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2020年04月23日
不動産売買の知識

不動産の媒介契約書はいつから有効に成立するのか…?宅建マイスターが都庁で確認してきました!

不動産の売却を依頼するときには不動産屋さんと「媒介契約書」を締結しますが、遠隔地・共有名義・日付未記入・押印忘れなどの場合、いつから契約書が有効に成立しているか…気になるところですよね。

 

専属専任または専任の場合「媒介契約締結の翌日から5営業日または7営業日以内にレインズへ登録しなければいけない」わけですから、不動産屋さんが宅建業法を守っているのかを確認する際には大事なポイントです。特に「物件の囲い込み」が疑われる場合は重要になります。

 

そこで、都庁で確認してきた内容をこの記事でまとめてみたいと思います。ゆめ部長も知らなかったことがありましたので、ぜひ読んでみてください!

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

法律の定めを確認してみましょう!宅建業法第34条の2(媒介契約)

宅建業法第34条の2(媒介契約)第1項…

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。

 

宅建業者は、媒介契約を締結したら、「遅滞なく」記名押印して媒介契約書を売主さまへ交付しなければいけないと書いてありますね。都庁でヒアリングしたところ、この条文から言えることは…

 

Point.1

 

遅滞なく書面を交付する義務があるとしか書かれていない。

 

Point.2

 

売主さまの署名があれば押印は必要ない。

 

Point.3

 

成立日を記載する必要はない。

 

Point4.

 

不動産屋さんがだけが記名押印して売主さまへ媒介契約書を渡せば「交付」したことになる。

 

ということになるそうです。これは宅建業法の問題になります。

 

ちなみに、「署名捺印」は手書きで「記名押印」はゴム印を押す場合などです。

媒介契約締結日はいつになるんだろう…?

国土交通省が定めた包括的なガイドライン「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」によると、「媒介契約締結の意思の合致があった日が媒介契約締結日であって、媒介契約書の交付日でないことに留意する必要がある。」と記載されています。

 

これ…少しわかりづらいと思いました。不動産屋さんが媒介契約締結の意思表示をしたというのは、いくらでも調整できてしまうと思ったからです。

 

つまり、不動産屋さんは両手仲介をするために「物件の囲い込み」をしたいと考えています。専属専任媒介契約と専任媒介契約だと、契約締結の翌日から5日または7日以内にレインズへの登録義務があるため、契約締結日をできるだけ遅くしたいと思うはずですね。

 

「売主さまから売却の依頼をされましたが、弊社は依頼を受けるとは言っていませんから、意思は合致していません…。」なんて言えそうではないですか?

 

そこで都庁でヒアリングしてみましたら…大事なのは「売主さまが媒介契約を締結したと思っているか?」になるそうです。

 

売主さまと不動産屋さんがトラブルになり、都庁へ相談してから担当者が対応策を考えるので、エンドのお客さま(売主さま)有利な方向で話が進んでいくのでしょうね。

 

結局、国土交通省の包括的なガイドラインは、いつまで経ってもレインズに情報登録しないことを防ぐのが目的ですし、都庁は不動産屋さんからエンドのお客さまを守るというスタンスですから、不動産屋さんは少し困りますね。

 

やはり、媒介契約も大事な契約になりますから、原則面談で取り交わしをするのが好ましいのだと改めて感じました。ゆめ部長は儲けるためだけに物件を囲い込んだりしませんから問題ないと考えていますけど、お客さまに誤解が生じないように、丁寧な説明を心がけていきたいと改めて感じました。

東急リバブルが敗訴した仲介手数料訴訟

東急リバブルさんが敗訴した仲介手数料請求訴訟を勉強しておきましょう。

 

内容を簡単にまとめると…

 

被告:東急リバブルさん

原告:借主さま

内容:仲介手数料0.5ヶ月分の返還請求

判決:東急リバブルさん敗訴

 

この訴訟は「媒介契約が成立した時期」を争い、裁判所が判断を下したものです。媒介契約締結日で争いになった際には役立つ知識だと思いますので、この記事で紹介することにしました。

 

では、もう少し掘り下げていきます。

 

賃貸の仲介手数料は次のように定められています。

 

貸主さま:賃料の0.5ヶ月以内

借主さま:賃料の0.5ヶ月以内

 

ただし…

 

媒介契約が成立するまでに

依頼者の承諾を得られたら

どちらか一方から賃料の1ヶ月分以内まで請求できます。

 

ここで2つのポイントを見てください。

 

Point.1

 

「媒介契約が成立するまで」とは、いつなのか?

 

これは、媒介契約を締結した時期ではなく、お客さまが媒介契約を締結したと思っているか?で判断するのでしたね。今回の案件では「媒介契約がいつ成立したのか…?」が争点となっています。

 

Point2.

 

「依頼者の承諾」とは、何を持って承諾とするのか?

 

賃貸のことはよくわかりませんけど、仲介手数料(1ヶ月分)の明細を提示した時点で依頼者の承諾があったとみなしているみたいです。提示された後に賃貸借契約を締結したから「承諾したでしょ!?」という主張なのかな…。

 

次に、時系列をみてください…

 

1月8日  :担当者へ契約の意志を伝える

1月10日:担当者から20日に契約しましょう!との連絡がある

1月15日:仲介手数料(1ヶ月分)の明細を受け取る

1月20日:賃貸借契約締結

                     仲介手数料(1ヶ月分)の記載がある書類に署名捺印

1月22日:仲介手数料1ヶ月分を支払い

 

それぞれの主張は次の通りです。

 

借主さまの主張…

媒介契約の成立時期は1月10日だ!

