TEL
2020年08月04日
不動産売買の知識

仲介手数料「理想」と「現実」のギャップ…不動産取引のあり方を全力で考える!

このWebページを作り始めてから約2年半。この期間で、不動産売買の「仲介手数料」に関する記事をたくさん執筆してきました。仲介手数料に関して考え続けてきた結果、「理想的な仲介手数料のあり方」を思い描きをながらも「今の日本では、まだ受け入れられない考えだろうな…」と、諦める気持ちに傾いています。

 

でも、考え尽くして至った理想的な仲介手数料の在り方なので、このまま消滅させてしまうのはもったいない…。そこで、ゆめ部長の1つの意見として、仲介手数料の理想形をこの記事でまとめておくことにしました。

 

記事をたたき台にして議論を深め、いろんな人が積極的に意見を発信してほしいです。この過程を経て、少しずつ理想に近づけていけたらイイな…そんな思いを込めてお届けしたいと思います!

 

不動産業界15年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

現在の仲介手数料は妥当ではない!

仲介手数料の計算式は知っていますよね??

 

(成約価格×3%+60,000円)×1.1

 

※ 消費税込みの仲介手数料額

※ 建物消費税がある場合、成約価格-建物消費税

 

この計算式、実は【上限】を定めたものです。

 

そして、仲介手数料額については、

媒介契約書で次のように記載されています。

 

前項の報酬の額は、

国土交通省告示に定める限度額の範囲内で、

甲乙協議の上、定めます。

 

仲介手数料3%は上限でしかなく、

不動産屋さんとお客さまが協議して決める。

これが原則になっています。

 

ここまではOKですよね。

 

次に、不動産屋さんの仲介手数料が妥当なのかを考えます。

 

妥当かどうか…は、次の状況によって異なるでしょう。

 

両手仲介 or 片手仲介

成約価格が高いか?安いか?

 

両手仲介なら仲介手数料は最大「6%+12万円」

片手仲介なら仲介手数料は最大「3%+6万円」

 

物件価格別で仲介手数料(消費税抜き)を見ていきます。

 

物件価格500万円の仲介手数料

 

両手仲介:42万円 片手仲介:21万円

 

物件価格3,000万円の仲介手数料

 

両手仲介:192万円 片手仲介:96万円

 

物件価格8,000万円の仲介手数料

 

両手仲介:492万円 片手仲介:246万円

 

物件価格2億円の仲介手数料

 

両手仲介:1,212万円 片手仲介:606万円

 

500万円の物件を片手仲介した場合と、

2億円の物件を両手仲介した場合では、

不動産屋さんの報酬は 1,191万円 も差が出るのです。

 

高額物件だからこその難しさはあります。

しかし!!

定額物件だからこその難しさもあります。

 

500万円の物件が次のようなマンションだったら…?

 

自主管理で管理規約もない

修繕積立金不足で共用部の問題山積

再建築不可

 

宅建士が調査する項目が多すぎて、

ゆめ部長なら、ちょっと避けたくなります。

 

一方、2億円の物件は次のようなマンションなら…?

 

高所得者が多く資産管理抜群

室内綺麗!補修箇所なし!

法律や条例の調査も問題なし!

 

あぁ…楽過ぎる。

契約はすごく簡単だと思いますよ。

 

このように、仲介手数料が「高い」or「安い」を簡単には判断できません!一律の定率制・定額制は間違っているのでは…?そんなゆめ部長の考えを深掘りしていきます。

仲介手数料の歴史を学んでおこう!

