未入居の不動産だから超高値で売却して!仲介手数料1%支払うよ!【イヤだな…と思うお問い合わせ 4】
不動産取引の現場で「イヤだな…」と思ったお問い合わせをゆめ部長がぶった切るシリーズ【全10話】の【4話目】です!
「未入居の最上階プレミアム住戸だから超・高値で売ってください。仲介手数料は1%支払いますよ!」というお問い合わせがありました。買ってばかりのマンションを分譲価格+2,000万円で売れるんだったら、ゆめ部長だって自分で売り買いして、今頃、超大金持ちで笑いが止まりませんよ…。
「不動産の転売で稼ごうとするシロウトさん」に物申します!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
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新築マンションを投機目的で買っている人は欲張りすぎ!
新築マンションが値上がりしている時には、投機目的(短期保有で売却して利益を得る目的)で購入している人がたくさんいました。
建物が完成する前から、分譲時価格+2,000万円とか、+3,000万円とかで売りたいという問い合わせが来ていたのですけど、仲介手数料は支払いたくない!と言い切るドケチというか…不動産屋さんを下に見てる人もいました。
バッサリ斬り捨てますけど、そんなバカげた仕事をマジメにやる時間はありません。全く気持ちが乗らないのでゆめ部長は絶対に受けません!そんなボロイ商売が成立するなら、自分でやりますよね…?(まぁ、やらないんですけど 。。。)
この人たちがどういう主張なのかというと…
タワーマンションの上層階にあるプレミアム住戸を買ったんだ。すごく景色が良くていいマンションだから買った金額より高く売れるはず。
とか、
高倍率の抽選で当たりを引いたから高値で売れるはず。
というものです。
たしかに「分譲時価格+α」で成約する可能性は0ではなさそうですけど、平成24年から始まったマンション価格の大幅上昇前に購入した都心マンションなどでなければ、+2,000万円・+3,000万円で売るなんてムリです。ゆめ部長だって、どんな不動産でも高値で売る魔法を操れるわけではありませんからね。
なお、未入居の状況で新築分譲価格よりも高く売るのは厳しい理由があります。
■ 住宅ローン控除額が下がる
■ 買主さまは仲介手数料を支払う必要がある
■ アフターサービス・契約不適合責任を引き継げない可能性大
■ 分譲時価格には販売経費や建物消費税が含まれる
■ 分譲時には莫大な広告費がかけられるから高く売りやすい
例えば、1億円で新築マンションを購入したとします。購入した時は建物に消費税がかかりますけど、売却する時には消費税がありません。(個人の場合)
購入した時の売買契約価格1億円には建物消費税が含まれています。消費税が10%・土地6,000万円だとしたら、建物が約3,640万円、消費税が約360万円です。
そうすると、9,640万円で購入したマンションを1億円+αで売却したことになりますね。新築マンションは売れる金額から逆算して仕入値を考えていますから、再販売時の消費税や売主業者の利益などは考えなくてもいいと思いますけど、なんか思いついたので書いておきました。
【 参考 】呼び飛ばしてOK!
