため、勤務先と自宅の交通の便が良いかどうか、金額が予算内かどうかを重視していました。そこで、「物件見学ツアー」を組み、数回に分けて1日10件ほど現場を一緒に見て回ったのです。しかし…一緒に見て回った現地の中で気に入った物件を自分たちだけで再度見に行き、現地にいた不動産屋さんに丸め込まれてしまいました。その場で購入申込書にサインをして、当日中に契約を締結してしまったとのことでした。

 

事例2…

 

単身の女性でリノベーション済みの中古マンションを探していました。探しているエリアが絞れないし、買う気があるのかわからないため、他社の不動産屋さんからは全く相手にされていないようです。それでも、雑な扱いをせず、毎週毎週いろんなエリアのマンションを案内し続けていました。ところが、ある日を境に連絡が取れなくなります。メールをしても返信がなく電話をしても折り返しがありません。最後に案内した日の終わりには、笑顔で「これからもよろしくね~」とお菓子をもらったので、嫌われたわけではなかったはず…です。

 

事例3…

 

夫婦ペアローンでマイホーム購入を考えている夫婦でした。自営業者のご主人が奥さんに内緒で借金していたことが発覚してしまい、住宅ローンではすごく苦労させられました。なんとか本審査まで通すことができたのに、本審査を通した新築戸建は残念ながら他のお客さまが契約してしまいました。その後、現場をいくつも内覧。最終的に建築中の現場が気に入り、建物プレゼンを受けて購入申し込みをしました。ところが、ご主人の借金の件が再燃して夫婦喧嘩…。そしてキャンセルに…。

 

これ、全部「タダ働き」ですよ…。

 

せっかくなので、最近流行りの「一括査定」で不動産屋さんが受けている被害についても書いておきます。

 

一括査定を複数のサイトから依頼している人に言わせてもらいますけど、数十社から査定金額を教えてもらったなら、依頼する数社を除いた残りの人たちにタダ働きをさせたということを知っておいてください。

 

査定書作成には時間とお金がかかります。

訪問査定にも時間と人件費がかかります。

集客にもコストがかかります。

追客にもコストがかかります。

 

20社に一括査定依頼をしたのであれば、

不動産屋さんの損失は

全体で50万円を軽く超えるでしょう。

 

そもそも、査定書が20・30届いたところで査定額以外は見ないですよね?20社が査定訪問しても説明された内容だけでなく営業マンの顔すら忘れていますよね?それどころか「不動産屋がウザイ!」と文句を言い、自分は被害者だと思い込んでいるのを知っていますよ。

 

「一括査定」を利用する不動産屋さんにも問題があると思いますけど、利用する側にも大きな問題があるのではないでしょうか??

 

こんなことを書きましたけど、ゆめ部長は一括査定が大っ嫌いなので一切利用していません。ライバルの他社さんが損することなんて黙っていればいいのかもしれませんけど、不動産業界全体にとってマイナスが大きすぎるので書いておきました。(一括査定を運営している会社は、ほとんどが不動産取引をしていません。不動産業界はIT業界に利益を吸い上げられているわけですね…。)

成功報酬制をやめたら料金表がいるのかな?

成功報酬制をやめるとどうなるか…考えてみました。

 

仲介手数料は売買契約が成立した時点で100%発生します。今までの不動産取引は成功報酬制ですから、売買契約が成立しなければ、情報を提供しても一所懸命サービスしても仲介手数料は発生しませんでした。

 

この成功報酬制を変えていくのであれば、料金表を作成して、サービス提供ごとに請求することになります。

 

質問への回答2,000円
資料送付5,000円
現地内覧5,000円/1件
資金計算・相談30,000円
 プレゼン立会30,000円
 売買契約書作成100,000円

 

たとえば、こんな感じでしょうか。

 

上記の料金表は少し高く感じられるかもしれませんけど、不動産屋さんは1ヶ月のノルマが150万円~300万円くらいに設定されています。土曜日・日曜日・祝日が1ヶ月で10回あるとすると、1日あたり15万円~30万円の売上を立てるような仕事をしなければいけません。こうやって見ると、別におかしくはありませんね。

 

まぁ、正直言ってしまえば、この金額設定はどうでもいいのです。もっと安くても全く問題はありません。なぜなら「サービスは無料じゃないんですよ!」ということを理解してもらうことが優先事項だからです。

 

おそらくですけど…。

 

