REINS(レインズ)を宅建マイスターが詳しく・わかりやすく解説します!
REINS(レインズ)とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略で、不動産屋さん専門の物件検索サイトのことです。
不動産屋さんに集まってくる「売りたい」「買いたい」という情報をマッチングさせることで売買契約を成立させる役割を持ちます。不動産取引の透明性と、適正・円滑・迅速な取引の実現を図ることを目的にしたもので、国土交通省と ( 公財 ) 不動産流通推進センターが共同して設計・開発した情報処理システムです。
不動産売買をするにあたりレインズの仕組みやルールを抑えておくことは大事ですので一緒に勉強しておきましょう!
不動産業界15年・宅建マイスター(上級宅建士)・2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~
レインズをもう少し詳しく解説 (興味なければ飛ばしてOK )
レインズは国土交通大臣の指定により、全国で次の4機構が設立されています。
■ ( 公財 ) 東日本不動産流通機構
■ ( 公社 ) 中部圏不動産流通機構
■ ( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構
■ ( 公社 ) 西日本不動産流通機構
ゆめ部長は、( 公財 ) 東日本不動産流通機構を利用しています。東日本は東京だけでなく、北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・新潟・山梨・長野をカバーしています。
指定流通機構の会員となるためには、全国宅地建物取引業協会連合会 ( 全宅 ) ・全日本不動産協会 ( 全日 ) ・不動産流通経営協会 ( FRK ) ・全国住宅産業協会 ( 全住協 ) の構成員であり宅建業を営む会社である必要があります。なお、宅建業法違反をしていると会員になれないこともあります…。
レインズのシステムは7:00~23:00まで。12月28日~1月3日までは休業となります。早朝深夜に物件検索できないのは、営業職としては少し不便に感じるところですね。
レインズの仕組み(不動産売却サポートの例で説明します)
上記の図は、ゆめ部長が「売却」をサポートする際に、レインズを使って情報を拡散させるイメージをまとめたものです。1~4を順番に見てみましょう。
STEP.1
「ゆめ部長に売却を任せてみよう!」と決断したら「媒介契約」を結びます。
STEP.2
物件外観・室内・周辺環境の写真を撮影して販売図面を作成。この販売図面をレインズに登録します。
STEP.3
レインズに情報を登録すると、そのエリアで活動している不動産屋さんが情報をすぐに見つけてくれます。不動産屋さんは毎日レインズで最新情報をチェックしていますから、あっという間に情報を拡散できます。
STEP.4
不動産屋さんはこの販売図面を使ってお客さまへ物件紹介します。お客さまはたくさんの販売図面をもらうので、パッと見た瞬間に「素敵!見に行ってみたい!」と感じられるように仕上げるのが大事ですよ。
キレイな写真をできるだけ多く掲載し、アピールポイントを丁寧に盛り込むのが効果的です。ここはゆめ部長の得意分野ですのでお任せください!
さらに、不動産屋さんが、自社のWebページやスーモなどのポータルサイトへ物件を掲載したり、新聞折込・店頭図面などで広告を出して買主さまを探してくれます。場合によってはオープンハウスの開催、近隣住居へのポスティングまでやらせてほしいという提案があることもあります。
なぜ、不動産屋さんが頑張ってくれるのか?それは…不動産屋さんが買主さまを見つけることができると、その不動産屋さんは買主さまから「3%+6万円」の仲介手数料をもらうことができるからです。
ゆめ部長は売主さまから仲介手数料をもらいますので、2社共同で仲介を行い、仲介手数料を分けあうことになります。この場合を「片手仲介」または「分かれ」といいます。
ゆめ部長が自社で買主さまを見つけられた場合は、売主さまと買主さまの双方から仲介手数料をもらうことができます。この場合を「両手仲介」といいます。
つまり、レインズに情報を登録して、他社の不動産屋さんに買主さまを探してもらう場合、「両手仲介」の半分しか仲介手数料を稼げないということになります。
だから、悪い不動産屋さんはレインズに情報を登録しないで情報を隠してしまいます。これを「物件の囲い込み」といいます。少ない購入希望者の中から買主さまを探すことになりますから、早期・高値での成約を目指すのが難しいのは理解しやすいところだと思います。
レインズは性善説に立ち、不動産屋さんがお客さまの利益のために一所懸命がんばることを前提にしています。とてもよいシステムですが、しっかり機能していないのがすごく残念です。
参考記事…
不動産購入をサポートする場合
今度はゆめ部長が「購入」をサポートする場合を説明します。
お客さまから購入希望条件をヒアリングしたらレインズで物件を検索します。90%以上の物件は販売図面が登録されていますので、希望に合いそうな物件の販売図面をまとめてお送りします。物件概要・写真・間取図などが1枚の図面に集約されているので見やすくて比較検討しやすいと思います。
ただ、最近はレインズへ掲載されている物件のほぼ全てがネットに掲載されるようになりましたし、両手仲介を狙っている不動産屋さんはレインズよりも先にスーモなどのポータルサイトへ掲載しますから、レインズで物件検索する意味があまりなくなってきています。
