売れ残り物件が突然奪い合いになる…不動産取引の不思議な話。
1年・2年と売れ残っていた不動産が「急に人気物件に変貌する!」なんて驚くことが実は結構あります。この記事では、こんな「不動産あるある」の事例として、「好条件でも2年売れなかった土地を最後は競い合って契約!」をご紹介します。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
奪い合いの舞台になった現場
人気が高いエリアにあり、駅近の整形地・4m×6mの角地という好条件でありながら、長い間売れ残っていた土地です。唯一の欠点は、容積率が厳しく80%しかないにもかかわらず、土地が少し狭かったので、小さめの3LDKしか建築できないことでした。
2年も売れ残っている物件だったので「すぐには売れないだろう…」と油断していたら、知り合いの営業マンと競い合うことに!
購入されたお客様
計画道路の拡幅工事に伴い退去する必要があり、近隣で住み替え先を探していたお客様。用地買収のお金で現金一括購入希望でした。
現在のお住まいから徒歩5分。生活環境が変わらないこの土地を気に入って前向きに検討していましたけど、2年売れていないことを知ってたので、「何か問題があるんじゃないかな…?」とすごく心配している様子でした。
売れ残っていた理由は?
売主の不動産会社へ直接訪問して「売れなかった理由」をヒアリングしたところ、2つの原因を話してくれました。
1つ目
土地が少し狭いため建物プランが小さくなること。
参考プランをもらって確認すると、間取りはシンプルに使いやすく、階段で上がれるロフト(天井高1.4m未満)で収納力を確保できています。「なかなかイイじゃないか!」という印象でした。
2つ目
売主の不動産会社が銀行から事業融資を受けて購入している都合で、これ以上の値下げできないこと。
販売スタートから価格をだいぶ下げていたので、現在の金額で売却できないと融資金を返済できないようでした。他の現場でも苦戦をしていたため、自己資金で補てんすることもできなかったのだと思います。(不動産が全く売れず、多くの会社が倒産した時期だったので仕方ありません。)
過去の販売図面を引っ張り出してみたら、2年前の販売スタート時よりも1,000万円弱値下がりしていました…。
事件・事故・近隣トラブルではなかったことに一安心。
他にも何かあったら困るな…と思い、近隣住民へ聞き込み調査を行い、事前に市役所で物件調査も行っておきました。結果は「特に問題なし」。
建物プランは大きな問題にはならない。
価格は近隣相場から見ると安い。
調べた結果、このエリアの「一押し物件」と言えるレベル。なぜ売れないんだろう…?すごく不思議でしたけど「お宝物件」かもしれないな!とも思えました。
売れ残り不動産の奪い合いが始まる…
お客様と面談をして調査結果を報告したところ、購入を前提に準備を進めていくことになり、早速、売主の不動産会社から建物プランを入れるための測量図を取り寄せました。
プラン作成・建物プレゼン・完成施工例見学の予定を組み、1つ1つ準備を進めていたところ、売主の社長さんから「他にも資料請求があったから、急いだほうがいいかもしれないよ。」との電話がかかってきました。
「2年も売れていないんだから、そんなことないでしょ!?」
「嘘ついてあおらないで欲しいんだけどな…(ちょっと怒)」
なんて思っていました。
ところが!
その話がウソではなく、次の土曜日にハウスメーカーとの打ち合わせを予定しているお客さまがいることが判明します。
なぜわかったか…?を正直に言いますと、実は、検討していたハウスメーカーの担当者も、その物件を扱っていた営業マンもゆめ部長の知り合いだったのです。
何気ない会話の中で「ずっと売れ残ってる物件なのに値段下がらなくて困ってるんだよねー。ギリギリ3LDKが入るくらいだから下げてくれたっていいのにね!」という話が…。それ、ウチのお客さまが購入検討している物件じゃないか!!とすぐに気が付きました。
競合していることを黙っていることに罪悪感がありましたけど、別にだましているわけではないし、ゆめ部長が1番守らなければいけないのは自分のお客さまですから、これは仕方ありませんね。
ここからは、スピード勝負です!