昭和27年に不動産屋さんの取引規制について定める宅建業法が制定されました。

 

宅建業法で仲介手数料を規制するまで、不動産屋さんを取り締まる法律がなく、不正行為が絶えなかったそうです。きっと、とんでもない金額の仲介手数料を請求していたのでしょうね…。

 

宅建業法制定時では、仲介手数料率は「各都道府県知事が定める」と定められており、手数料率はバラバラだったようです。その後、手数料率の一本化の要望があり、昭和45年に現在の仲介手数料率になりました。

 

歴史からわかること…

 

不動産屋さんが仲介手数料を不当に請求していたため、仲介手数料率に「上限」を定められてしまった…。つまり、規制されてしまったわけです。

 

仲介手数料「3%+6万円」は不動産屋さんがもらう権利がある!保証された金額だ!なんて意見を聞くこともありますけど、確実に、間違っていますよね。ただ、規制されている残念な状況なだけです。

宅建士の仕事と報酬のバランス

不動産仲介の仕事は「ブラック」になりがちです。

 

なぜなら、高額な取引を行うわけですし、不動産は個別性が強く代替性が低い「一点物」だからです。

 

お客さまにとっては一生に一度の大きなお買い物ですから、できる限り寄り添うサービスが求められていると感じています。

 

具体的に言うと…

 

休日でも携帯に電話がかかってきます。

休日だと伝えても「内覧したい」と言われます。

時間がないと言われ22:00から契約もします。

妊娠中だと自宅での契約手続き依頼されます。

 

断ってしまってOKなこともあります。でも、不動産屋さんの多くは歩合給社員。フルコミッションなら、契約がなければ給料も0円だったりします。

 

だから、働くのです。

1ヶ月休みが1日もなかったとしてもね。

 

質問…

なぜ、辞めずに働くと思いますか?

 

解答…

学歴がなくても、頑張ればボチボチ稼げる仕事だから。

 

単純ですね。

 

お客さまの都合に合わせることが多く、クレームもたくさんある。プライベートを犠牲にする対価として高い報酬をもらっているのに、給料が安くなるのであれば不動産仲介の仕事を辞める人が増えるでしょう。

 

だから、多くの不動産屋さんは

「3%+6万円」は全然高くない!となるのです。

 

もう少し語ります。

 

AIで業務効率化されたら不動産屋はいらなくなる!

仲介手数料が異様に高い!

 

こんな話をされることがありますけど、

「わかってないなぁ~」と思ってしまいます。

 

だって、

 

不動産屋さんの仕事は年々難度が高まり、

宅建士の責任範囲は広く・深くなっていますからね。

 

それに、悪質クレーマーが増加し、

お客さまのコミュニケーション能力は低下中。

 

これ、AIがどうこうできる問題ではありません。

 

「仲介手数料が高い!」と意見を言うのは自由ですよ。

でも、どれだけ大変な仕事なのか…

少しだけ想像力を働かせてもらえたら嬉しいです。

 

「そんなの知るかっ!!」というなら…

 

鏡を持って顔を覗き込んでみてください。

鏡に映り込んだ人が「お客さま」になるんですけど、

あなたが不動産屋さんなら耐えられそうですか…??

 

これからの時代、

サービスを受ける側から選ばれるだけじゃなくて、

サービスを提供する側からも選ぶようになるはずです。

 

「問題がある人」を相手にすると疲れるので、

「3%+6万円」でも安すぎる!と思うのではないでしょうか??

 

ちょっと、グチってしまいました。

ごめんなさい。

最高裁の判例に仲介手数料の理想形がある!

不動産仲介手数料に関する最高裁判例を見てください。

 

最高裁判例 昭和43.8.20

 

報酬として当事者間で授受される金額は、

その場合における

取引額・媒介の難度・期間・労力・その他諸般の事情が

斟酌されて定められる性質のものと言うべき

 

ちょっと古い判例ですけど、

これが、本来あるべき報酬のあり方だと、

ゆめ部長は考えています。

 

定率制・定額制ではなく、

個別事案ごとに仲介手数料が変わる。

 

不動産屋さんには反発されるだろうけど、

お客さまには受け入れられやすい定めでしょう。

 

上記の斟酌されるべき内容ですけど、

ゆめ部長の意見を追記して箇条書きしておきます。

 

両手仲介 or 片手仲介

成約価格

取引の難易度

販売期間

労力

エージェントの能力・経験値

エージェントの資格

節約できた費用

取引の満足度

 

こういう内容によって報酬を変えたらイイのでは!?

