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2019年02月06日
不動産売買の知識

高齢者が不動産を売却する時の注意点を宅建マイスターが解説します!

日本は4人に1人が65歳以上の高齢者となる「超高齢社会」になりました。2060年の予測では4人に1人が75歳以上になるそうですから、高齢者の不動産売買に関する問題はこれから増加していくと考えられます。

 

高齢者は不動産を「購入」するよりも「売却」するケースの方が多いかと思いますので、この記事では「不動産売却」についてまとめることにしました。

 

不動産業界15年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

 

【目次】

1.  「高齢者」に関する基礎知識を学ぼう!

2.  判断能力が低下した高齢者が締結した不動産売買契約を解除する手段

3.  高齢者の判断能力をどうやって確認すればいいのか…?

4.  高齢者との不動産取引にリスクを感じたら成年後見制度を積極的に活用する!

5.  最後に…

「高齢者」に関する基礎知識を学ぼう!

「高齢者」という言葉を聞くと、どんなイメージを持つでしょうか…?

 

まずは、こんなところから考えていきましょう。

 

昭和元年の平均寿命は45歳前後だったようですけど、今では男性でも80歳を超え、今後は人生100年時代に突入していくのかもしれませんよね。平均寿命が伸びるにつれ、健康に生活できる高齢者がどんどん増えてきていると感じているのは皆さまも同じだと思います。

 

そうすると…60歳・65歳・70歳…どのあたりが「高齢者」の境として妥当なのかわからなくなってきますね。

 

65歳~74歳までが「前期高齢者」、75歳以上が「後期高齢者」と分けられていますけど、65歳でも若々しく元気な人はたくさんいるので、イマイチしっくりきません。

 

そこで、平成29年に提言された基準があります。

 

65歳~74歳 …「准高齢者」

75歳~89歳 …「高齢者」

90歳~   … 「超高齢者」

 

これだと「高齢者」という言葉に抵抗感があっても、納得して受け入れやすいように感じられます。

 

次に、「超高齢社会」という言葉の分け方も見ておきましょう。

 

総人口に対する65歳以上の割合で呼び方が変わりますよ。

 

  7%以上 … 「高齢化社会」

14%以上 … 「高齢社会」

21%以上 … 「超高齢社会」

 

よく聞く高齢「化」社会というのは昭和45年あたりのことです。平成7年には「化」が消えて「高齢社会」になり、平成19年には「超」が付いて「超高齢社会」となっています。

 

長寿になることは素晴らしいことではありますけど、年齢を重ねるにつれて、若いころのように、判断したり行動したりすることができなくなりますから、不動産という財産上重要なものを売買する際には、不安・心配が募るという問題が生まれるようになりました。

 

実際、通常の日常生活・社会生活を営めなくなる「認知症」の患者さんは急激に増加しているようです。

 

「認知症」・「軽度認知障害」と診断された高齢者は900万人弱。そして、2025年には「認知症」だけで700万人ですから、高齢者の5人に1人は認知症患者ということになります。

 

平均寿命が延び、核家族化も進んでいますから、不動産を売却して、施設へ入居したり、都心部へ引越をする需要はさらに高まるはず。

 

しかし、認知症を患っている高齢者と不動産売買契約を締結することは大きなリスクを伴います。トラブル事例が積み重なり、社会問題化することで、高齢者が所有する不動産の流通性を下げる要因になるかもしれませんよね。

 

そこで、高齢者の方々が安心して不動産を売却できるように、契約手続き・契約解除・成年後見制度・裁判例などを解説することにしました。

 

一緒に勉強しておくことで、安心して、納得のできる不動産売却を実現していただけたら嬉しく思います!!