ゆめ部長も建物プランと見積作成を急いでもらい、お客様が用意できるお金を確認。どうしても予算を若干オーバーしてしまうため、社長に値下げできる最大限を確認しつつ、上席に仲介手数料の値引許可を取り付けました。その結果、価格交渉100万円・仲介手数料100万円値引で話がまとまり、契約を無事に締結することができました。
当時勤務していた仲介会社は仲介手数料の値引きはしていなかったのですが、仲良くしている社長さんが困っているなら仕方がない…と店長が許可をしてくれたのでした。社長さんも「そんなことまでしてくれるの!?」と驚きながら感謝してくれたのを覚えています。
契約が終わった後に売主の社長さんから聞いたお話…
実は、別の不動産屋さんからも「前向きに検討しているお客さまがいます!」って話があってさー。なんで、2年も動かなかったのに急に動いたんだろうね~。もっと早く売れてればなぁ…。
ということは、ゆめ部長のお客さまを含めて3組が同時に検討していたんですね!あぶなかった (笑)
なぜ、急に競合するのか…?
不動産は値下げのタイミング・繁忙期(2月・3月)・競合物件の動向(競合物件の成約・新築物件の高値設定など)で急に動きだすことがあります。しかし、それ以上に「人の心理」によって動き出すことの方が多いと考えています。
自分が気になっていた物件に対して「真剣に検討している人がいますよ。」と言われたことを想像してみてください。「やっぱりいい物件だよね!」そう安心すると同時に、急に焦りだしませんか!?
長く売れ残っていたから「何か問題があるのでは…」と不安に思いつつ、「もっと安くなったら検討しようかな…」と考えていたはずなのに、「絶対に買い逃したくない!」という気持ちになる気がしませんか??
こうして購入候補者が増え、競争が起こっていくのでしょう。
売れ残り不動産を検討する方へのアドバイス!
売れ残っている不動産に興味を持ったら、まずはお問い合わせください。「何かトラブルや大きな問題があるかもしれないよな…」なんて考えていても、何もわからないですし、解決もしませんからね。
■ 不動産にかかる法律や条例に関する問題
■ 不動産の価値
■ 近隣トラブル
■ 事件事故
などはこちらで調査して報告します。調査報告の結果が悪いものであれば、購入を見送るべきだとお伝えしますから安心してください!
「もっと安くなったらな…」と価格で悩んでいるなら、まず、住宅ローンの事前審査や手付金の準備など、できるだけ早く準備を整えてください。価格が下がるのを待つのではなく、こちらから攻める姿勢で価格交渉してしまいましょう。
ご縁をたぐりよせる努力が大事ですよ!!
売主さまへのアドバイス!
長く売れずに苦労していた不動産が一気に注目を浴び、急に内覧が増え、申込が同時に入る…そんな嬉しい結果が訪れるかもしれません。
その時に備えてアドバイスを1つ。
嬉しくて浮かれてしまう気持ちはよくわかります。しかし!「価格交渉は受けない!」「瑕疵担保責任は免責にしてほしい!」なんていきなり強気になってはいけません。
たまたまラッキーが重なって検討してもらっているわけですから、ご縁を逃さないように、誠実に対応してください。チャンスをつかみ損ねる残念な売主さまの仲間入りをしないようにしましょうね。
最後に…
不動産は高額であるために、お客さまの「ちょっとした思い込み」で売れなくなることがあります。売れない理由がどこにあるのか…?信頼できる不動産屋さんに相談して一緒に考えてみてください。
■ 不動産には特に問題がない。
■ 近隣トラブルもない。
それでも売れないなら…
買主さまからすると「お宝物件」かもしれません!すぐに検討しましょう。
売主さまからすると「本当はもっと高く売れる物件」かもしれません!価格を下げなくても、写真を変えたり、販売方法を変えたり、1ヶ月販売を中止してみたり。そんな少しの変化だけで動き出すかもしれません!「売れ残り感」を取り除き、チャンスが巡ってくるように工夫しましょう。
不動産売却でお困りなら、ゆめ部長の「仲介手数料半額の不動産売却」サービスを検討してみてください。詳細は下のバナーをクリックです!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。皆さまが素敵なご縁に巡り合えますように!!
参考記事…
“不動産の「悩み・不安・怒り」を解消するぞー✨ のお役立ち情報をツイート ✅ホンネで語るよ ✅業界の裏側…コッソリ教えるよ ✅役立つ知識を集めて発信するよ ✅さんへ優しく解説するね ✅ガンバル不動産屋さ…
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