 

東急リバブルさんの主張…

媒介契約の成立時期は1月20日だ!

 

裁判所は借主さまの主張を認めて次のような結論になりました。

 

媒介契約は1月10日に成立していた。

仲介手数料1ヶ月分を支払うことの承諾は1月15日だった。

媒介契約締結前に承諾を得ていたとは言えない!

東急リバブルさん、0.5ヶ月分の仲介手数料を返還してね!

 

1月8日に申込をして、1月10日に担当者から契約日を伝えられたわけですから、借主さまは、この時点で東急リバブルさんに正式依頼をしたつもりでいるはずです。だから、この裁判の結論はおかしくはありません。

 

でもね………。

 

6万円のアパートを仲介して、仲介手数料が家賃の0.5ヶ月分だと、不動産屋さんの報酬はわずか3万円です。これだけで、次の仕事をできるのでしょうか…?

 

suumoなどのポータルサイトへ登録・写真撮影

問い合わせ対応

現地案内

申込受付・交渉

賃貸借契約

引渡

 

この業務をこなすだけでなく、毎月、莫大な広告費もかかります。

 

売買とは事情が異なるので意見を言いづらいですけど、「仲介手数料が安くても仕事をしろよ!」というのは無理があるのではないでしょうか??仕事として成立する最低ラインの報酬は維持できるように、仲介手数料が自由化されたらイイな…と考えています。

 

よろしければ、次の参考記事も読んでください!

ゆめ部長の想いと考えを詰め込んであります。

 

参考記事…

宅建マイスターが考える仲介手数料の適正化【不動産業界の改善点 】

遠隔地のため郵送で媒介契約を締結する場合

民法では…隔地者間における意思表示は「到達主義」が原則です。例外として、契約の申込みに対する承諾については「発信主義」になります。

 

民法の定めは誰もが知っているわけではないですから、契約内容をわかりやすくするために、特約で次の文言を入れています。

 

「ゆめ部長が記名押印した媒介契約書を2通郵送しますので、売主様本人が署名捺印のうえご返送いただきます。書類の到着確認が取れた時点で媒介契約が有効に成立したものとし、弊社で日付を記入した後、媒介契約書の原本1通を郵送いたします。」

 

都庁の担当者さんから「法律は最低限を定めたものであるため、実務で補う必要があるんですよ。」と教えてもらいました。できる限りわかりやすく書類の取り交わしをしたいですね。

権利者が複数の共有物件で媒介契約を締結する場合

権利者が複数いる不動産ですと、皆さまがバラバラに住んでいることはよくある話です。北は北海道、南は沖縄、海外に居住していることだってありますね。

 

それぞれ別々に媒介契約書を郵送で取り交わす場合を考えてみます。

 

東京にお住まいの権利者さまとは、10月25日に取得できました。

北海道の方からは10月28日に返送がありました。

沖縄の方は遅くなり11月1日に返送がありました。

海外の方はエアメールで11月15日にやっと返送されてきました。

 

さぁ、いつが契約成立日でしょうか…?

 

特約に「全ての権利者から媒介契約書が到達した日が媒介契約締結日とします。」と記載してもよさそうですけど、ベストなのは、やり取りをしやすい所有者さまに代表窓口となってもらい、他の所有者さまからその方へ、売却に関する委任状を発行してもらうのが良いそうです。

 

委任された方が代表で署名押印してくだされば、トラブルにはなりづらいですね!

不動産屋さんの対応に困っているなら…

媒介契約書に記載された期日を過ぎてもレインズに情報を登録してくれなかったら都庁へ相談しましょう。

 

【担当部署】

東京都都市整備局・住宅政策本部・住宅企画部・不動産業課

 

【直通電話】

03-5320-5072

 

【相談窓口】

新宿区西新宿2-8-1 都庁第2本庁舎3階北側 不動産業課内

 

【受付時間】

都庁開庁日9:00~11:00、13:00~16:00

 

都庁は消費者の味方ですよ!なお、東京都庁は東京都の宅建業者を監督する立場にあります。他県の方は県庁へ電話してみてくださいね。

 

令和元年7月23日追記…

 

平成31年4月1日より都市整備局に「住宅政策本部」が設置されました。それに伴い、宅地建物取引業の免許・指導、適正な不動産取引の促進などに関するお問い合わせ窓口が変更になりましたので上記修正しました。

最後に…

このWebページ制作を始めてから、今までは「なんとなく」仕事をしてしまっていたのだな…と思うようになりました。かなり大変ですけど、お客さまのため、自分のため、不動産売買で苦労している人のために、これからもページ制作を頑張っていきたいと思います。

 

あと2年ちょっとでフレーム部分を作り、そこから10年・20年かけて皆さまの役に立つWebページに育て上げていきます!何かお気づきのことなどがありましたら、ぜひお知らせください!

 

お知らせ…

「セラーズエージェント」「手数料0円売却」は現在準備中です

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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