レインズ利用規定違反!売却不動産の「抜き行為」に呆れた体験談
ゆめ部長が担当する売却物件に「抜き行為」をしようとした営業マンがいました。手紙を持って売主さまを直接訪問してきたのですが、これは「レインズ利用規定」に違反している可能性が高いと言えます。突然こんな営業マンが訪問してきたら売主さまは困ってしまいますよね…。この記事では、不動産取引の現場で行われている抜き行為の手口を紹介します!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
売却不動産の「抜き行為」とは…
売却不動産の「抜き行為」がどういうものか見ておきましょう。
ゆめ部長が売却不動産をレインズへ登録すると、東京都だけで2万社以上いる不動産屋さんがこの情報をキャッチできるようになります。情報をキャッチした不動産屋さんは、自社で顧客登録しているお客様へアプローチしたり、ネット・折込チラシなどの広告で新規のお客さまを探してくれます。
…もちろん、買主さまからの仲介手数料を狙っての行動ですよ!
このように、不動産屋さんのネットワークを使うと情報をうまく拡散できますから、ゆめ部長1社だけで買主さまを探すよりも良い条件での成約を勝ち取りやすくなるわけですね。
レインズはこのように活用するものです。
しかし、相手は不動産屋さん。残念ですけど、自分だけが稼ぎたい!儲けたい!と考える人たちが多く、レインズを悪用します。
具体的にはこんな攻撃をしかけてきます…。
「弊社には購入希望のお客さまがいますから、ゆめ部長との媒介契約を解約してウチに乗り換えませんか!?」という電話・手紙・訪問を繰り返し、ゆめ部長の媒介契約を奪おうとしてきます。
ゆめ部長は売主さまと媒介契約を締結してレインズに情報登録しているにもかかわらず、このレインズ情報をもとに接触して横からお客さまを奪おうとするわけです。
このような違反行為を「抜き行為」といいます。
「弊社に購入希望者がいます!」なんてアピールしながら、本当はこれからお客さまを探すくせに…。本当にヒドイ!!
抜き行為の手紙内容を書き出してみます…
ゆめ部長が媒介契約を締結していた中古戸建に「抜き行為」をしようとした営業マンがいました。ゆめ部長は売主さまと信頼関係をしっかり構築していましたから、どのようなアプローチがあったかを教えてもらえました。
ついでに、そのおバカ営業マンがおいて行った手紙をもらったので公開します!
突然お伺いしてしまい申し訳ありません。
以前ご自宅をご売却に出されていらっしゃったと
思いますが、もうご売却のご意向はなくなって
しまったのでしょうか。
私のお客様で内覧のご希望を頂いて
いたのですが、お仕事の関係上なかなか
お時間を作れずにいらっしゃったのですが
この度やっとお時間を作れそうとのご連絡が
ありました。ただ、現在は売却を取り締めたと
お聞き致しまして、もうお気持ちは変わらないの
かなぁと思いまして、立ち寄らせて頂きました。
もし、お時間ございましたら、下記携帯まで
ご連絡頂けますと幸いです。
よろしくお願い致します。
担当者名●● 090-●●●●-●●●●
原文そのまま。
抜き行為ではないことを一所懸命アピールしていますね。この文章は自分を守りながら作っているのがすぐにわかります。
「たしか売りに出していましたよね…?」
「売却を中止したと聞きました。」
「忙しいお客さまがやっと時間を作れそう…と言われました。」
記憶は曖昧で、人から聞いた話。お客さまは絶対に見るとは言っていない。だって…時間を作れ「そう」と書いたもんね!と逃げるのでしょう。
手紙の文字が読みづらいから、画像じゃなくてテキストにしてみたら?というアドバイスをもらい、この部分を追記してみました。改めて読んでみると、営業マンなりに頑張っているんだなぁ~と、なんだか面白くなってきますね (笑)
「抜き行為」と断定できた理由
手紙を持って訪問してきたことが「抜き行為」と断定できた理由があるので説明します。専任媒介契約を結んでいることを「知らないフリ」してますけど、時系列を追ってみるとバレバレなんですよね。
営業マンが突撃訪問してきたこの現場は、大手仲介会社が半年ほど販売しても成約できず、ゆめ部長にお声がかかった案件です。
3月11日にレインズへ情報登録したところ、この営業マンの不動産会社が翌日の3月12日に自社Webページへ物件情報を登録していました。そして、この営業マンが訪問してきたのが3月13日。つまり、この会社は再販売になったことをレインズを通して3月12日には知っていたということになります。
「大手仲介会社で販売していた時に本当にお客さまがいたんです!」と言い逃れすることができるかもしれませんけど、タイミングを考えれば、これは間違いなく抜き行為で確定でしょう!
