不動産売買の仲介手数料は「高い・安い・妥当?」現場の声を集めてみた!
不動産を売却・購入するときに支払う仲介手数料は「高い」「安い」それとも「妥当」なのでしょうか?できるだけ支払うお金は少ない方がいい…。でも、不動産は高額だから安心して売買したい…。じゃあ、安心して売買するためには、安心料として仲介手数料はどれくらい支払うべきなのかなぁ?
そんな疑問を解決するために、お客さまや不動産屋さんから聞いた現場の声を紹介しながら、ゆめ部長の意見を書いてみます。この記事を参考にして、仲介手数料は支払うべきなのか?いくらまでなら支払ってもいいと思えるのか…1度、考えてみてください!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
仲介手数料を支払うお客さま VS もらう不動産屋さん
仲介手数料を支払う側は「高い!」と感じるし、仲介手数料を受け取る側は「安い!」と感じる。これは、まぁ、そうなりやすいかな…と思います。
もう少し正確に言うと…
お客さまは 「高い~妥当」
不動産屋さんは 「安い~妥当」
という意見が不動産取引の現場ではよく聞かれます。なお、ゆめ部長は東京23区+周辺エリアで仕事していますから、不動産価格が高く、1件あたりの仲介手数料も高めになることは考慮してください。地方であれば、お客さま・不動産屋さんのどちらも「安い」が多くなると予想します。
では、なぜ、このようにお互いの意見がズレるのかを考えてみましょう。
ゆめ部長が考える理由は…
お客さまは、不動産屋さんが行う仕事の内容を知らないため、今の不動産取引がどれだけ大変かを理解することができません。また、プロの仕事を期待しているのに、不動産屋さんのサービスに満足できていないことも「仲介手数料が高い!」と感じる原因なのではないでしょうか。
一方…
不動産屋さんは、IT業界・広告業界にガッツリ利益を吸われてしまっています。お客さまを集客するために多額の経費をかけているため、仲介手数料は高くても、意外と利益が少なくなってしまいます。さらに、業務が複雑化していますし、トラブルも多くなったと言えるでしょう。だから「安い!」「妥当だ!」と感じるのだと思います。
仲介手数料が高い!という意見
仲介手数料が高い!というお客さまの意見を2つ紹介しましょう。
現場の声【1】
『不動産屋の仕事なんて、右から左に流すだけでしょ。なんで、こんな簡単なことに高すぎる仲介手数料を払わなきゃいけないのか…わかんないんだよなーーー。』
右から左に流すだけと言われましたけど、
ゆめ部長の仕事はこんな感じでした…
■ 現地案内は5日間で12部屋
■ 21:00から自宅近くで重要事項説明
■ 持ち回り契約(手間がかかる)
■ かなりキツイ値下交渉
■ 複数物件への購入申込(裏切り行為)
■ 毎日たくさん届く細かい質問メール
「片手仲介」+「仲介手数料半額」だったので報酬は「1.65%+33,000円」だけ。それでも「高い」と言われてしまうと、もう…悲しい気持ちになります。
現場の声【2】
次のお話は、既に他の不動産屋さんで契約してしまった人からの電話相談です。
『インターネットを使って自分で探した物件に申込して、価格交渉は一切してもらえず、住宅ローンは自分であたっているのに、仲介手数料を3%も請求されてしまいました。高すぎると思うんですけど…どうにかできませんか?』
不動産屋さんが仕事を全然やっていないですよね…。これじゃあ、仲介手数料を上限で請求されても支払いたくないと思います。
このようなケースで「高い(怒)」と言われるのは仕方ありません!せめて、未公開の新鮮な情報を契約していたのならよかったですけど、完全に公開された売れ残り物件だったのが残念な案件でした。
次は、「妥当」という意見を見てみましょう。
仲介手数料が妥当!という意見
仲介手数料が「妥当!」というのは不動産屋さんが多いでしょうね。
よく聞く発言は…
■ 仲介手数料が3%かかるなんて常識だ!
■ お客さまは喜んで3%払ってくれるよ!
■ 3%払う気ないなら客じゃない!
■ 3%請求するのがプロ。プライド持て!
■ 3%請求する仕事をしている自信がある!
妥当だと主張するためには、プロとしての義務を果たさなければいけません。そんなことは棚に上げての発言になっていないか…気になってしまいました。
仲介会社がお客さまの利益を第一に考える責任と義務「受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)」を果たせているのでしょうか?まさか…売主さまの利益を完全無視する「囲い込み」なんてしていないですよね??と聞いてみたいです。
一方…
「妥当」とまでは言いませんけど、「そういうものですよね。」とか「仕方ないですよね。」というお客さまもたくさんいます。疑わない素直な人、情報収集する前に売買してしまった人、大手仲介会社を利用する人に多い印象でしょうか。
最後は、「安い!」という意見です。
仲介手数料が安い!という意見
仲介手数料が「安い!」という意見のほとんどが、不動産屋さんからのグチとして聞かれることですけど、お客さまから「安いよね…」と言われることもあります。
よく聞く発言は…
■ 仲介手数料はもっと高くていいと思う!
