不動産屋さん同士の競争による「根拠がない高値査定」に異議あり!
不動産の媒介契約(売却依頼)をもらうために、不動産屋さんはライバル同士でしのぎを削っています。売主さまは複数の不動産屋さんに査定依頼していることが多いですから、少しでも自分・自社に興味を持ってもらえるように、査定額をムダにつり上げているのをよく見かけます。
高値で売却する実力があるわけでもないのに、売主さまにムダな期待をさせることは「罪」だと言えます!そこで、宅建マイスターとして「高値査定」に警鐘を鳴らしたいと思います!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
不動産屋さんの査定書は高値で興味を引こうとしている!
たくさんの査定訪問をしてきた経験から言いますと、売主さまは、3社くらい~10数社くらいの不動産屋さんに査定を依頼していることが多いです。
「一括査定サービス」への誘導を狙ったアフィリエイトサイトが増えた結果、「無料だし、たくさんの不動産屋さんから査定書を無料でもらえて便利だな!」と考える売主さまが多くなり、10数社に査定依頼をしているのだと思います。
そうすると、大手の仲介会社でさえ、自社をアピールできずに「その他大勢」として埋もれてしまうことがあります。
せっかく査定書を作成して、時間を使って訪問査定までしているのに、こんなタダ働きじゃあ悲しくなるのはあたり前ですよね。
そこで…簡単に記憶に残す方法を思いつきます。
そうです。他社よりも高い金額を査定書に書けばいいんです。
売主さまは少しでも高く売りたいわけですから、売却する不動産に1番の高値を付けてくれた不動産屋さんは最終候補まで残してもらえる可能性がグっと高まります。だから、不動産屋さんは「売れるわけないよね~」と思いながらも、査定書の金額は高値を付けているわけですね。
大手にいた時は+10%査定を推奨されていた!
ゆめ部長が大手仲介会社で働いていたときは「とりあえず10%くらい高値を提示して、まずは媒介契約を取得するように!」との指示を受けました。
大手であることの強みを生かし「このマンション限定のお客さまがいます。」とか「条件にピッタリのお客さまがいるので次の土日にご案内します!」という聞こえのよい営業トークを追加すれば、比較的簡単に媒介契約をもらうことができるのです。
…大手の看板ってスゴイですね。
信用してもらうことさえできてしまえば「これで売れなかったんだから値下げするしかないですね。」という話につなげやすくなります。
■ 頑張ったんだけど売れませんでしたね…
■ ピッタリのお客さまがいたから売れると思ったんですが…
■ 登録顧客が多い当社で売れないのですから高いということでしょう。
こんな報告で「がんばったアピール」を続け、査定金額で吊り上げた10%分を本来の査定金額に戻そうとしてきます。これを「値こなし」と呼んでいました。
先日、ゆめ部長が相談を受けたお客さまは、大手仲介会社の担当者から毎日のように電話があり「値下げしましょう!」と繰り返された結果、精神的におかしくなってしまったそうです。
不動産屋さんのしつこい営業に疲れ、気持ちが折れて値下げしてしまう…。こんなのおかしな話だと思いませんか??
売却依頼をもらえなかった売主さまを追跡調査してみた!
最近は査定金額だけでなく、少し高めの「チャレンジ価格」も査定書で提案するようにしているのですが、サラリーマン時代は「査定金額」のみ記載していました。
正直に査定金額だけを記載していたからなのか…ゆめ部長のプレゼンが悪かったのか…理由は定かではありませんけど、査定訪問したにもかかわらず、売却依頼を受けることができなかった案件が続いてしまったことがありました。
ふと、「売却依頼をしてくれなかった売主さまって、売却活動はうまくいっているのかな…?」 と気になり追跡調査を行ったことがあります。
すると、他の不動産屋さんに依頼をした案件のほとんどが、ゆめ部長の査定金額よりも10%~15%も高値で売りに出されていて、その多くが売れ残っているじゃありませんか!
このことからも、根拠がなく、ムダに高い査定金額を提示している不動産屋会社がたくさんいて、困っている売主さまが多いことがうかがえますね。
なお、ゆめ部長の査定金額よりも高値で売れている案件は2件ありました。
ピッタリはまるお客さまがいたり、そのマンション限定で探しているお客さまがいれば、高値で成約する可能性があることを学びました。販売開始後すぐに成約したようですから、チャレンジしてみることも大事だと言えますね!
こんな経験から、ゆめ部長のサービスは「相場+α」での成約を目指すようにしています。
戦略なしで高値査定をするのは売主さまに失礼!
売れるはずもない「相場+20%」で査定書を作り、「ウチに任せたら売れますよ!」なんて営業したのであれば、責任を取ってもらいたくなりますよね。
宅建業法では…査定では「金額の根拠」を示す必要があると定められています。
ゆめ部長が活動する東京23区は不動産の流通量が多いですから、根拠資料になる「過去の成約事例」・「販売中の物件情報」などを集めて正しく検討すれば、20%も相場からズレることはほとんどありません。
高値査定の多くは明らかに宅建業法の定めを意図的にムシしているのだと思います。もしかしたら、根拠を示さなければいけないことすら知らないのかもしれませんけどね…。
最近は不動産テックのサービスで瞬間査定(自動査定)などがありますし、買主様もネットで情報を集めて勉強しているわけですから、不動産売却は考えているほど甘いものではなくなりました。
売主さまが査定金額が正しいかを確認できるということは、買主さまだって相場をある程度把握することは可能なわけです。タワーマンションの最上階・地権者住戸・超人気学区の希少物件などでなければ、+20%なんてまずムリでしょう。
ゆめ部長は、高値・早期の成約を目指したサポートを行いますから「チャレンジ価格」を提案することがよくあります。しかし、査定金額とは異なることを説明しますし、ある程度期限を決めてチャレンジするようにアドバイスしています。
これなら、売主さまに誤解されなくて済みますし、売却期限があるならチャレンジせず相場に合わせた金額で売却することを選択することができますよね。
不動産屋さん同士のムダな争いが原因で高値査定しているなら、売主さまに対して失礼ですし、プロとしていかがなものか!とゆめ部長は怒っています!
不動産を高値で売りに出すのはOK!
高値で成約させるためには、相応の準備・努力・時間が必要になります。簡単に高値ですぐに売却できるわけではないですから、ぜひ、下にリンクを貼った記事を読んで考えてみてください。
ゆめ部長の不動産売却サポートは、物件を磨いて輝かせることで高値成約を狙うのが特徴です。物件の潜在能力を最大限引き出し、胸を張ってお客さまへオススメしたいと考えています!
参考記事…
最後に…
売主さまのために高値成約を本気で目指す気持ちがある。そして、実現する知識・経験があって実績がある。それなら、査定書に高値成約を狙うための金額を書いても良いと思います。
しかし、高値成約の実績・実力がないにもかかわらず、売却依頼を獲得するために高値の査定金額を提示するのは今すぐにでもやめるべきです。
これからの時代は不動産テック(Real estate technology)のサービスで不動産取引の情報格差が改善されるため、ウソつき営業は通用しなくなってきます。
今のうちに一所懸命仕事に打ち込んで実力を付けなければ、不動産屋さんは生き残れない時代になります。同業他社さんと切磋琢磨しながら、不動産業界を改善していけるように、そして盛り上げていけるように、日々の仕事を1つ1つ頑張っていきたいと思っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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