「お客さまがいるから紹介したい。」と書いてあるわけですから、ゆめ部長に内覧依頼の連絡をしてお客さまを案内すれば目的は達成できます。ゆめ部長はその不動産会社と違って「囲い込み」なんてしないので簡単なことです。
それにもかかわらず、名刺の写真では爽やかに笑っている彼からの連絡は1度もありませんでした。案内目的ではなく、媒介不動産の横取り(抜き行為)を目的にした行動であることは明らかですね。
ちょっと脱線しますけど…
「うまく取り入って売却を任せてもらっても、案内すらできなければ売主さまが怒るんじゃないの…?」と思った人もいるかもしれないので、解説を入れておきます。
この問題は簡単に解決できちゃいます。
自社で探し始めのお客さまがいれば、「予算オーバーの物件ですけど、今後のために中古物件がどんなものなのか見に行って勉強しておきせんか?」と誘えば「是非お願いします!」となります。ダミー案内なんていくらでもできるわけです。
この手口は、ゆめ部長が勤務していた大手でもやっていました。とりあえず内覧したい人なんていくらでもいますから注意してくださいね。
証拠まで残すあたりが残念…
この営業マン、手紙だけでなく会社の封筒と名刺まで置いていきました。ゆめ部長にとっては証拠も十分なので、怒ってクレームを入れたら言い逃れはできない状況です。文句を言われてもOKという社風なのか、あまり考えていない営業マンなのか…。どっちにしても困りますね。
大手勤務時の話ですけど、「抜きに行くときは証拠は残すなよ。」と先輩から教えられました。大手が法律違反を堂々とやるのはマズイから…という理由です。
ゆめ部長は「抜き行為」がキライでしたから、売主さまを直接訪問したことはありませんけど、他社で気合いが入っている若い女子が、マンションのエントランスで101号室から順番にインターホンを押して「マイホームを売却しませんか~」と営業しているのを見て驚いたことがあります。
特定の部屋をターゲットにしていないわけですから、言い逃れできると思ったのかもしれませんね。でも、これもOUTです。レインズを見れば販売中であることがわかるわけですから、その部屋には営業をかけたらいけないのです。(都庁も担当者によって言うことが異なっているので困っちゃいますけど、原則、ダメでしょう。)
結局、抜き行為にどう対処したの…?
訪問してきたのは1度だけでしたし、売主さまが呆れるだけで怒ってはいなかったので放置しておきました。もしかしたら、本当にお客さまがいて案内してくれるかもしれませんからね。クレームは入れていません。
もし、売主さまが怒っていたり、何度も訪問してくるようでしたらクレームを入れて即日対処しますが、ケンカをしてもいいことはありませんから…。2度目までは上席への連絡で収めたいところですね。
ちなみに、売主さまが抜き行為に乗った場合、売主さまもOUTになる可能性があります。専任媒介なのに他の不動産屋さんで売買契約をすれば約定報酬額に相当する金額を違約金として請求されますし、媒介期限前に一方的に契約を解約すれば、かかった経費を請求されたり、違約金を請求されて裁判で負ける可能性がありますから注意しましょう。
最後に…
抜き行為の被害にあったことは何度もあります。最初はムッとしますけど、1日経てば忘れて元通り。抜き行為に乗るようは人は所詮そういう人。そのまま続けていてもどこかでトラブルになる可能性が高い人ですから、悪い縁が切れて良かったくらいに思うことにしています。
皆さんも売却活動中に変な不動産屋さんが抜き行為で訪問してくるかもしれませんけど、あまり気にせずほっておけばいいと思いますよ。
イライラせず、ニコニコしながら良い縁と巡り合えるのを待ちましょう!
参考記事…
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■ 2019年10月01日 投稿
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