内覧前に住宅ローン審査を求めるのは失礼!?不動産取引の現場意見も踏まえて考えてみよう!
不動産屋さんにマイホーム購入の相談に行くと…「現地内覧を始める前に住宅ローンの審査をしておきましょう!」という提案をされることが多いそうです。この提案に拒絶反応を示すお客さまもいるだろうな…と思いつつ、不動産屋さんがそうするのも理解できる…。ということで、ゆめ部長の経験から意見を語らせてください。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
不動産屋さんが早めに住宅ローン事前審査をしたい理由
ゆめ部長の場合…ですけど、お客さまからの要望があったり、住宅ローンの心配がありそうでなければ、現地内覧前に住宅ローンの審査を行っていません。ある程度、お客様との信頼関係ができた時を見計らってからにしています。
先に住宅ローンの審査をオススメする理由は、お客さまのことを信用していないからではなく、気に入った物件が見つかった時に1番手を確保しやすくするためです。
「現地内覧前に住宅ローン審査を求める」とタイトルで書いているのは、ゆめ部長のことではなく、お客さまから「〇〇不動産さんに相談に行ったんですけど、会ってすぐに年収、勤務先、自己資金、キャッシングの利用などを聞かれて、なんか…信用されていないようでイヤですよね~」なんて話をよく聞くからです。
たしかに「はじめまして。こんにちは。」という挨拶があって数分後には「年収と自己資金は?」と聞かれたら、ちょっと失礼かな…とゆめ部長も思います。
では、不動産屋さんはなぜ先に住宅ローンの審査をしたいのでしょうか…?
その理由は、住宅ローンの審査が通らないお客さまに時間を使うとタダ働きになるからです。不動産営業の仕事は歩合給割合が圧倒的に高いことが多いですし、仲介手数料は成功報酬のため、契約にならなければ報酬がゼロになってしまいます。少ない固定給では家族を守ることができないわけなのです。
このことを理解できると「まぁ、タダ働きは誰だってイヤだよね…」と理解してもらえるかもしれませんね。
不動産購入申込前に住宅ローン審査をしておくべき理由
お会いしてすぐか、2回目・3回目以降か…という違いはありますが、ゆめ部長も先に住宅ローンの審査は行うべきだと思います。
先ほどお話したように、購入した物件の1番手を確保するため…という理由だけではなく、次のようなこともあるからです。
■ 直近で口座への入金漏れがあったことを忘れていた。
■ 過去の延滞など思わぬ履歴が残っていた。
■ 思ったよりも金利優遇がとれなかった。
■ 希望している金融機関で融資を断られた。
先に審査をしておけば、金融機関にCIC・JICC・KSCで個人信用情報を開示してもらうことができます。過去の度重なる返済遅延のため、個人信用情報にキズが付いていたこともありました。高所得者のお客さまは「たかだか数万円でしょ?」と思っている人が多いので、意外と審査で落ちたりするんですよ。
もし、個人信用情報を開示されるのがイヤであれば、自分で開示することもできます。ただし、開示した履歴は金融機関にも知られてしまいますので、この点は知っておいてくださいね。
興味があれば…個人信用情報機関のWEbページをどうぞ。
■ CIC https://www.cic.co.jp/
■ JICC https://www.jicc.co.jp/
■ KSC https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
銀行のWebページには最優遇された金利が記載されていますから、その金利でシミュレーションをしていると予定が狂うことがあります。年収や自己資金が少ない、会社の規模が小さい、勤続年数が短い、自営業さん、契約社員さん、派遣社員さん、またゆめ部長のような歩合給割合が多い営業さんなどは注意が必要です。
また、最近はネット銀行の金利が安いので、その銀行以外は検討できない!という人も見るようになりました。どうしてもその銀行を使いたいのであれば、自分で事前審査を通すのは当然の責任だと思います。不動産売買は高額な取引であり、相手がいることを忘れたらいけません!
ゆめ部長の被害体験!住宅ローンが通るわけがないモンスタークレーマー
もっと早く銀行審査しておけば良かった…と本気で後悔した案件があります。かなり長い(3,000文字近い!)し、ほぼグチ (笑) だけど、不動産取引の現場に現れるモンスター級の困ったちゃんとのやり取りを読んでみてください。
住宅ローンが通るわけがないモンスタークレーマー
初めて問い合わせをもらったときから「イヤだな…」と思った案件です。
問い合わせが「他社で現地を案内してもらっているけど、仲介手数料無料になるならお願いしたい。他社に断りを入れても私たちは悪くないんですよね?」というものでした。
このようなケース…正直やりたくないので、サポートをお断りすることも多いですけど、他社さんに落ち度があるのであれば、受けることもあります。高額なお買い物ですから、会社や担当者さんが信用できなければ、そこから買うのがイヤなのは理解できますからね。
今回は担当者があまりにも酷いという話があったので、しっかりお断りしてもらった後であれば…という条件を付けて対応することにしたのですけど、これが間違いだった…(涙)
何度かメールのやり取りをした後、住宅ローンの審査で面談することになりました。夫婦共働きで時間を作れるのがゆめ部長の定休日(水曜日)しかないとのこと…。嫁さんが妊娠中で水曜日くらいは家にいたかったので、最初はお断りしました。でも、すごく強引だったので仕方なく引き受けてしまいました。
水曜日の面談日当日。朝早くから起きて準備をしていたら電話があり「今日は都合が悪くなったからキャンセルしたい」とのこと。水曜日は断ったのに、強引に予定を開けさせておいて、当日キャンセルかぁ…。最近、こういうの増えたよねぇ~とブツブツ言いながら、着替えて、もうひと眠り。