判断能力が低下した高齢者が締結した不動産売買契約を解除する手段

認知症・軽度認知障害を患っている状態ですと、不当に安い金額で売却させられたり、権利を奪われてしまうことだってあります。

 

そこで、判断能力が低下している状態にある高齢者を守るために、不動産売買契約を白紙解除する手段が認められています。

 

■ 契約自体が不成立

 

契約自体が不成立になるケースはあまりないそうですが、所有者に無断で売買契約書を作成し、そこに本人の実印を勝手に押印したような場合が該当します。

 

■ 意思能力の欠如による無効

 

「意思能力」というのは、売買契約を行ったら、どんな義務を負い、どんな権利を得るのかを判断できる能力のことで、7歳~10歳程度の判断能力と言われています。酔っぱらっていた場合は意思能力が欠如しますよね…?このような状態で行った契約は無効となります。

 

なお、裁判所は簡単に「意思無能力だった」と認定しません。なぜなら、無効を主張する行為が行われたのは過去の一時点であり、その時点で意思能力があったかどうかを判断するのが難しいからです。意思能力が一応あると「推定」したうえで、いろんな事情を総合的に考慮して判断します。

 

■ 公序良俗違反による無効

 

「公序良俗」というのは「公の秩序 または 善良の風俗」を略して読んでいます。これは社会的妥当性があるかどうか?ということです。

 

例えば、平成21年の大阪高裁判決では、「十分な預貯金を持つ高齢者から、相場よりも明らかに安い価格で不動産を売却させる契約を締結したことは公序良俗に反して無効」だとしました。

 

■ 錯誤による無効

 

錯誤(さくご)というのは勘違いのことです。特に、売買契約における重要な要素に関する勘違いがあった場合には、その売買契約は無効となります。

 

例えば、平成10年の横浜地裁の判決では、「宅建業者が高齢者の売主と締結した不動産売買契約が、合理性がないと言えるほど安い金額であったにもかかわらず、売主には、相場よりも安い金額で売却したという認識がなかった事案に対して、売買契約で最も重要な構成要素である金額について勘違いがあったわけだから無効」だとしました。

 

■ 詐欺を理由とする取消し

 

高齢者をだまして締結した売買契約は取り消すことができます。当然ですね。

 

■ 消費者契約法による取消しまたは無効

 

消費者契約法というのは、「消費者」と「事業者」の間で行う取引について、消費者に不利となる内容で契約していた場合には、取り消したり、無効にできるという法律です。

 

相手が宅建業者だけでなく、不動産投資家などの事業を行っている人の場合でもこの法律が適用されます。不動産業に係わりのない個人が相手の場合には、この法律の適用はありません。

 

全部で6つ紹介してみました。これで高齢者を保護することはできますが、全く落ち度がない相手方には迷惑をかけてしまう恐れがありますよね。そこで、次の話「判断能力の確認」が出てくるわけです。

高齢者の判断能力をどうやって確認すればいいのか…?

不動産売買契約は、利益が相反する「売主さま」・「買主さま」がいますから、どちらかを過剰に保護すれば、相手が損失を被る可能性があります。

 

そのため、私たち不動産屋さんは、高齢者と取引をする場合に「判断能力があるかどうか?」を確認しなければいけないわけです。ちょっと失礼に感じられてしまうかもしれませんが、不動産という高額な商品を売買するわけですから、取引の安全を考えたら、協力していただくしかありません。

 

では、具体的にどのように判断能力の有無を確認するのかを見ていきましょう。

 

■ 成年後見制度を利用しているかを確認する

 

「成年後見制度」とは、高齢者の方に判断能力がないことがわかっている場合、周りの人が後見人となり、不当な契約から財産を守るための制度です。

 

この制度を利用しているかどうかを確認する場合、東京法務局(九段下)で「登記事項証明書」を請求します。登記がなければ「登記されていないことの証明書」を受け取れます。この書類は不動産屋さんが委任状を受け取り代理受領できます。

 

もし、成年後見制度を利用していた場合、不動産を売却するためには家庭裁判所の許可を受けなければならず、許可を受けていないと売買契約が無効になってしまいます!

