株式会社 麻布ハウス
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2019年05月07日
不動産売買の流れ

瑕疵担保責任による売買契約の解除を宅建マイスターが解説します!

不動産取引では、売買契約を締結する時点で売主さまが知らなかった欠陥(瑕疵=かし)を、引渡を受けた後に買主さまが見つけてしまうことがあります。わざと伝えなかった…ということもあるでしょうけど、本当に知らなかった…というケースをたくさん見てきました。

 

不動産取引は高額な商品を取り扱いますし、売買契約時点ではわからないリスクが多くなりがちにもかかわらず、このトラブルを原因として、売買契約を解除できるケースが意外にも限定されています。

 

そこで、この記事では、後で見つかったトラブルを原因として、売買契約を解除できる場合・できない場合を理解しやすいようにお話してみたいと思います。

 

不動産業界15年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは…?

この記事でお話をするのは「瑕疵担保責任」による「売買契約解除」についてです。そこで、まずは瑕疵担保責任とは何かを確認していきましょう。

 

読み方は「かしたんぽせきにん」です。「瑕疵」という言葉は聞きなれないので難しく感じてしまうかもしれませんが、「キズ」とか「欠陥」という意味だと思っておいてください。

 

もう少し詳しく解説しておくと…。通常、一般的には備わっているのに、本来の機能・品質・性能などが備わっていないことを瑕疵と言います。

 

瑕疵担保責任というのは、「隠れている」瑕疵があったとき、つまり、売買契約の時点では、売主さま・買主さまのどちらも発見することができない欠陥などが後で見つかった場合、売主さまに責任があるんですよ…という定めになります。

 

このように売主さまの責任を明確にすることで、買主さまが不動産を安心して購入できるように保護しているわけです。

 

どうでもいいことを1つ。不動産屋さんの営業マンによくある勘違いとして「瑕疵=隠れた欠陥」と覚えている人がいます。上にも書いた通り、「隠れている」瑕疵が見つかった時には売主さまが責任を負うということですから、ちょっとだけ違いますよね~。

 

話を戻して、ここからは民法の原則を確認しながら、実際にゆめ部長が利用している「重要事項説明書」・「売買契約書」の内容を使って解説していきます。

 

今回は「契約の解除」に絞った内容になりますから、瑕疵担保責任の詳細は、後日執筆する予定の記事を確認してください!そこでは、複雑に関係しあっているため、みんなわからなくなっている「民法・商法・宅建業法・品確法・消費者契約法」の定めも記載する予定です。

民法が定める瑕疵担保責任を確認しよう!

民法570条で、売買の目的物(不動産)に隠れた瑕疵があるときは、売主さまが瑕疵担保責任を負うのが原則だと定められています。

 

では、どのような責任を負うのでしょうか…?

 

隠れた瑕疵で買主さまに損害がある場合 ➡ 損害賠償請求

隠れた瑕疵で契約の目的を達成できない場合 ➡ 契約解除

 

不動産取引の実務では、損害賠償を請求せずに「瑕疵の修復請求」することもあります。重要事項説明書の文言を抜粋すると…「買主は、売主に対し、前項の瑕疵により生じた損害の賠償 または 瑕疵の修復の請求をすることができます。」

 

なお、新民法成立で瑕疵担保責任はなくなり「契約不適合責任」が問われることになります。この点はまた別の記事で執筆してリンクを貼ります。少しお待ちください。

重要事項説明書・売買契約書の記載内容

この記事では「契約解除」についてまとめていますので、損害賠償請求・瑕疵の修復請求については割愛しますね。

 

不動産の売買契約で契約解除できるかどうか…?実はこれ、結構わかりづらくなっています。実際、私も長い間ずっと苦手でしたし、不動産屋さんの多くは全く理解していない可能性が高い部分です。

 

トラブルになってしまったら契約書を見ながら対処する…というのがほとんどの不動産屋さんの対応法ではないでしょうか??

 

ちゃんと理解していないということは、売買契約時に重要事項としてちゃんと説明できていなかったということなのに、「契約書類に書いてあるじゃないですかーー」と主張してきます。

 

こんなの、皆さまは納得できませんよね。だから、ゆめ部長のWebページで一緒に勉強しておきましょう!では、まとめていきますよ。

 

契約解除できるかどうかは…

 

中古マンション・中古戸建・土地・新築戸建・新築マンション

消費者同士の契約・消費者と事業者の契約・消費者と宅建業者の契約

 

という2つを見ていく必要があります。用語がわかりづらいと思うので、簡単に解説させてください。

 

「消費者」:個人のお客さま

「事業者」:大家さん・法人

「宅建業者」:不動産屋さん

 

「消費者」は不動産のプロではないですし、契約自体に慣れていない可能性が高いので1番保護されるべきです。

 

「事業者」は不動産のプロではなくても、契約などにはある程度慣れている可能性が高いです。大家さんなら不動産の知識もけっこうあるでしょう。というわけで、消費者ほどは守られませんけど、宅建業者よりは守られます。

 

「宅建業者」は不動産のプロですから、「消費者」「事業者」が宅建業者と契約する場合には規制を受ける対象になります。

 

では、順番に見ていきましょう。

消費者同士の売買契約

中古のマンション・戸建て・土地などを個人の買主さまへ売却するような場合です。この場合、民法の定めが適用されます。

 

中古戸建 :3ヶ月解除できる

土  地 :3ヶ月解除できる

マンション:解除できない

 

民法の規定では、瑕疵担保責任を追及できるのは「瑕疵を発見してから1年」であり、最高裁判決では「引渡後10年で消滅時効にかかる」とされています。

 