不動産価格がどうなるか…現場の声を追記しています。値下がりしていくことが予測されていたのに…結果は逆でした。こんな情報も参考になると思うので、消さずに残しておき、さらに追記していく予定です。
追記1…
2018年8月時点で感じていることですが、これから不動産価格は下落傾向にあるように感じています。経済がどうのこうの…はわかりませんが、不動産取引の最前線で働く中でそんな話が出てくるようになりました。近いうちの売却を考えているなら、気を付けてくださいね。
追記2…
2018年11月末時点では、高値では売りづらくなってきました。売れ残り物件の数も増えてきましたから、冷静に価格を見極める必要があるでしょう。
追記3…
2019年8月時点では、2017年のような飛び抜けた金額では成約しませんけど、まだ高値を維持している印象です。公開されている不動産価格を見ると、東京都はまだ値上がりしていることになっています。しかし、都心の一等地や商業地の高値に引っ張られているだけだと思いますので注意してください。まぁ、東京都は2023年までは人口が増えると言われていますから、もうしばらく安定しているかもしれません。
追記4…
2020年5月時点では、コロナウイルスの影響で不動産価格は下落局面に入っていく可能性が高そうです。不動産屋さん専用サイト「レインズ」を見てみると、3月・4月の成約数は衝撃的なほどに少なくなっていました。また、住宅ローンの審査が厳しくなった…と言う話や、売買契約の解除なども発生しているとの情報を聞いています。
追記5…
2021年7月時点では、コロナの影響で不動産価格は下がるどころか値上がりを続けています。多くの不動産屋さんが予想を外す結果となりました。新築マンションの販売に関する記事などを読むと、価格が下落する要因が今のところないため、まだ、上昇する可能性もあるとの予測もあります。16年の経験だけでも乱高下を続けている不動産価格…今後どうなるのでしょうね。
追記6…
2023年8月時点では、不動産価格は大幅に上昇しました。数年前に5,000万円で購入できた新築物件が6,000万円・6,500万円に値上がりしても売れています。住宅ローンの変動金利が上がる・下がるについてはいろんな予測があり、もし、変動金利が上がってしまうと不動産価格は間違いなく下落しますので、今後の動きには要注目ですね。
高値売却を狙いながら「仲介手数料は1%支払うよ」って…
高い値段で不動産を売却するために、不動産屋さんには時間と労力を使わせ、長期間かかっても売り切ろうとするのに、仲介手数料をケチるってあまりにもヒドイと思いませんか…?。
とにかく儲けたい。利益を出したい。
だから、
不動産屋さんにはメチャクチャ働いて欲しい。
ついでに、
高値成約の実績があって言うことを聞く担当者がいい。
でも、
手取りを増やしたいから仲介手数料は払いたくない。
こういう発想なんですよね??
仲介手数料3%でも全く割に合わない仕事なのに「仲介手数料を1%払ってあげる」という態度。上から目線にあきれ果てましたよ。
どんなに金額が高い案件でもこんな依頼は即お断りです。
絶対にやりません!
100%受けません!!
あなたがキライです!!!
不動産を高値で売却したいなら不動産屋さんの立場も理解することが大事!
「長期間かかってもいいから高く売って。」売主さまはそれでいいかもしれませんけど、不動産屋さんは長期間その仕事にかかわり続けなければいけません。査定金額よりも大幅に高い金額で販売しても売れない可能性が高く、かかった経費が不動産屋さんの赤字になるリスクもあります。
このことを忘れないで欲しいと願っています。
サラリーマン時代の話ですけど、この説明をしたら、売主からこんなことを言われたことがありました。
「それは、あなたの都合でしょ?」
「オレに何の関係があるの?」
当然…この人とは即、縁を切りました。
ゆめ部長に赤字を負わせても、長期間タダ働きさせても関係なくて、「とにかく高く売りたい」というあなたの都合に付き合う必要はありませんからね。こんな問い合わせが多く来るから「一括査定」はキライなんだよなぁ…。
愚痴はここまでにして、話を戻します。
とにかく高く売りたいならプロに報酬を支払ってください。あるいは「不動産屋さんのリスクが少なくなる販売方法」で長期販売を覚悟してください。
真っ直ぐ不動産の売却プラン「高坂メソッド」なら、仲介手数料を抑えながら、長期間の販売活動にも対応することができます。でも、「過剰」な対応は期待しないでください。このプランは「ムダで過剰なサービスを排除することで、良いサービスを低価格で実現する!」というものだからです。
このプランでも、大幅に高い金額での販売はお断りすることが多いです。詳細は面談してから決めさせてください。
最後に…
仲介手数料は支払いたくない
超高値で売って欲しい
早く売って欲しい
メンドウなことはやりたくない。
そんなことばかり言うなら、不動産売却を諦めてください。不動産業界にかかる負担が大きすぎて本当に迷惑で困ります!!
高値で売るためなら経費も時間もかかって構わない。仲介手数料もしっかり支払うからサポートして欲しい。そんな要望であれば、ゆめ部長ができる限りのお手伝いをします。人と人とのお付き合いですから、バランスを図ることは重要ですよね。
このシリーズはゆめ部長が言いたいことを好き勝手に記事化していますので、ちょっぴり感じ悪いかもしれません。でも、運送業界のように不動産業界も許容範囲を超えた要望に限界を感じていますから、ナマイキだと思われることも承知の上で記事にしています。ご理解いただけましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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