大幅値下げできたら現金一括で買ってあげる。価格交渉してみる!?【イヤだな…と思うお問い合わせ 3】
不動産取引の現場で「イヤだな…」と思ったお問い合わせをゆめ部長がぶった切るシリーズ【全10話】の【3話目】です!
ゆめ部長に「大幅値下げできたらこのマンションを現金一括で買ってあげる。値下交渉してみてもいいよ。」というお問い合わせがありました。大幅な価格交渉をしてほしいのに「仲介手数料を稼ぎたいんでしょ?この金額なら買ってあげるから、チャレンジしてみたら?」って…どこから目線なのでしょうか?今回は「現金一括購入だからって謎の上から目線の人」に物申します!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
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「とりあえず聞いてみて」…そんな価格交渉はお断り!
サラリーマン時代、こんな内容の問い合わせメールが届きました。
「現金一括でマンションを購入予定。現場の近くに住んでいて相場は大体わかっているんだけど、このマンション高いよね。いくらまで値引できるのか確認して電話ちょうだい。」
あぁ~~もう。こういうのキライ。
今なら絶対に返信しない。
スルーしてそのままゴミ箱行き確定!
でも、この時はサラリーマンでしたからね…。やる気は起こらないし、気持ちがこもらないけど、仕方なく電話をしてみました。
そしたら、絶句することを言うじゃないですか…
「希望としては10%の値引きなんだけど、どう?やってみたい?下がればすぐに現金一括で買うから価格交渉してみてもいいわよ。」
ハハハ…。この人、本気で言ってるんだなぁ。
なんだか、もう、言葉が出ないよ。
そんなことを思ってもサラリーマン。1度電話を切り、相場を調べてみました。
結論は「少し高いかな…」と思いましたけど、再開発が予定されているエリアのため、売主さまが強気になるのもうなづけるマンションでした。それにもかかわらず、10%の値引きを要求されてもムリに決まっています。時間がもったいないと感じ、すぐに電話をして丁重にお断りしました。
こういうタイプの人に良く言われるのが「とりあえず聞いてみてよ。」というフレーズ。確かに言うのはタダに思えるかもしれませんけど、不動産屋さん同士では評判が落ちていくので大ダメージをくらいます。「あの会社、毎回ビックリする指値してくるんだよ。関わりたくないよね。」こんなことを陰で言われて噂になってしまうんですよ…。
ハッキリいいます。
可能性が限りなくゼロに近い価格交渉はしません!
価格交渉したいなら不動産屋さんを味方に付けよう!
不動産を購入するために大幅値下げをして欲しいなら、上から目線で自分勝手な依頼をするのではなく、不動産屋さんを味方に付け、頑張ってもらえる方法を考えるべきです。
こういう問い合わせをする人は、ほぼ間違いなく、同時並行で複数の不動産屋さんに電話をしています。「たくさん電話すれば希望金額に下げてくれる人が見つかるはず!」そう期待しているのでしょうけど、こんなやり方は絶対にうまくいきません。
あなたが誰かがわからないし、
現場を見てもいないし、
本当に現金で購入できるのかもわからない。
この状況で、売主さまが「じゃあ、その金額でOK」なんて言うわけがないのです。満額じゃなくて大幅値下げですからね…逆の立場を少し考える想像力があれば、誰でも簡単にわかることですよね。
価格交渉を「お願い」するのではなく、
価格交渉をさせてあげると「許可」をする。
いったい誰があなたのために頑張るというのでしょうか…。不動産屋さんを味方にするどころではなく、確実に、嫌われていますよ!
現金一括購入だからって大幅値下げはできません!
「現金一括購入だから大幅な値下げができるはず。」という話。いままで何回聞いてきたことでしょうか…。
ズバッと切っておきますよ!
売主さまは、現金で買ってもらっても、住宅ローンで買ってもらっても、どっちでもいいから「高く買ってよ。」と思っています。住宅ローンの融資実行を待つだけで数百万円高く売れるなら、99.9%の売主さまは喜んで待ちますから、「現金一括だぞ!ありがたいだろ!!」という態度はやめておきましょう。
大幅値下げに応じてもらえるのは、即日現金化したい場合や、再建築不可物件・違法建築物件などで住宅ローンを利用できず販売が長期化している場合などでしょう。その場合は、ゆめ部長が感触を確かめて、大幅値引きがいけそうであれば伝えます。
ちなみに、ゆめ部長は現金一括購入で大幅値下げを勝ち取った経験がありますので、事例を紹介しておきます。
過去最高の値下げは、1億3,000万円の土地を▲2,700万円の1億300万円で契約した案件です。この案件は決まるまでに数か月かかり、不動産会社の担当者と打ち合わせを重ねる中で良い条件を引き出すことができました。電話一本で即・大幅値下げを勝ち取るなんてほぼ不可能なので諦めてください。
参考記事…
最後に…
不動産取引は人と人とのやり取りです。上から目線の電話1本で値下げを勝ち取って欲しいという考え方はやめてくださいね。
価格交渉を通すためにはコツがあり、しっかりとした準備が必要になります。それだけ準備をしたとしても、価格交渉が全く通らないことだってよくあるのです。だからこそ、不動産屋さんを味方に付けて、一緒に頑張る…そんな姿勢で挑んで欲しいと願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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