しかし、不動産取引の慣習で消費者同士の売買契約では「3ヶ月」とするのが一般的です。「少し期間が短かすぎるのでは…?」という意見もありますが、すぐに変わるような動きはありません。

 

個人間での売買契約では、瑕疵担保責任を「免責」にすることができますし、「1年」や「2年」とすることも可能ですけど、通常は売主さまが「OK」しないでしょう。そのため、インスペクション(住宅診断)や瑕疵保険への加入を検討することが大事だと言えますが、この点は別の記事で…。

 

マンションは売買契約を解除できないことに注意してください。もともと瑕疵担保責任の対象になるのは専有部分(201号室の室内だけ)だけであり、共用部分(エントランス・廊下・エレベーターなど)や土地は範囲外です。

 

ついでにもう1つ。大手の売買契約書では、中古戸建の契約を解除できるのは「土地に瑕疵がある場合」に限定されていますが、ゆめ部長が利用している「全日」の書式では、土地だけでなく建物の瑕疵でも契約解除できるように定められています。

 

「FRK」「全日」「全宅」という不動産屋さんが加盟している団体によって書式が異なっていますし、その理由を解説してくれる機会も資料もありませんから、現場がよくわかっていないのは仕方がないことなのかもしれません。

事業者と消費者との契約

ワンルーム大家さんをやっている個人や法人と、個人が契約するような場合です。この場合は、消費者契約法の定めが適用されます。

 

中古戸建 :1年解除できる

土  地 :1年解除できる

マンション:1年解除できる

 

参考記事…

消費者契約法による「不動産売買契約の取消し」「瑕疵担保責任の期間や免責」について宅建マイスターが解説します!

宅建業者と消費者との契約

不動産屋さんから土地・戸建て・マンションを購入する場合です。この場合は、民法よりも、消費者契約法よりも、宅建業法(宅地建物取引業法)が最優先されます。

 

不動産屋さんはお客さまを騙そうとするかもしれないので、厳しく規制しよう!ということです。(信用されていないと感じて悲しいな…。)

 

中古戸建 :2年解除できる

土  地 :2年解除できる

マンション:2年解除できる

 

新築戸建・新築マンションは宅建業者が売主の物件になりますから、2年間は瑕疵担保責任による解除をすることができます。

不動産の売買契約を解除できる条件

次に、どのような場合に契約解除できるのか…?条件を確認しておきましょう。

 

条件1

 

売買対象の不動産に「隠れ瑕疵」があること。

 

「隠れた」と言えるかどうか…は、通常の注意によって発見できるか?で判断します。例えば、中古戸建のシロアリは、床をはがしてみないとわからない可能性が高いですよね。このような瑕疵が「隠れた瑕疵」に該当します。

 

シロアリがいたことについて、売主さまは本当に知らなかっただけであり、隠すつもりがなかった…ということは関係ありません。また、定期的に防蟻(ぼうぎ)処理をしていたから責任は果たしていた!ということも主張できません。

 

なお、屋根裏に多数のコウモリが棲息していたことが「隠れた瑕疵」に該当するとして、損害賠償請求が認められた判例もあります!

 

もう1つ。「隠れた」瑕疵ですから、買主さまが売買契約時点で知っていた場合は瑕疵担保責任を追及できなくなります。

 

以前、中古戸建をリノベーションして販売していた売主の不動産会社から「売買契約前にインスペクションを実施して問題点を把握できていたわけだから瑕疵担保責任は負わない!」と言われたことがあります。

 

その分、金額を下げたり、補修をしてくれればいいのに、何もしてくれませんでした。最近はこんな理解のない不動産会社も減ってきていますけど…。困ったものですね。

 

条件2

 

この「隠れた瑕疵」によって売買契約の目的を達成できないこと。

 

人によって瑕疵による影響は異なるものです。そのため、その不動産を購入した目的を果たすことができるかどうか…?を判断基準にしているようです。

 

裁判例を見ていると、土壌汚染・軟弱地盤・自殺や事件(心理的瑕疵)が見つかった場合「売買契約の目的を達成できない」とは判断せず、「売買代金の○○%を損害賠償として支払いなさい。」という判決を多く見ます。

 

この点は注意が必要でしょう。

最後に…

売買契約時点では気が付かなかった「隠れた瑕疵」が見つかった場合、買主さまの心情的には「こんなの聞いていないぞ!契約解除だ!!」と言いたくなる気持ちはわかります。

 

しかし…この記事で説明したように、瑕疵担保責任による契約解除を求めるのは、実はかなり難しいことなのです。

 

こうやって最後まで読んでもらえると、トラブルになる前にある程度の知識を学んでおくことの大切さを実感できるのではないでしょうか?「この記事が面白かった!」と思ったら、他の記事もどんどん読んで感想を聞かせてくださいね。

 

皆さまからの反応もお待ちしております!!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。よかったら、Twitterもフォローしてください♪

 

参考記事…

不動産売買契約が解除 ( キャンセル ) になるケースを宅建マイスターが解説!

この記事を書いた人
ゆめ部長 ユメブチョウ
ゆめ部長
不動産のことが大好き!宅建マイスター&2級FP技能士の「ゆめ部長」です!営業スタッフとして、たくさんのハッピーなご縁を結ぶ経験を積んでから、「Webページ製作スタッフ」 兼 「スペシャルエージェント」として活躍中♪毎日のお仕事に情熱をもってワクワク取り組んでいます!夢は、みんなに頼られる優しい不動産屋さんとしてTV出演すること!!

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