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2020年05月21日
不動産売買の知識

地面師ってご存知ですか?不動産を売却するなら自分が所有者だと証明しなければいけません!

皆さまは「地面師 ( じめんし )」 を知っていますか…?簡単に説明すると、不動産の所有者になりすまして売却代金をだまし取る詐欺師のことです。2017年に積水ハウスが63億円をだまし取られたニュースが流れましたので、記憶にある人もいるかもしれませんね。

 

この詐欺事件が報じられてから、不動産取引の相手方(売主さま)が本当に所有者なのかどうか…、買主さまが不安を感じているように思います。しかし、多くの不動産売買契約では売主さまが所有者であることの確認が行われていません。

 

そこで、不動産売買契約の場において、売主さまは自分が所有者であることを証明できなければいけない!ということを知ってもらい、さらに、証明するための方法を解説しておきたいと思います。

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

「地面師」とは…?

地面師というのは、不動産の所有者になりすまして勝手に不動産を転売することで、売却代金をだまし取ったり、担保に入れてお金を借りる詐欺師・詐欺グループのことです。

 

地面師は複数の人数でグループを組んで詐欺をはたらきます。

 

所有者に成りすます役

書類を偽造する役

土地を探す役   など。

 

地面師は買主さまを信用させるために、

 

運転免許証・パスポート・印鑑証明書などを偽造

公的書類を準備

法律の有資格者の協力を得る

 

など、周到な準備をしてきます。

 

積水ハウスやアパホテルなどの大きい会社でさえダマされていますし、その取引に関与した司法書士先生なども詐欺に気づけなかったことになりますから、プロの詐欺集団が本気になれば見破るのはかなり困難だと言えるでしょう。(もしかしたら、司法書士先生とかもグルだったりするのかな…。)

 

知り合いの司法書士先生に聞いた話を紹介しておきます。

 

この先生は、残代金決済(=引渡)の場で印鑑証明書の偽造を見破り、地面師による詐欺を防いだことがあるそうです。

 

どうして気づけたのでしょうか…?

 

日程を早めようと必死だったリ、

書類の提示を渋ったり、

挙動不審だったり、

所有者らしい会話がなかったり…。

 

「何か怪しい雰囲気」を感じたとのことでした。

 

この司法書士先生は、何気ない会話をしながら、本当に所有者かどうかの見極めを最後に行っているそうです。手続きが終わるまで何もしゃべらない司法書士もいますから、こういう所でプロ意識の差が出ますね!

 

書類を完全に作り込まれた場合、最終的には人の心理状態から探るしかないのかもしれません。経験豊富でコミュニケーション能力が高い司法書士先生に仕事を依頼すること、これも安全な不動産取引を実現するためには大事なことだと改めて感じました。

 

ちなみに、この先生。仕事が早いし、プロの仕事をするのに、なぜか報酬がすっごく安い!ゆめ部長はバックマージンを絶対にもらわない主義なので、ゆめ部長の購入サポートでは登記費用も安く抑えられますよ。

売主さまが売却不動産の所有者であることを売買契約の場で証明しましょう!

不動産売買契約の場では、売主さまの本人確認として次の物が必要です。

 

登記済権利証(登記識別情報通知)

実印

印鑑登録証明書

運転免許証・パスポートなど顔写真付きの本人確認資料

住民票

 

売買契約書に直筆した氏名・住所が上記書類と合致しているかを確認します。また、押印した実印と印鑑証明書の印影が一致するかを買主さまの目の前で確認しましょう。最後に売主さまの顔と運転免許証の写真が一致するかを確認します。

 

このように、公的書類・登記済権利証を使うことで所有者確認をするのですが、残念ながらほとんどの不動産売買契約でこのような確認がされていません。大手ではこれらの書類を準備することを求められますが、会社に提出するために集めているだけで、何のために必要なのかを理解できていないようです。

 

司法書士先生にこの話をしたら、「信じられない…」と絶句していました。

 

注意喚起!

 

ゆめ部長がメインで扱う「マイホーム」では、積水ハウス詐欺事件のように数十億円規模の案件はありません。しかし、詐欺師グループが狙う対象にはならないだろう…と油断しないでください!油断した隙を狙われるかもしれませんからね。

 

参考記事…

不動産売買契約で売主さまが持参するべき物を予め準備しておきましょう!

所有者であることを証明する書類を集めるのは売主さまの義務!

買主様は売買価格の5%前後の手付金を売主さまに支払うのが一般的です。

 

5%の手付金を具体的に見ておきましょう。

 

3,000万円の不動産 ⇒ 150万円

5,000万円の不動産 ⇒ 250万円

8,000万円の不動産 ⇒ 450万円

1億円の不動産   ⇒ 500万円

 

本当の売主かどうかもわからない人に対して、保全措置が講じられないまま上記のような大金を支払うわけですから、心配になるのは当然のことですよね。

 

そのため、売主さまにはお手数をおかけしますけど、上記の書類を集めるのは「当然のこと」だと理解してもらえたらありがたいです。ご協力をお願いします!

