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2019年12月11日
不動産売買の流れ

大手の不動産会社が「上司と部下の2人で訪問査定する」メリット・デメリットを解説します!

不動産の査定訪問を依頼した経験がある人は記憶にあるかと思いますけど、大手の不動産屋さんは上司と部下が一緒に来ませんでしたか?

 

上司が一緒に来てくれると「お客さま」として大事に扱われているように感じられて嬉しくなるかもしれませんけど、この上司の人件費がどこから支払われているか…?を考えたことはありますか?

 

本日は大手の不動産会社が2人で訪問査定に来る理由…を不動産業界の裏側をお話しながら解説しますね。

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

大手不動産会社が上司と部下の2人で訪問査定するメリット

不動産を査定するために店長や主任が一緒に訪問したり、2人~3人のチームで売却を担当することには、確かにメリットがあると思います。そこで、大手勤務時に教えてもらったこと、ゆめ部長の考え、お客さまから聞いた話から3つのメリットを順番に書いてみます。

 

メリット1…

 

上席と2人で訪問することで「お客様」として大切に対応していることが伝わる。

 

メリット2…

 

内覧・契約などは営業スタッフの都合よりもお客さまの都合を優先できるようになる。

 

メリット3…

 

詳しいことは上席に質問して、気軽なお願いは部下にできる。

 

さて、皆さまはどう感じられましたでしょうか?

 

正直、「メリット1」と「メリット3」はどうでも良いと思います。唯一、「メリット2」だけが価値があると言えます。

 

まず「メリット1」から見てみましょう。

 

「大事に扱われていると感じられる」…そのためだけに2人で訪問してもらうよりも、高く売るためのサービスに時間と労力を使って欲しいと思いませんか?訪問査定は前後の移動時間も含めれば3時間前後はかかるものですから、ゆめ部長なら「暇ならチラシをポスティングしてよ~」と思ってしまいます。

 

次に「メリット3」を見ていきます。

 

気軽に相談できない上席の態度がそもそもの問題だと言えます。いつでも・何度でも気軽に相談できることも大事なサービスの1つです。それに、質問に答えられないレベルの部下は必要ありません。内覧時は狭い空間を複数の人で共有するわけですから、ただ後ろをついてくるだけの新人さんなら、正直ジャマにしかならないのです。(厳しすぎるかな…。)

 

最後は「メリット2」です。

 

担当者の予定が詰まっていると、お客さまから問い合わせをもらっているのに内覧してもらえないことがあります。しかし、チーム対応なら、誰かが時間を調整できる可能性が高いので、内覧数を増加させることができますよね。

上席と部下の2人で査定訪問する本当の理由

大手の担当者は「上席と2人で訪問するのは売主さまにメリットがあるからです!」と主張するかもしれませんが、本音は違います。

 

それでは、なぜ2人で訪問するのでしょうか…?

 

まず第1の理由として、大手でも人材不足が慢性化していることがあげられます。

 

大手は固定給を増やした代わりに歩合給が減り、大幅に給与ダウンになっていますから、仕事ができる営業マンは、独立したり、引き抜かれたり、他の業種の営業職へ転職してしまっています。

 

そのため、1人で話をまとめる力がある営業マンが減ってしまい、上席のフォローが必要になっているのでしょう。

 

実際、大手の若い営業さんに対応してもらうと本当にガッカリすることが増えました。「私たち、大手ですから。」というナゾの上から目線な態度が気になりますし、知識も経験も全く伴っていないことの方が多いと感じています。

 

第2の理由は、ライバルの大手が上席と一緒に来ているからです。

 

大手はみんなで同じサービスをするのが好きなんですよね。「S社が選ばれている理由は上司がしっかり接客しているからだ!」「よし、ウチも同じようにしよう!」という感じでしょうか…。

 

大手同士でライバル関係を築いているつもりのようですけど、実はゆめ部長のような小さな会社に負けていることにまだ気づいていないようですね(ニヤリ)。

 

では次に、2人で訪問することのデメリット…そこにズバッと切り込みましょう。

費用回収のために両手仲介を狙い「物件の囲い込み」されるのがデメリット!

