1番最初に見た物件を契約するのはよくある!売主さまは探し始めのお客さまも大事にしよう!
たくさんの物件を見て回った結果、はじめて内覧した物件がマイホームになる…これは意外とよくあることです。マイホーム探しを始めるキッカケになった物件ですから「これだ!」というインスピレーションが働いたのでしょう!買主さまだけでなく、売主さまも、素敵な出会い・ご縁を逃さないようにしてくださいね。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
ゆめ部長の体験談!最初に見た一戸建てを契約した話
ゆめ部長が新人時代に、苦労して、苦労して、耐え抜いて契約した新築一戸建てのお話をしましょう。新人研修だと考えれば良い経験を積めたと思いますけど、今なら…絶対にやらないなぁ~という体験談です。
買主さまはこういうお客さまだった!
お客さまは中央線沿線にお住まいで、夫婦のどちらも中央線沿線で勤務。「杉並区・三鷹市に住みたい!」という考えはなく、価格が高い三鷹駅のバス便よりも、通勤しやすいことを重視して電車で西側に行った方がいいと考えていました。
バス停が近いならバス便もOK・駅から近いなら西武多摩川線(支線)の物件もOK・駅から20分歩くなら西側の駅近を選びたい。こんな感じで希望条件を整理していくことは大事だと思います!
八王子の新築一戸建てはどういう物件?
お客さまは上記のような考えでしたので、最初から三鷹市・小金井市・国分寺市…そして立川市も飛ばして八王子市の新築一戸建てを見に行きました。
物件は八王子駅から徒歩で10分ちょっと。南道路の4LDKで延床面積は約100㎡の2階建。価格は手ごろで住宅ローンの返済にはゆとりがありますし、陽当良好なのがすごく高評価だったようです。しかし、現場は建築が始まったばかりでまだ基礎工事の段階。完成するまで3か月近くかかるな…という状況でした。
生活をイメージできなかったこと、他の物件も見比べてみたかったこともあり、この後たくさんの物件を一緒に見に行くことになりました。「最初に見た現場がこれだけ良かったから、もっと良い物件が見つかると思っていたんだけどね。」契約後にお客さまが言っていた言葉です。
その後はどんな物件を見て回ったの?
ここから、毎週末にあっちこっち物件を見て回ることになりました。
最初の希望条件を少し変更して「予算を伸ばしたらどうだろう…」「バス便の物件も見てみよう」「中央線以外の沿線も見てみよう」となり、この後、物件を10回くらいご案内することになります…。
三鷹駅~武蔵小金井駅のバス便物件、西国分寺駅・立川駅・日野駅・豊田駅・八王子駅の物件を見た後は、西武新宿線の小平駅あたりまで、その次は京王線の聖蹟桜ヶ丘駅・百草園駅なども行きました。正直なところ「もう物件見るのが趣味になっていませんか?」と心の中で思っていたのを覚えています…。
このようにたくさんの現場を見て回った結果「1番最初に見た八王子の現場が良い!」という結論になった頃には建物が完成して価格が下がっていました。お客さまからすれば「すぐに決めなくて良かった!」と思うでしょうけど、「あれだけ現地を見に行って、結局、ここなの!?」と驚きながら疲労感たっぷりの案件になりました。
ちょっと余談を。
ゆめ部長が不動産業界に入ってはじめてお客さまをご案内したのがこの案件でした。頑張りすぎであきらかにオーバーワーク。八王子の物件から高速道路を使って調布に向かう途中、居眠り運転で何度か斜線をはみ出し「ビーッッッ」というクラクションを何度も鳴らされてしまいました。本当に迷惑をかけてしまったと反省しながら、事故にならなくて本当によかったな…と、思い出してちょっとドキドキします。
いまになって思うのは、上席は部下のサポートをしなきゃダメ!ということです。不動産業界で新人さんの定着率が悪いのは、上席のサポート能力が低いことも原因なのだと思います。営業が得意なだけで管理能力が低いなら、営業に戻るべきでしょう。
不動産屋さんはマイホーム探しにどこまで付き合ってくれるの?