 

■ 売主さまと直接面談する

 

不動産屋さんの社員2名で面談します。話をする中で疑わしい感じを受けた場合は、担当医・看護師・介護担当者などへの聴き取りも行うべきです。その際に、軽度認知障害の診断がなされているなどの状況を確認できたなら、専門家(司法書士先生・弁護士先生)へ協力を依頼しなければいけません。

 

やってはいけないことを紹介しておくと、代理人が委任状と印鑑登録証明書を持ってきてくれたことで安心して信頼しきってしまうことです。その委任状へ署名・捺印をした時点で判断能力がなければその委任状が無効ですから、代理人は無権代理人となり、売買契約の効力が否定されてしまいます。

 

特に相続人が複数いる場合は「相続」が「争続」になりますから要注意ですね。

 

■ 面談時の注意事項

 

不動産屋さんは取引を成立させなければ報酬を得られませんから、どうしても「問題がない」と言えるように誘導したくなってしまいます。この点は十分に注意しなければいけないポイントでしょう。

 

面談する際には下記の内容を確認すると良いそうです。

 

高齢者の年齢は?

契約締結前の生活はどんな状況か?

売買対象物件を理解しているか?

契約締結をする目的は何か?

売買金額が妥当だと思っているか?

売買契約の相手との関係は?

売却はどこに住むのか?

 

聞くときのポイントは、具体的に回答してもらえるような質問にすることです。「はい」「いいえ」で回答できてしまうと、判断能力を確認するには不十分と言えます。

 

しつこいようですけど、回答を誘導することがないようにしなければいけません。

高齢者との不動産取引にリスクを感じたら成年後見制度を積極的に活用する!

先ほども少し説明しましたけど、不動産取引の当事者になる高齢者に判断能力が十分にあるかどうか不安に感じる場合は「成年後見制度」を積極的に活用するべきです。

 

成年後見制度には次の3種類があります。

 

成年被後見人

被保佐人

被補助人

 

成年被後見人が1番判断能力がなく、被補助人が1番判断能力が高くなります。

 

認知症患者の数を考えると、成年後見制度を利用している人は少ないと言えます。今後は認知症患者の数が増えていく中、不動産売却案件も増加していくと考えられますから、成年後見制度を普及させていく必要があるでしょう。

 

成年後見制度を利用していれば、高齢者の判断能力があるかどうか…という心配が不要になりますから、安心・円滑な不動産売買を実現できるはずです。契約の相手にとっても、不動産屋さんにとっても、大きなメリットだと思いますが、いかがでしょうか?

 

逆にデメリットもあります。

 

それは、後見開始の審判が出るまで3ヶ月~4ヶ月かかり、家庭裁判所の許可が下りるまで3週間~4週間かかります。また、家庭裁判所の許可が下りない可能性もありますので、急いで売却して現金化するのは難しいです。なお、費用は10万円~20万円くらいになるようですが、依頼者の状況によりそうですね。

最後に…

これからの不動産取引はさらに専門性が求められるようになりそうです。

 

記事を書きながら、ネットで記事を検索したり、知り合いの司法書士先生にヒアリングしたり、テキストを読み込んでみたりしましたが、まだ完璧な記事には仕上がっていません。これから勉強を積み重ね、どんどん加筆していきたいと思います。

 

宅建士の仕事は日々の勉強の積み重ねが欠かせなくなりましたので、引き続き貪欲に学び、Web記事でアウトプットを高速で繰り返していくつもりです。一緒に学んでいきましょう!!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2019年8月17日追記…

現在、「手数料0円売却」・「セラーズエージェント」はお休み中です。「仲介手数料半額の不動産売却」をご検討ください。

 

事情を説明した記事はコチラ…

【超・重要なお知らせ】「セラーズエージェント」「手数料0円売却」をしばらくお休みにします。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年…仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも、不動産業界にはなんか暗いイメージがあります。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人財が楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。「全員がHAPPY」なんてムリだけど、ゆめ部長と係わってくださったお客さまにはHAPPYになってほしい。できることを1つずつコツコツ積み重ね「幸せの種」をまいています♪
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