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2020年04月07日
不動産売買の知識

売主の不動産会社から「メンドウな客?それなら申込いらないから。」と言われている…そんな残念な裏話

皆さまが新築戸建を購入する場合「高額なマイホームを購入するんだから、きっと、すごく丁寧に対応してくれるはず!」という期待をしますよね。大事なお客さまとしてもてなされたい!そんな気持ちはよ~くわかります。しかし、残念なお話ですけど、その期待はあっさり裏切られる可能性が高いでしょう。

 

売主の不動産会社(新築戸建・リノベーション済みの一戸建てやマンションなどの分譲会社)が、皆さまが見えない裏側で仲介会社に対してどんなことを言っているのか…?その一部をお話しますので、マイホームを購入する前に不動産取引の現場を勉強しておいてください。

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

売主の不動産会社はメンドウなお客さまとは契約したくない!

不動産取引は高額であるが故に、トラブルが多く、訴えられるリスクも高いと言えます。1度トラブルに巻き込まれてしまえば、他の仕事が手に負えないほどの時間・労力を奪われますし、精神的にもボロボロになるそうですから、トラブルの臭いを感じるお客さまとの契約を防衛本能が避けるのは仕方がないことかもしれません。

 

建売・買取再販事業を行っている先輩から聞いた話では…

 

悪質クレーマーに出会ってしまうと、定休日だろうが、夜遅い時間だろうが、遠慮なく電話がかかってきますし、怒鳴られることも、説教されることもあるそうです。さらに、近隣住民と元住人の仲が悪ければ、境界・越境・ゴミ置場・私道の通行などでもメンドウなことに巻き込まれることがあります。

 

何度も…何十回も現場に足を運んで、やっと商品化したのに、買う人まで文句を言うのか…と思うと、やる気がなくなるのは当然だと思います。

パワービルダーの担当者に多くを求め過ぎるのは酷かも…

不動産業界は常に人財不足ですから就職するのは簡単な業界です。

 

なぜなら…

働きたい人が少ない、人気がない業界だからです。

 

なぜ、人気がないのでしょうか??

 

以前のように稼ぐことができない

クレーマーが増加して悪質化

勤務時間が長くて土日に休みづらい

トラブルが多くて心が折れる

忙しい

 

などなど、理由はたくさんあります。

 

箇条書きにしていて思ったんですけど、誰が今の不動産業界で働きたいんだろう。う~ん、ゆめ部長、すっごく心配。

 

パワービルダー(大手の建売分譲会社)で働いている知り合いの担当者さんは「仲介会社と違って給料が低い」と嘆いていました。大手では固定給割合が高いうえに、1人で10数本の案件をかかえていて時間が足りないそうです。

 

それに対して、小規模の不動産会社では、仕入~販売まで1人で担当し、利益に対して歩合給が変動する給与体系になっている会社がたくさんあります。やり手のプレーヤーは年収2,000万円越えになりますから、メンドウなお客さまだったとしもモチベーションが違うのです。

 

やはり、パワービルダーで働く人は大変だと思います。

「買ってあげる」VS「他にも買い手はいる」

「わたし、お客様だよね!?」そんな態度の人に出会うことが増えました。

 

ゆめ部長はこのWebページで「横柄な人はキライです。」とハッキリ書いているので、ほとんど出会わなくなりましたけど、会社に所属している友達の営業マンは、この手の人たちに苦しめられているようです。

 

この人たちは謎の自信に満ち溢れていて「買ってあげる」という上から目線で物事を判断する傾向にあります。

 

一方、パワービルダーの担当者は「別にあなたが買わなくても、他に買う人がいるので結構です。」と考えています。

 

よほど売れなくて、上から「早く売れ!」と言われていなければ、トラブルの臭いがする人に買ってもらうより、価格交渉があってもトラブルが起こらなさそうなお客さまに買ってもらいたいのです。

 

安くなっても損をするのは自分じゃない。

高く売っても得をするのは自分じゃない。

だから、メンドウじゃない人に買ってほしいな。

 

こんな考え方なのでしょう。

 

「買ってあげる」VS「他にも買い手はいる」

 

これじゃあ、お互いに気持ちよく取引できるわけがないですよね。

3つの悲しい体験談…

ゆめ部長は新築戸建専門の仲介会社を経営していたことがありますし、新人の頃は新築戸建をメインで扱う会社に勤務していました。新築戸建ての売買契約にたくさん携わった経験からイヤな体験談を3つお話しますね。

【1】周辺環境の質問などが多くてキレられた…

最初は三鷹市の新築5棟現場のお話です。

 

地元の不動産会社が分譲したこの現場は売れ行きが悪く、最後の1棟がずいぶん長いあいだ売れ残ってしまい、何度も価格改定を繰り返していました。この現場は赤字になる可能性すらあったようで、担当者はすっかりテンションが下がっていました。

 

ゆめ部長がこの現場近くに住むお客さまをご案内したところ、予想に反してとても気に入ってもらえました。

 

200万円の価格交渉依頼と周辺環境に関する質問がありましたので、このお話を不動産購入申込書にまとめて売主業者さんの事務所へ直接相談に行ったところ…

 

「ウチの物件にケチばっかりつけやがって!何なのおたく!?」

 

と、キレられてしまいました(涙)

 

ゆめ部長が質問したのは次の3つ。

 

 前面の私道に関する通行・掘削承諾書があるのか?