その後、再度日程を調整。
そして、面談前日。
奥さんから怒った声で電話がありました。
「だんなが借金していたことがわかって購入できないことになった(怒)もぉー信じられない!いったいどういうことなの!私はマイホームを夢見て頑張ってきたのに!」と一方的に話を聞かされて終了。
「わたし…何か悪いことしましたか?」
「たぶん…一方的な被害者ですよ。」
そう思いながら、しばらく、モヤモヤ。
ここで話が終わったのかと思っていたら…数週間後に電話があり、「借金は返済したから住宅ローンは大丈夫なはず。でも、できれば、だんな一人で住宅ローンを組ませたいから何とかして欲しい」とのこと。(自分が住宅ローンを組むのは不安だから、だんな一人がいいんだってさ。)
問い合わせから時間が経っていたので「まずは物件が残っているかを確認します」と伝えて電話を切り、販売状況を売主の不動産会社へ電話で確認したら、案の定、成約済み…。
この人は縁がないなぁ~と思いながら、成約していることを電話で伝えたら「そんなはずない!suumoとか他の不動産屋のホームページに載っているんだから!」と怒られ、ゆめ部長は売主の業者に直接確認したから、この情報が最新で最も信用できる情報であることを伝えました。
当然、また電話の先で怒っている様子…。
(あ~メンドクサイ)
それでも、やっぱり、マイホームを諦めきれなかったらしく、「他に気になる物件が見つかったから、至急、勤務先に住宅ローンの審査書類を持ってきて欲しい。」と電話がありました。
来社するのではなく…勤務先に来て…ですか。
「忙しい」と言うけど、
たぶん、ゆめ部長の方が忙しいよ。
だって、年間4,000時間働いていたんだから。
あなたのようなクレーマーと戦いながらね!
で、やっぱり問題が起こるわけです。
待ち合わせ場所に行ってもいなかったこと
コピーを取っておくという約束をムシされたこと
ここまではギリギリ許すとして…
初めて会ったその場で判明したのが、自営業者のご主人が税金対策をしていたため、確定申告上の年収が聞いていたよりかなり少ない…。そして、奥さんは育休開けで年収が少ない…。
質問メールに返信してこないことがあったし、電話はいつも怒ってばかりだし、会ってみないと始まらないと思って来てみたらこれか…。それでも諦めずに住宅ローンをチャレンジしてみたら…さらにメンドウなことが発覚しました!!
なんと…自営業者のご主人が国民年金をガッツリ滞納しているではありませんか…。しかも、確定申告書の記載内容も間違っていて修正申告が必要な状況。
こうなると、銀行担当者を説得して協力を仰ぎ、フラット35に切り替えて勝負するしかありませんでした。フラット35の書類を集めて審査を開始しましたが、内容が悪いため追加書類を求められました。
その間に新しい物件で「あれを見たい。これを見たい。」と言われ、審査が終わらないと付き合えないと説明しているのに「もう審査中の物件には興味が無くなったので、こっちを見ないと決められない。」とのこと。
仕方なく現地待ち合わせをしたら、立っているだけで汗だくなほど暑いのに20分も遅刻するとの電話が!(ゆめ部長は30分前から現場で待っていた!)さらに、「あと10分遅れそうでーす」なんて悪びれることもなく言うじゃありませんか。もちろん、10分後に到着するわけもなく…。
こっちはイライラMAX。それなのに、ニコニコしながら、子どもと遊びながらのんび~り歩いてきて「こんにちは~~」だとぉー(激怒)
「こらーっっ!!!」と叫びました。
まぁ、心の中でね。(エライ!)
それから1週間。フラット35の審査結果がでましたけど予想通り「否決」でした。審査が出るまでの間で知り合いに電話して、取り扱ってくれそうな金融機関を探していたら「中央ろうきん」がお勧めとの情報をゲット。
最後の悪あがきで「中央ろうきん」に当たってみましたが、書類上の年収は低いし、直近で借金と滞納があったし、自営業者だし、3年前は赤字だし、最後に気に入った物件は高すぎるし…ということで、今回も否決になりました。
最後は「担当はあなたじゃなくてもいい」と言われ、ここまでやったのにお礼の1つもなく、自分は被害者だと思っているような話しぶり。
悲しかったですね…。
(本音は想像にお任せしますよ。)
はい、グチはここまで。
どうでしょうか…?
ここまで頑張って手数料ゼロで報酬もゼロ。ゆめ部長は歩合給ゼロのタダ働きになりました。相当特殊なケースですけど、マイホームを探し始めた時から住宅ローンの審査を進めていれば、どこの不動産屋さんにも大きな迷惑はかからなかったはずですよね。
ちょこっとだけ、ゆめ部長の意見を聞いてください。
仲介手数料は「成功報酬制」じゃなくて、業務内容に応じて対価を請求できるようにすればいいと思っています。そうすれば、ムダなお金を支払わなくて済むように、先に住宅ローンの審査を通しておこうと考えるはずですからね。
最後に…
夫婦のどちらかが秘密のキャッシングをしていたり、内緒で高級時計を購入していたり、お金を口座に入金し忘れていたり、知らないうちにご主人が親の連帯保証人になっていたこともありました。
ゆめ部長のグチ体験を読んでみると、気に入った物件が見つかっても住宅ローンが通らないのであれば、不動産屋さんだけでなく、お客さまにとっても不幸なお話だと思いませんでしたか…?
しっかり夫婦で話し合って、もし何か気になることがあれば、不動産屋さんには隠さず、コッソリ相談するようにしてくださいね。
どうか、ご理解、ご協力くださいませ。
長文のグチ…失礼しました。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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