チームリーダー(主任など)ではなく、店長・所長が同行する場合、その人件費を考えなければいけません。成績優秀だから営業職から役職へ上がるわけです。店長・所長クラスになれば、1,000万円前後の年収があるはずです。

 

大手不動産会社では、不動産仲介部門の利益は微々たるもので、稼ぐ部門としてあまり期待されていないと聞いたこともありますけど、この莫大な固定費を賄うためにしっかり稼いでもらう必要はあるはずです。

 

大手の本部は一等地にあるビルで複数フロアを使っています。その賃料・維持費・人件費などは、当然のことながら街の不動産屋さんとは比較になりません。また、ブランドを維持するために膨大な広告費も使っていますよね。あのTVCMだけでいくらかかるのでしょう…。

 

そうすると、1つ1つの取引に費やす労力が年々増加している不動産取引では、「片手仲介」より「両手仲介」で効率よく売り上げを上げたくなります。どれくらい仲介手数料に差が出るかというと…

 

片手仲介は…最大で成約価格×3%+6万円

両手仲介は…最大で成約価格×6%+12万円

 

5,000万円の物件なら、片手仲介は税抜きで156万円、両手仲介なら税抜きで312万円(驚!!)にもなります。

 

購入のサポートをする場合は「片手仲介」の割合が増えますけど、売却なら「物件の囲い込み」をすることで「両手仲介」を狙いやすくなります。だから、売却物件には時間・労力・費用を多めに投入して売却依頼を勝ち取りに来ているのでしょう。

 

よろしいですか。大事なのでもう1度言いますよ!

 

年収の高い上司が査定に同行するのは「両手仲介」を狙いやすい売却物件で「専任媒介」を取得したいからです。上司の給料は「物件の囲い込み」をして「両手仲介」をすれば簡単に稼ぐことができますからね。これは、売主さまにとっては大きなデメリットになるでしょう。

 

参考記事…

「両手仲介を狙った売却不動産の囲い込み」の実態と対処法をわかりやすく解説します!

【知っ得!】大手不動産会社のブランド維持費・人件費などは仲介手数料から支払われている!

訪問査定に同行する上席の人はそれなりの年収があります。その人と担当者が一緒に来てくれることで、お客様として大事にされている感じがしますし、安心感もあることでしょう。

 

大手は主要な駅には必ず店舗があり、その店舗は駅から近いビルなどに構えています。室内は一般的な不動産屋さんよりもキレイな印象で、ブランドを維持するために店舗設計にもお金をかけているのを感じさせます。

 

このようなキレイな店舗で打ち合わせをしたり、大手のブランドで安心の契約を実現できるわけですから、それなりの対価を支払わなければいけないのは誰もが納得できることだと思います。

 

では、その対価はどのように支払っているのでしょうか…?

 

実は、対価は全て仲介手数料に含まれています。そこで考えてもらいたいのが、そのサービスに対して本当にその仲介手数料を支払う価値があるのか?ということです。

 

ムダなサービスに使う時間・労力・お金を他のサービスにあてて欲しいと思う人もいるでしょうし、ムダなサービスを排除して仲介手数料を安くして欲しいと思う人もいるはずなのです。

 

支払う仲介手数料で受けられるサービスを足し算と引き算で考えてみれば、より納得のいく売却を実現できるのではないでしょうか?今回の記事ではそんな問題提起もしてみました。

 

参考記事…

仲介手数料を安くしたいなら…必要なサービスを「+」不要なサービスを「-」する!

最後に…

今回の記事では、査定訪問で上席と2人で来ることで仲介手数料がムダに高くなっているということを書きましたけど、決して、大手のサービスが悪いと言っているわけではありません。

 

良い大学を出た優秀な社員が集まっているからこそ実現できるサービスの安定感、大手ブランドの安心感や優越感には、やはり魅力があると思います。

 

ブランドの安心感・オープンハウス開催などの販売力・写真や動画を重視した広告・手厚いサポート・知識や専門性・実績など、必要な物を足したり引いたりしてみてください。その結果、大手に任せたとしても仲介手数料が高いと思うのであれば、無料・半額・定額制の会社を選んでみるのもよい選択だと思います。

 

納得のいく売却を実現できるように頑張って勉強してくださいね!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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