積水ハウス地面師被害事件と続報

2018年10月16日記載

 

ついに、積水ハウスが被害にあった事件の容疑者が「偽造有印私文書行使」や「電磁的公正証書原本不実記録」未遂の疑いで警視庁から事情聴取を受けるようです。

 

この事件はJR山手線「五反田」駅近くにある約2,000㎡の旅館跡地における詐欺事件です。地面師グループが積水ハウスへ権利移転する手続きをしていましたが、法務局で印鑑証明書の偽造が発覚し、権利移転まではされませんでした。しかし、積水ハウスが支払ったお金は詐欺グループに持ち逃げされている…というものです。

 

これ以上の詐欺事件が増えないように、警視庁の捜査に期待しています。お金が戻るかどうかはわかりませんが、犯人グループ逮捕はなんとしても実現してほしいと願います。

 

この事件が発覚したことで、不動産取引の安全性を強く意識する人が増えました。しかし、時間の経過とともに意識が薄れていると感じられるため、事件の続報を通じて再度注意喚起をしつつ、自分の仕事でも意識を高めるようにしていきます。

 

続報…

警視庁が偽造有印私文書行使容疑で8人を逮捕。

2018年11月26日、詐欺と偽造有印公文書行使の疑いで再逮捕。

その後も逮捕者が増え15人を逮捕

 

続報(2020年3月17日)

東京地裁は詐欺計画の立案役である内田マイク被告に対して懲役12年の実刑判決

 

続報(2020年6月10日)

東京地裁は主犯格のカミンスカス被告に対して懲役11年の実刑判決

不動産ビジネスとブロックチェーン

5G時代の到来で不動産取引にも大きな変革がもたらされそうですね。

 

5G時代の4種の神器の1つ「ブロックチェーン」技術が不動産登記に応用されることにより、地面師事件を防げるようになるのでは…そんな話をネットで見かけるようになったので、勉強のために追記しておきます。(2020年5月21日追記)

 

現在の不動産取引では、登記手続きは次の流れになります。

 

売買契約

売買代金支払い(残代金決済)

決済後に司法書士先生が登記手続き

 

残代金決済時に買主さま⇒売主さまへ残代金が振り込まれ、着金確認ができたら、司法書士先生へ「権利証(登記識別情報通知)」「印鑑証明書」などを預け、登記申請してもらいます。

 

つまり、お金が振り込まれてから、司法書士先生が法務局で登記申請をするまでの間にタイムラグが生じてしまうのです。

 

法務局で「権利証(登記識別情報通知)」「印鑑証明書」の偽造が発覚したとても、地面師はもう逃げてしまっているでしょうから、買主さまは権利を取得できず、代金だけ支払ったことになってしまいます…。

 

この問題が、ブロックチェーン技術で解消できると期待されています。法務局・銀行をつなぎ、残代金の振り込みを行ったと同時に登記申請を行うことができれば、タイムラグが生じなくなりますからね。

 

でも…

 

売主が本当の所有者であることの証明…これ、どうやるんでしょうね?行政とデータを連携・共有しただけで確実に証明できるのでしょうか。まだ勉強を初めてばかりなので、アンテナを張ってもう少し勉強してみます!

 

不動産テック(不動産×テクノロジー)を活用することで、不動産取引の安全性を担保しつつ、効率性を高め、コストを削減しよう!というアイディアが生まれてきましたよー、という紹介でした。

 

【 補 足 】

 

5G時代の4種の神器

 

IoT(Internet of Things):データ収集

クラウド          :データ保管

ブロックチェーン      :データ管理

AI             :データの使い方を考える

 

「ブロックチェーン」の特徴を簡単に記載すると…

 

データをみんなで管理・記録する技術

  中央集権化を防止(自律分散型)

データを改ざんすることが困難

コストを削減できる

 

詳細は「中田敦彦のYouTube大学」で勉強してください~

 

「P2P取引(ユーザー間取引)」「スマートコントラクト」の組み合わせで不動産取引の自動化が実現できた場合、不動産仲介業務の規模はどれくらい縮小するんだろう。なんか、面白い時代になってきましたね!

最後に…

不動産取引は大金を扱うにもかかわらず、十分な保全措置を講じられていない点が大きな問題だと思います。また、不動産会社は「書類を集めること」を求めながら「なぜ必要なのか?」を営業マンに理解させていないこともおかしな話だと言えます。

 

確認・保管義務があるから書類を集めるのではなく、お客さまの取引安全を図るためであることを忘れないでほしいと願っています。

 

売主さま・買主さまが安心して取引できるように、微力ながら、無料の情報発信を続けていきたいと思っています。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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