それでも、物件検索が苦手なお客さま、時間がないお客さまのために、ゆめ部長がオススメできる物件を探すことはよくあります。
なお、新築戸建やリノベーション済みの中古物件など、不動産屋さんが売主になる物件はレインズへの登録義務がありません。そのため、皆さんが大好きな「未公開物件」はレインズに掲載されていません。レインズに掲載された時点で「未公開」ではなく「公開」ですからね。
法律でレインズへの登録期限が定められている
先ほどは「媒介契約」とまとめてしまいましたけど、媒介契約は全部で3種類あります。宅地建物取引業法(略して宅建業法「たっけんぎょうほう」)でレインズへの登録期限が次のように定められています。
■ 専属専任媒介契約は媒介契約締結の日の翌日から5営業日以内
■ 専任媒介契約は媒介契約締結の日の翌日から7営業日以内
不動産屋さんの定休日は日数にカウントしませんし、媒介契約を結んだ日の当日も含みません。たとえば、火曜日と水曜日が定休日の不動産屋さんと日曜日に専属専任媒介契約を結ぶと、1日目が月曜日、2日目が木曜日…5日目が日曜日となります。
また「媒介契約締結の日」とは、媒介契約書を交付した日ではなく、媒介契約締結の意思の合致があった日となります。そうしないと、不動産屋さんが書類を交付せず、いつまで経ってもレインズに登録しない可能性があるためです。
特に、先にスーモ・ホームズ・アットホームなどのポータルサイトへ掲載しておき、その後に媒介契約締結 ⇒ 5日後 または 7日後にレインズ登録になると実質的に物件の囲い込みを容認しているのと同じになりますね。
なお、一般媒介契約はレインズへの登録義務はありません。レインズの利用規定では、積極的に登録するように要請されていますが、大手も含めてマジメに登録していないことが多いと感じています。
レインズ登録証明書を受け取って登録内容を確認しよう
不動産屋さんがレインズに情報を登録すると「登録証明書」が発行され、この書類をすぐに売主さまへ渡すように定められています。
この書類の下欄には、URL・ID・パスワードが記載されていて、ログインすると登録内容を確認できます。不動産屋さんが物件情報を囲い込みしないようにするための新しい取り組みになります。
ステータスは次の種類があります。
「公開中」
「書面による購入申込みあり」
「売主都合で一時紹介停止中」
ログインしたらステータスが「公開中」になっているかを確認しておきましょう。併せて販売図面が登録されているかも見ておいてくださいね。監視の目を緩めたらダメですよ!
注意!!
これだけで物件の囲い込みをしているかどうかの判断はできません!
なぜなら…
レインズに情報は登録してある。
ステータスも「公開中」になっている。
しかし…
担当者が電話に出ない。
「お客様の都合で内覧できません」というウソをつく
という感じの対応で実質的に物件を囲い込んでいるからです。
「じゃあ、どうしたらいいんだーー!」と思ったら、上の方に貼っておいた参考記事「両手仲介を狙った売却不動産の囲い込み」とは?実態と対処法を織り交ぜてわかりやすく解説します!を読んでみてくださいね。
成約情報を登録して査定に役立てる
不動産屋さんはレインズに物件の販売情報を登録します。その物件が成約したら、成約年月日・成約価格の情報をすぐにレインズへ登録しなければいけません。なお、レインズに登録義務がない一般媒介契約の場合も成約情報の登録に努めることとされています。
多くの不動産取引事例データをレインズに蓄積できれば、不動産屋さんが査定をする際に貴重な情報源となります。成約事例のデータが多ければ多いほど相場を掴みやすく、売主さま・買主さまのどちらも納得のいく取引を実現しやすくなるわけです。
しかし!大手でさえ登録義務を果たしていないことが結構あります。査定で競合した際に売主さまから査定書を見せてもらうと、自社で成約した物件情報を査定書に綴じ込んであるのをよく見ます。
他社の成約事例を査定で使わせてもらっているのに、自社の事例はレインズに登録しないで秘密にするという姿勢が良くありませんね…。
なお、この情報は個人情報を含むものになりますから、宅建業法第45条の守秘義務が課されます。しかし、宅建業法第34条の2第2項 ( 査定金額の根拠を明示する義務 ) を果たすために必要な限度においては、この義務を守らない「正当な理由」があるとされています。
つまり、査定金額の根拠を示すためにレインズの成約事例を活用することは守秘義務違反ではないということです。ただし、成約事例の取り扱いには十分な配慮を求められますから、査定の依頼者さまにも協力をお願いしています。
レインズは一般公開されるかも…?
レインズ会員の不動産屋さんにはIDとパスワードが発行されています。アカウント情報を教えてしまえばお客さまも閲覧できますけど、今のところ、一般公開されていないためお知らせすることはできません。
しかし、このように、不動産屋さんだけが知っているという「情報の非対称性」がお客さまに不利益を与えてきたわけですから、不動産が高額な商品であることも踏まえて考えると、「個人情報保護の必要性」よりも「情報が公開される利益」の方が優先されるべきではないでしょうか。
不動産テック(不動産×リアルエステート=リアルエステートテック)の波が押し寄せていますから、レインズの一般公開は近いうちに実現されるかもしれませんね。
最後に…
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— name (@yumebucho) YYYY年MM月DD日
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