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2020年07月18日
不動産売買の流れ

士業になった宅建士が重要事項説明書を「音読」して終わらせるつもりですか!?

不動産を売買する際に、買主さまが知っておくべき重要な内容をまとめた書類が「重要事項説明書」です。略して「重説 (じゅうせつ) 」と呼んでいます。「重要事項」を「説明」する「書類」なのに、多くの不動産屋さんは音読するだけで「説明」をしていません。不動産業界の困った実態をのぞいてみましょう。

 

不動産業界15年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

重要事項説明書の記載事項

重要事項説明書に記載されている内容は…

 

不動産の表示・登記事項証明書の記載事項

都市計画法・建築基準法などの法律や各種条例の制限

道路に関すること

ライフラインに関すること

契約解除に関すること

住宅ローンに関すること

マンションの管理に関すること

住宅に関する制度

 

などなど。

 

消費者を保護する目的から記載事項が年々増え続け、ゆめ部長がこの業界に入った10数年前との比較では分量が2倍~3倍になっています。もっと前に遡ると、A3用紙1枚だけの手書きだったそうです。

宅建士の重要事項説明義務

重要事項の説明は、売買契約までに、宅地建物取引士が書類に記名押印したうえで、買主さまに対して口頭で行わなければいけません。宅建業法35条に規定され「35条書面」と呼ばれることからもわかりますが、法律で義務付けられているものになります。

 

買主さまから「説明しなくていいよ。」と言われたとしても、重要事項説明を省略することはできません。「時間がないから聞きたくない!」なんて言わず、しっかり時間を作ってくださいね!

 

なお、売買契約に先立ち、事前に時間を作って行うのが好ましいとされていますけど、実務では、売買契約日の当日に行うことが多いです。

 

参考記事…

不動産屋さんが売買契約日よりも前に「重要事項説明」を行っていない理由

宅建士の義務違反は損害賠償請求の対象になる!

重要事項説明を行う前提として、売買対象不動産についてしっかり調査を行わなければいけませんから、宅建士には「調査義務」・「説明義務」があるとされています。

 

さらに…

 

法律上、仲介(媒介契約)は「準委任」であり「善管注意義務」が生じます。善管注意義務とは、業務を委任された人の職業・専門家としての能力・社会的地位などから考えて通常期待される義務のことをいいます。

 

また、

 

宅建業法 第31条 第1項 には宅建業者の「信義誠実義務」が定められています。これは、不動産取引に精通していないお客さまの保護を図り、紛争を防止することで、円滑な取引を実現するためです。

 

宅建業法第15条には宅建士の「公正誠実義務」もあります。15条が宅建士、31条が宅建業者について定めているわけですね。

 

まとめると…

 

プロとして、誠実に、調査・説明をすること。

お客さまの利益を保護し、

公正な立場で円滑な取引を実現しなさいよ!

 

ということになるでしょうか。

 

このような義務を負っているわけですから、

義務違反があれば、当然、責任を追及されます。

 

具体的には…

 

「債務不履行」

「不法行為」

 

に基づく損害賠償請求の対象になります。

 

超高速で重要事項説明書を音読しただけで、この義務を果たせるのでしょうか…?ゆめ部長は絶対に果たせていないと思います!!

 

宅建業法の解釈で重要事項説明は対面で行うこととされています。そのため、重要事項説明が始まる時に「録音させてくださいね(笑顔♪)」と伝えてスマホを机に出しておくのはいかがでしょうか。

 

宅建士にプレッシャーを与えつつ、証拠も残る♪

 

仲介手数料に見合った仕事(丁寧な重要事項説明)をしてもらうのは当然のことです。しっかり理解してから契約してくださいね!

 

【 参考 】

 

「重要事項説明書に重要事項の一部を記載しなかった・虚偽の記載をした場合」「重要事項説明をしなかった場合」など、重要事項説明義務違反があると、お客さまの損害発生の有無や程度により、不動産屋さんは7日~30日の業務停止処分を受けることがあります。

重要事項説明の現場はこんなレベル…

高額な不動産を売買するために知っておくべき「重要」な「事項」を「説明」するための「書類」ですから、当然のことながら、宅地建物取引士がわかりやすく「説明」をしなければいけません。しかし、不動産実務に携わっていると、この重要事項説明を軽視している不動産屋さんがとても多いように感じます。

 

先日の売買契約では、相手側の担当者がこんなことを言っていました。

 

『重要事項説明書の「読み上げ」は30分で終わりますよ!』と。「早く終わらせるオレって仕事ができるでしょ?」と言わんばかりの得意げな感じが何とも痛々しく…。

 

「説明」じゃなくて「読み上げ」ってどうなの…?