正直いいますと、この案件は赤字でした。ゆめ部長が社会人1年生で入社した会社は「車持ち込み・ガソリン代と携帯代は自己負担・交通費も退職金もなし!」でしたから、三鷹駅の事務所から何度も小平・八王子・百草園まで車でご案内した結果、ガソリン代と高速代だけで相当な出費になりました。
さらに、ゆめ部長は心配性でご案内前日に必ず現地確認の下見をしていましたから、本当に大変でした。下見・案内・物件調査・現地立会…一体、どれだけ行ったんだろう??しかも、これだけ一所懸命サポートしたにもかかわらず、仲介手数料は値引きさせられて…。
この記事を読んでも、これが不動産屋さんのスタンダードだとは思わないでくださいね。ふつうの不動産屋さんがここまでお客さまにお付き合いすることはまずありません。
大手勤務時代、案内10回を超えたお客さまがいることを知った店長から「このお客さま、決まるの?そんなことしてないで決まる人やりなよ(怒)」なんて言われました。店長の立場を理解できる今は「そりゃあ、そうですね。」と思います。
ほとんどの契約はご案内1回~3回で決まるものです。では、どれくらいまでならお付き合いできるのか?というと…
エリア外の物件を週末の1日を使ってご案内するなら2回・3回が限界だと思います。「1日使っての案内なんて嫌だ!」という不動産屋さんも多いはずです。
近いエリアの物件を1回で1件~3件ご案内する場合は5回くらいでしょうか…。居住中の物件は内覧予約をするだけでも結構手間がかかりますし、空室で鍵を借りに行かなければいけない場合もかなり時間が必要になります。
ゆめ部長は10回以上ご案内したお客さまがたくさんいますけど、ある日、突然連絡が途絶えることがとても多いのです…。お客さまが一所懸命探しているから自分も頑張ろう!と思うからこそ10回以上のご案内にもお付き合いするのですけど、あっさり裏切られることがあります。そして、私の仕事に対する報酬は0円…。
不動産仲介の報酬は「0 or 100」「All or Nothing」なのが問題だと思います。1回のご案内で5,000円でもらうことにすれば、「とりあえず見たいだけ。(タダだから)」とういお客さまに対応せずに済みます。不動産屋さんは成功報酬の仲介手数料以外は請求できないので改正は必要ですが…。
売主さまは「初見のお客さま」も大事にしよう!
不動産仲介の仕事を全力でやり切った話を読んでみると、買主さまがどうやってマイホームを決めるかがわかるので、特に、居住中のマイホームを売却する売主さまは参考になったのではないでしょうか!?
買主さまを担当する不動産屋さんから「お客さまは探し初めです。」と聞くと「まぁ…すぐには決まらないだろうな~」と思ってしまいます。優先順位は高くなくてもいいんじゃないか…と考えてしまうこともあります。
なぜなら、内覧後に感想を聞いてみると「見初めだからよくわからなくて保留です。」みたいな回答がすごく多いからです。
居住中のマイホームを売却する場合、内覧があるたびに室内を綺麗にして、貴重な休日に時間を空けなければいけません。だから、「初見のお客さまで希望条件もまだ未確定です。」と聞いてしまうと、売主さまがやる気を喪失するのは理解できるところです。
でも、この記事を読んでもらえれば、こんな初見のお客さまも大事にしようと思えますよね。マイホームを探し始めて1番最初に見に来てくれたわけですから、きっと、何らかのインスピレーションが働いているはずです。
初見のお客さまにも、どんどん内覧してもらい、購入検討者を増やしていきましょう。いろんな現場を見て回った結果、戻ってきてくれたのなら激アツ!になっているかもしれません。ちょうど、その時に別のお客さまも検討してくれていたら、競争して良い条件を提示してくれる可能性だってあります。
こうやって考えていくと、初見のお客さまも含めて、1人1人を大事にしたいと思えるようになりませんか?
良い条件での成約を目指すなら、絶対に、忘れないでください!
この案件を通して不動産営業の新人さんに伝えたいこと!
ちょっと話は脱線します…。
この案件は「新人」だから最後までお付き合いできた案件ですが、とても勉強になりました。使った時間・労力・経費を考えてしまうと、今のゆめ部長では最後まで対応しきれませんけど、新人の営業さんであれば「費用対効果が…」なんてことは考えず、最後までくらいついて頑張ってほしいと思います。営業としての能力は、お客さまと真剣に向き合うことで向上するものですからね!
最後に…
はじめて内覧した物件をすごく気に入った場合「ここで決めても大丈夫かな?」と悩んでしまいますよね。その場合、すぐに購入しないで保留しておきましょう。
すごく気に入って本気で検討したら、自分のなかに「マイホーム選びの基準」ができあがります。そうしたら、この基準をもとにして他の物件を一気に見て回ってください。このときは、ご縁を逃さないように迅速な行動が大事ですから頑張ってくださいね!
ここから学べることは…
Point.1
インスピレーションを感じたらご縁を信じる!
Point.2
「ここに住みたい!」と思える物件に出会えると、他の物件と比較検討しやすくなり、マイホーム購入が成功しやすい!
Point.3
売主さまは探し始めのお客さまも大事にした方が良い!
少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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