■ 仲介手数料が高いって誰が決めたんだ?
■ 権利関係が複雑すぎて3%だと安すぎる!
■ 物件価格が安くて3%じゃあできない!
■ 儲からなかったでしょ?ごめんね。
物件価格が500万円でも、物件価格が1億円でも、不動産屋さんの仕事には大きな違いはありません。でも、仲介手数料には大きな差が出てしまいます。そのため、物件価格が安いワンルーム、築年数が古いマンション、権利関係が複雑な物件の売買をサポートするときは、仲介手数料が安すぎる!という話が出てきてしまうのです。
仲介手数料の金額設定は不平等!
不動産取引の最前線で戦うゆめ部長の感覚としては、支払う仲介手数料に対して、サービスを受け過ぎのお客さまと、全くサービスを受けていないお客さまがいるため、バランスが取れていなくて不平等なんじゃないかな…と思っています。
どんなにレベルの高いサービスをしても、
どれだけ時間をかけても、
請求できる仲介手数料は「3.3%+66,000円」
どんなにレベルの低いサービスをされても、
どれだけ楽に契約されても、
請求される仲介手数料は「3.3%+66,000円」
ということは、
ムダに多くのサービスを受けている人のために、仲介手数料が値下げできないのではないか…?手間暇かけずに不動産屋さんを楽に儲けさせてくれる…そんな「不動産屋さんにとって良いお客さま」が、仲介手数料を余計に支払い過ぎているのではないか?そんな考えにいたるわけです。
この記事を読んでくれた皆さまには、支払う仲介手数料が「妥当かどうか」をしっかり見極めて欲しいと願っています!
仲介手数料が高い?安い?妥当?なのかは、
■ 物件価格
■ 取引難度
■ 期間
■ 労力
■ 不動産屋会社のサービス・保証
■ 担当者のレベル
などによって判断が変わるでしょう。
仲介手数料に関するゆめ部長の意見
ゆめ部長は不動産業界歴19年以上です。仲介手数料の値引サービスを行っているので、いろんな不動産屋さんと仲介手数料について議論してきました。そこでたどり着いた現時点での結論をまとめておきます。
■ 報酬とサービスのバランスが悪い
■ 高額物件の仲介で3%は高い
■ 地方で3%は安すぎる
■ 仲介手数料の交渉が行われるべき
■ 仲介手数料の成功報酬制をやめてほしい
■ 仲介手数料を自由化してほしい
■ 信用を勝ち得てから上限撤廃を求めたい
こんな意見ですから、まぁ、知り合いの不動産屋さんからは嫌われますよね (笑)
仲介手数料でお客さまが怒っていること
お客さまは、仲介手数料の金額が高いことだけに怒っているわけではありません!金額に見合った適切なサービスを受けられていないことや、仲介手数料の説明をしてくれなかったことに怒っています。
ゆめ部長が集めた声を紹介すると…
■ 3%も支払う価値がない!
■ 自分で銀行審査したから値引きしてよ!
■ 3%請求できる「プロ」なんですか?
■ 後出しで150万円請求なんてありえない!
■ 金額を隠したいのがホンネでしょ?
ごもっともだと思いませんか??
最後に…
「不動産屋さんの主張」VS「お客さまの主張」では、どう考えても不動産屋さんが負けているような気がしました。
「自分はプロの仕事をしている!」と思っていても、お客さまが満足していなければ、プロの仕事をできていなかった可能性が大です。不動産屋さんが言う「プロの仕事」の基準が主観的であり、自分たちに甘すぎるのかもしれませんね。
不動産屋さんは、お客さま目線で客観的に自分のサービスを見直さなければいけません。さらに、経営者視点を持ち、高額な仲介手数料を請求しなければ本当に経営できないのか…?このお金を請求できるほどのサービスを提供できているのか…じっくり考えてみる時間が必要でしょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
“不動産の「悩み・不安・怒り」を解消するぞー✨ のお役立ち情報をツイート ✅ホンネで語るよ ✅業界の裏側…コッソリ教えるよ ✅役立つ知識を集めて発信するよ ✅さんへ優しく解説するね ✅ガンバル不動産屋さ…
— name (@yumebucho) YYYY年MM月DD日