しかも、30分で終わらせるの…?。

 

プロ意識が欠如した担当者を見て悲しい気持ちになりました。

 

こんな雑な仕事をしていても、自称「トップ営業マンだけが集まった不動産会社」は、宅建業法で定められた上限の仲介手数料「3%+6万円」を当然のごとく請求していました。

 

おかしい業界だなぁ~と思うのは、きっと、皆さまも同じですよね!?

ゆめ部長が行う重要事項説明

ゆめ部長が重要事項説明をする場合、契約書類を事前にしっかり読み込み、説明する資料を順番に並べるなどの準備をしておきます。見づらい書類は大事な部分を黄マーカーで塗ったり、付箋を貼ったりもします。

 

その上で、わかりやすいようにメリハリをつけて説明するのですが、それでも1時間~1時間30分くらいはかかるのが通常です。30分で終わってしまうのは、不動産取引の知識がなく、契約書類の内容を理解できていなから、ただ音読するしかないことに原因があるのかもしれませんね。

 

重要事項説明書には、普段の生活では目にしない言葉がたくさん出てきますから、短い時間で全てを理解できるものではありません。だからこそ、知っておかなければトラブルに巻き込まれたり、損失を被る可能性がある重要な部分は、時間をかけて重点的に説明してくれることをお客さまは期待しているのだと思っています。

 

ゆめ部長は宅建士の上級資格者「宅建マイスター」として、できる限り、わかりやすくかみ砕いた説明ができるように、日々学び続けています。その甲斐あって「わかりやすかった!」と好評なんですよ。

 

参考記事…

宅建士の上位資格「宅建マイスター」をご存知ですか?

大手の新築マンションを購入したときの重要事項説明

ゆめ部長がマイホームを購入したときの経験を少しだけお話します。

 

購入マンションの重要事項説明を始める前に、担当者さんから「売買契約の説明は契約者であるご主人が全て聞いてくださいね。」と、くぎを刺されました。同業者だから聞きたくないだろうな…と思われたのかもしれません。まぁ、どんな説明をするのか楽しみだったので、じっくり説明してもらって良かったのですけどね。

 

説明が始まって30分くらいした時、ゆめ部長に仕事の電話がかかってきました。「そのまま続けてください。」と伝えて席を外したけど、説明はそこでストップ。あまり興味がない項目だったし、嫁さんが聞いているからいいかな…と思ったけど認めてもらえませんでした。「説明した・聞いていない」のトラブル防止のためには仕方がないので、文句は一切なく納得です。

 

新築マンションの重要事項説明書は異様なボリュームであるにもかかわらず、ほとんど読み飛ばして1時間程度で終了。同業者で事前知識があるからよかったですけど、初見の人には全くわからないでしょうね…。読み間違えもボチボチあったし、70点くらいかな~なんて上から目線で思ってしまいました(笑)

最後に…

音読しただけの適当な重要事項説明を聞いて「まっ、こんなもんかな…」と、わかったような、どうでもいいような感じで諦めているお客さまがたくさんいます。

 

プロとしての仕事をしていない不動産屋さんは即刻の改善が必要ですし、大いに反省をしてほしいです。一方、「一生に一度の大きな買い物」だと言う割には、全てに受け身で流されやすいお客さまにも問題があると言えます。

 

「自分で調べなかった」とは考えず「教えてもらえなかった」と考えているようですが、最低限の知識を身に着けること、信頼できる会社や担当者を自分で探して選ぶことは、自己防衛のためにお客様が主体的にやらなければいけないことなのです。

 

重要事項を30分の音読で終わらされてから後悔しても遅いです!「会社のサービス」と「担当者のレベル」を見極めて、不動産屋さんは自分の目で選んでくださいね。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…不動産業界にはなんか暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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