いつまでもマイホームを購入しないのに「私は100件以上現地を見てきた!」と堂々という人たちは、内覧が1件2,000円とかの安い金額でも有料なら見に来ないはずです。

 

なお、料金表には次のような問題があります。

 

上限の報酬を超えてお金を支払うお客さまが出る。

報酬が積上式だと不動産屋さんの報酬が減りそう。

 

他にも問題があるかもしれませんけど、現行の仲介手数料の定め方が異常なわけですから、仲介手数料が妥当なものへ変われるように、不動産会社が自由に決める料金表の導入を検討する価値があると考えています。

 

ゆめ部長の考えは次の通りです。

 

仲介手数料の請求額は案件ごとに異なって当然

「3%+6万円」にこだわるべきではない

 

時間があれば、次の記事も読んでみてください!

仲介手数料のあるべき姿を考えるのに役立ちます。

 

参考記事…

仲介手数料「理想」と「現実」のギャップ…不動産取引のあるべき姿を全力で考える!

成功報酬制廃止・仲介手数料自由化のハードル

成功報酬制があるから不動産屋さんの強引な営業がなくならない…ということは理解してもらえたと思います。次に「仲介手数料の自由化」も考えてみましょう。

 

これは、仲介手数料の「上限」を撤廃しよう!というゆめ部長の意見です。

 

不動産屋さんが儲けやすくしよう!という意見では断じてありません。金額が安い不動産や、権利関係が複雑で時間がかかる不動産だったとしても、不動産屋さんに面倒くさがらず対応してもらうためには「成約価格×3%+60,000円」という上限が邪魔になっているため撤廃してほしいということです。

 

・成功報酬制廃止

・仲介手数料自由化

 

この2つを同時に実現することができれば…

 

不動産屋さんの強引な営業に悩まされるお客さまが減るでしょうし、金額が安くて難しい案件でも積極的に取り扱ってくれる不動産屋さんが増えて助かる人が増えるでしょう。「安くてもいいから、とにかく手放したいのに、不動産屋さんが対応してくれなくて…」という地方の案件は東京にいてもよく聞く話なんですよ。

 

最後に、この2つのアイディアを実現するために越えなくてはいけない2つのハードルを指摘しておきます。

 

不動産屋さんの専門性アップ・モラル向上

お客さまからの信頼獲得

 

現在の不動産業界を知っているから、このハードルをクリアする難しさを感じます。プロ意識を持ち、お客さまの利益を守るために仕事をする不動産屋さんでなれなければ、この2つのアイディアを悪用するかもしれません。だから、絶対に越えなければいけないハードルだと言えるでしょう。

 

不動産業界にとっても、お客さまにとっても、メリットがあるアイディアのはず。まずは不動産業界が襟を正し、プロの仕事を提供することから始めていきたいものですね。

最後に…

不動産業界を改善していくためにゆめ部長のアイディアを書いてみました。あまり共感してもらえない予感はしているのですけど、1人でも「おっ!良いこと言ってるねー!」と思ってもらえたら、頑張って書いた価値があると思います。

 

できれば、この記事を1つのきっかけとして、不動産業界改善を多くの人が考え、実際に何らかの行動を起こしてもらえたら嬉しいです。ゆめ部長も引き続きWebページで情報発信を続けながら不動産業界改善を目指していきます!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

このテーマについてはこれからもっと調べて深く考えてみます。こうやって1度記事にまとめておけば、頭の中が整理されますし、アンテナも感度よく張れて効率的なので、未完成ながら記事を公開させてもらいました。不動産屋さん・お客さまと議論した内容を追記して数年後に完成させることを目指します!ぜひ、皆さまの考えも聞かせてくださいね。

 

一緒に読んで欲しい記事…

宅建マイスターが考える仲介手数料の適正化【不動産業界の改善点 】

 

Twitter もフォローしてもらえると嬉しいです!

YouTube で学ぶ不動産売買の基礎知識

 

2019年08月27日 更新

2021年08月12日 更新

マイホームの売却一軒家(戸建て)の購入
  • 売却スタンダードプラン
  • 売却フルサポートプラン
  • 売却ライトプラン
  • 新築戸建を仲介手数料無料で購入しよう
  • 不動産売却のセカンドオピニオン
この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋16年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…楽しく仕事をしている不動産業界には薄暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと心から願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
ゆめ部長の真っ直ぐ不動産仲介 - マイホームの売却や一軒家のご購入をサポート(東京・神奈川・埼玉)
arrow_upward