 

数値化するのが難しいことがあるし、

満足度なんて人によって感じ方が違うし、

実現が困難なのはよくわかります。

 

しかし、強引でも、エージェント・不動産会社を

スコアリングしないと不都合が生じるのです。

 

不動産屋業界のブラックボックスを

どうやって透明化していくのか…

真剣に考えないと、今まで通りに

お客さまが損をすることになってしまいます。

 

そもそも…

 

宅建士ではない

バックマージンで儲けている

経験がない新人さん

勉強をしていない

顧客目線でサポートしない

 

こんな不動産屋さんに上限の報酬を支払うなんて

常識的にあり得ないと思いませんか!?

 

ゆめ部長なら、未公開物件を紹介してくれたとき以外

「3%+6万円」なんて支払いたくありません!

 

というわけで!

 

50年以上前の最高裁判例を見直して、

 

儲け過ぎてお客さまが損をする

儲けが少なすぎて不動産屋さんが損をする

 

こんな取引を激減させたいと願っています。

低率制・定額制ではない報酬体系

仲介手数料については、

定率制・定額制などをウリにする不動産屋さんが増えてきました。

 

定率制の具体例…

 

成約価格×0.5%

成約価格×0.7%

成約価格×1.5%

 

定額制の具体例…

 

300,000円(税別)

498,000円(税込)

500,000円(税別)

 

でも、このサービスは、

不動産取引に詳しくない人が担当するリスクがあります。

 

知識・経験があり、

定期的に勉強をする習慣がある。

そして、顧客目線で働ける人…

 

この人が年収500万円なわけないですよね。

 

ゆめ部長は、定率制・定額制でサービスも考えていますけど、

やっぱり、しっくりきません。

 

ずーーっと考えて至った結論。それは…

 

案件ごとに、取引状況ごとに、

不動産屋さんの報酬が変わる「変動制」です!

 

具体案を3つ挙げておきます。

 

具体案1…

 

物件価格が500万円の案件に対して時間と労力を投入して仕事をするには、1契約で100万円を切るのは厳しすぎるので、現在の上限オーバーを認める!

 

具体案2…

 

ゆめ部長は両手仲介が好きではありませんけど、両手仲介OKなら仲介手数料が安くなる…これなら、お客さまにメリットがあるから決して悪い話ではなくなります。

 

3,000万円の物件を契約して

「6%+12万円」の192万円ではなく、

双方25%OFFして

「4.5%+9万円」の144万円にする!

 

具体案3…

 

2億円の物件を両手仲介することになったけど、お客さまが協力的だし、物件には何一つ問題がないし、販売開始して1週間で契約になったから、仲介手数料は全体で500万円でOK!

 

こんな感じで柔軟な報酬体系にできたらなぁ…

「仲介手数料の自由化」が必要だと強く思います。

 

「じゃあ、ゆめ部長が始めたら??」

こんな質問に回答して終わりにしますね。

 

正直、この「変動制」をウリにしても、全くお客さまに響かず集客はできないでしょから、今すぐ、このサービスで走ることをゆめ部長は全く考えていません。

 

まずは、お客さまが不動産取引を理解できるように正しい情報をわかりやすく発信する活動から頑張っていこうと思っています。

 

参考記事…

宅建マイスターが考える仲介手数料の適正化【不動産業界の改善点 】

最後に…

日本の不動産取引は世界基準に合わせなければいけなくなるでしょう。

 

アメリカのようにエージェント制が導入され、両手仲介ができなくなるかもしれません。これはこれで、ゆめ部長はすごくイイことだと思っています。

 

しかし!!

 

考えれば考えるほど、不動産屋さんの報酬は「変動制」にするべき!との結論に傾きます。

 

皆さまは、どう思いますか??

 

ツッコミどころ満載でしょうけど、

批判的な目線で考えず、

1度、じっくり考えてもらえたら嬉しいです。

 

1人でも多くの不動産屋さん、

1人でも多くのお客さま、

みんなで議論を深めていくキッカケになれば…



そんな願いを込めて、今日の記事は終わりにします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
arrow_upward