不動産は「最終1棟なら買い叩ける」は間違い!?安くできる物件・できない物件
新築一戸建ての複数棟現場では「最終1棟!〇〇万円値引き!」という広告を見ることがあると思います。しかし、「最終1棟」「残り数棟」の現場だからといって、絶対に大幅値引きできるわけではありません。この記事では、大幅値引きできる場合・できない場合を一緒に考えてみたいと思います。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
大きな価格交渉が難しい新築一戸建て
価格交渉ができないパターンから見てみましょう。
ゆめ部長の体験談を紹介します。
建築中の10棟現場で残り2棟!
売れ行き好調なのに物件価格の10%近い値下げ要求
駅から平坦で徒歩5分の立地に、道路を新設した10棟現場が発売されました。なかなか物件が出てこないエリアの高台ということもあり、建物建築中にもかかわらず、発売開始して最初の1週間で残り2棟になった大人気現場でした。
ゆめ部長がこの現場をご案内したところ、お客さまがとても気に入ってくれました。ちょっと遠かったのですが、埼玉県まで完成施工例を一緒に見に行き、夜にもう一度お会いする約束をしてお昼過ぎに解散しました。
夜の面談に向けて準備をしていた夕方過ぎのこと。なぜか、ご主人のお父さんから電話がありました。
話を聞いてみると…
「あと少しで完売だから金額下がるでしょ。息子夫婦が買いたいって言うから、400万円値下げするように言って。」とのことでした…。
大人気で発売後すぐに8棟成約している現場にもかかわらず、大幅な価格交渉でしたから通るわけがありませんよね。
「正直なところ、端数の80万円の交渉だって通らない可能性が高いですよ。」とお伝えしましたが、どうしても交渉して欲しいとのこと。
仕方なく、大幅な価格交渉の件、売主さまへ相談しました。幸いなことに、担当者さんが知り合いでしたので、一応、上席の方へお話を上げてくれました。
結果は…「即、却下されちゃったよ(汗)」との返答。
まぁ、当然ですね。せっかく利益が出る現場なのに、わざわざたたき売りする必要なんてありませんから。
ココの結論。
最後の1棟だったとしても、利益が出る優良物件で大きな価格交渉はできない!ということになります。
価格交渉は「聞くだけタダ」じゃない!
息子さん夫婦のため、孫のため、力になってやろう!というおじいちゃんの気持ちを感じたので、今回は一応交渉しました。
しかし…です。
このような相談をしてしまうと、売主の不動産会社からは「ダメな仲介会社・ダメな担当者」と思われてしまい、今後の取引に影響が出る可能性があります。
「言うだけタダ」なのは買主様の話だけで、私たちは「今後の仕事をしづらくなる」「信用を失う」という痛いデメリットがあるのです。
こんな事情も理解してくださいね。
大きな価格交渉ができる可能性がある新築一戸建て
次に、価格交渉をしやすいパターンを見てみましょう。
ここでも、ゆめ部長の体験談を紹介させてください。
全棟完成の20棟現場。
建売会社の決算期で残りの数棟が大幅値引き!
緑が多く残るエリアに、綺麗な街並みの20棟現場が完成しました。未公開の状態で数棟契約になり、建物が完成するまでの間に半分以上の10棟ちょっとが成約していた現場でした。しかし、完成してから後はなぜか売れなくなってしまい、価格が何度か見直されました。そして、残りが5・6棟あたりになった頃、担当者さんから「至急のご案内!」で電話がありました。
その内容は…
「決算に合わせて売り上げ計上したいため、利益無視で処分することになりました。既にほとんどが成約しているため、大々的に広告することは 絶対NG ですけど、内々で最大600万円まで交渉を入れてOKです。」とのことでした。
理由を聞いてみると…
建築中に販売できた他の号棟で最低限の利益を出せたため、赤字にならなければいいとの判断になったそうです。大きい会社になると、利益だけでなく、売上高も大事になるということですね!
内々で600万円も値下げできるというお話ですから、当然、複数の仲介会社で物件の争奪戦が繰り広げられました。残念ながら、ゆめ部長が契約できたのは1棟だけに終わってしまいましたけど、未公開時の時に契約した号棟より約1,000万円も安い破格の値段で契約できました。
ココの結論。
「決算が近い」
「全棟完成済みで売れ残っている」
などの条件が揃えば、大幅値下げの可能性があります。
「交渉できる」・「交渉できない」どちらのケースも、考えてみれば、「そりゃあそうだ。」という話ですね。
「価格が最優先!」の買主さまへのアドバイス
安く買えるチャンスを狙いた人へ。
ゆめ部長からのアドバイス!!
不動産屋さんを味方に付けよう!
■ 売主の不動産会社の決算時期
■ 売りたい度合い
この2つを見極められるかが重要なポイントになります。不動産屋さんを味方に付けて、密に連絡を取り、親身に対応してもらえるようにしましょう。
準備をバッチリ進めておこう!
次のチェック項目を見てください。
■ 住宅ローンの事前審査を済ませましたか?
■ 印紙は購入しましたか?
■ 手付金を銀行から引き出しましたか?
■ マイホーム購入に一点集中できていますか?
■ 週末に遊びに行く予定を入れていませんか?
売主さまの要望を受け入れよう!
数十万円~数百万円安くなるんです。売主さまの要望に合わせて動くことくらい、できてあたり前だと思いませんか!?
■ 売買契約日は売主さま指定日
■ 現地立会は売主さま指定日
■ 住宅ローンの本審査を超特急で済ませる
■ 引渡期日は売主さま希望に合わせる
どうですか…?
メンドウですか??
大変だと思っても、よく考えてください。
100万円貯金するのが、どれだけ大変かを…。
これくらい、協力できますよね。
ここまでやるから、有利な条件での契約を勝ち取れる可能性が高まるのです。しっかりと準備をして、不動産屋さんと密な連絡を取るようにしましょうね。
最後に…
売れ行き好調であれば強気になる。
決算が近いのに売上不足なら弱気になる。
あたり前のことです。
でも、大きなお金が動くマイホーム購入の場面では、迷路に迷い込んでわからなくなるお客さまがたくさんいます。素敵なマイホームとのご縁を掴むためには、冷静さも大事だということですね。
この記事を参考にして、家族のみんなが笑顔になれるようなマイホームを購入できるように頑張ってください!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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