建売分譲する前の所有者と近隣でトラブルがなかったか?

ゴミ置場がどこになるのか?

 

ごくごく一般的な質問だし、ケチつけるって内容じゃないんですよね?

 

ちなみにですけど…。

 

三鷹市では、不動産会社が3棟(3区画)以上で分譲する場合、ゴミ置場を事前に協議して決めておかなければいけません。それにもかかわらず、場所を決めていなかったわけですから、不動産会社に落ち度アリでした。利益は出ないし、知らないことを指摘されたからイライラしちゃったのかもしれませんね。

 

結局、お客さまからは「そんな売主から買いたくない。変な会社だよな。」と言われてキャンセルになりました。

 

ゆめ部長が伝えたいのは、これは「特別」と言えるほどの案件ではないということです。こんなことは、まぁ、ボチボチあるんですよ。

【2】インスペクション(住宅診断)をお願いしたら…あからさまに嫌そうな声に変わった。

次のお話は、購入申込と同時に「売買契約前にインスペクションを受けさせてください」とお願いした案件です。

 

お客さまから購入申込書を受領し、価格交渉がまとまったら、売買契約前にインスペクションを実施したいとの要望がありました。

 

早速、担当者さんへ電話を入れ、購入希望のお客様がいること、既に住宅ローンが内定していることを報告しました。ここまでは丁寧に対応してくれましたが、「契約前にインスペクションを希望しているのですが…」と伝えた途端、あからさまに声のトーンが落ちて嫌そうな感じになりました。

 

その後の言葉が…この記事のタイトルです。

 

「メンドウな客?それなら申込いらないから。」

「ほかの物件を買ってもらってよ。」

 

そこまで言うかな…ふつう。ちょっと酷い(怒)

 

たしかに、新築戸建でインスペクションをやりたがるお客さまは、些細なことでもクレームを入れてくることが若干多いのかもしれません。でも、そのお客さまに問題があるというより、よくわかっていない建築士が問題を複雑にするケースがあると思っています。

 

おじーさん・おっさん一級建築士が現場に来て「これは建築基準法違反だ!こんなこともわからないのか!?」と文句を付けられたことがあります。でも、建築確認済証・検査済証も出ている新築戸建でそんなことがあるのか?と思い、担当者さんと一緒に調査をしてみたら…現在の建築基準法では認められている工法だから違反ではない!との結論でした。

 

名刺には理事だとか、相談役だとか、よくわからない団体の名称がはみ出しそうなくらい書かれていましたけど、最新の建築基準法を勉強していないなんて、恥ずかしくないのかな?「こんなこともわからないのか!?」とまで言っておきながら、謝りもしないし…。木造住宅は一級建築士じゃなくて二級建築士の方が良く分かっているってことですね。

 

インスペクションをやらないで欲しいというホンネは理解していますけど、これからは、さらにインスペクションを行う案件が増えるでしょうから、できるだけ感じ良く対応してほしいと願っています。

【3】建物構造・会社情報を聞いたら文句を言われた。

最後のお話は、地盤改良工事の詳細を質問して、会社パンフレットがないかを質問したら文句を言われた案件です。

 

新築戸建を購入するなら、建物構造・工法を知りたいお客さまは多いと思います。また、どこの会社が建築したかも気になるところですよね。

 

ゆめ部長はすごく気になりますけど…

皆さまは、いかがでしょうか?

 

この案件は隣地と高低差があり、擁壁を組んで地盤改良を行っていました。そこで、擁壁の構造・地盤調査結果・売主会社に関する情報をお客さまから質問されたので、資料提供またはプレゼンをお願いしつつ、会社のパンフレットがあれば欲しいとお願いをしました。

 

そうしたら…

 

「なんだよ!ウチが信用できないっていうのかっ!」

 

と文句を言われました(涙涙涙)

 

「まぁ、そういうことだろうな…」というホンネは隠して耐えること数十分。散々文句を言われた後、「仕方ねぇーな」と言いながら「資料を取りに来るならあげてもいいぞ。」ということになり、プリプリ怒りながら 訪問した…という案件でした。

 

ゆめ部長が若くて新人だったから、下に見られたのかな。

今なら対応は違っていたかもしれないですね…。

最後に…

全ての不動産会社がこんなことを言うわけではありません。でも、私たち仲介会社が「メンドウな客?それなら申込いらないから。」と言われることがある…ということは知っておいた方が良いと思います。

 

皆さまは、こんな横柄な態度をされても、不動産会社と自分で交渉して戦う…そんな自信と覚悟はありますか?仲介会社なしで売主の不動産会社と直接契約することのリスクを理解しておいてくださいね。

 

私たち仲介会社は、売主さまからの文句を吸収し、買主さまからの不満を吸収することで、1つ1つの契約をまとめています。仲介手数料が高いから下げろ!という議論をする前に、仲介会社の大変さも知ってもらえたらな…と思います。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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