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2021年09月28日
不動産売買の知識

不動産買取業者への売却は相場より20%~30%安いという話はウソ!?

雑誌やWebページで「不動産買取業者への売却は相場よりも20%~30%安くなる。」という話を目にしますが、本当にそこまで安くなるものでしょうか…?

 

不動産取引の最前線で働いているゆめ部長の経験や現在の不動産取引の状況をお話しながら、不動産買取業者への売却をどのように検討すればよいか…?について仲介会社の立場から解説したいと思います。

 

不動産業界16年宅建マイスター2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

安く売らせて小遣い稼ぎ!?悪い不動産屋さんは実在する

まずは、衝撃的な裏話を暴露するところから始めましょうか…。

 

仲介会社が不動産買取業者へ仕入案件を紹介するとき、相場よりも安い金額で話をもっていくことができると「お小遣い」をもらえる可能性があります。この「お小遣い」は、1万円・5万円とかの少額ではなく、30万円・100万円になることもよくある…そう聞いたら驚きますか??

 

ゆめ部長はサラリーマン時代に仕入業務に携わったことがあるんですけど、大手仲介会社の担当者から最高で150万円も請求されたことがあります。他には「領収証は発行したくないから商品券で30万円ちょうだい」とか「会社にバレないように現金で利益の一部をバックして!」とかもありました。

 

物件紹介にはお小遣いの相談もセットだったわけです。

 

もっと驚く話をいれておきましょう。

 

ゆめ部長の先輩が「1件紹介して300万円も現金でもらっちゃったよー」なんて言っていた記憶があります。領収証なしで300万円…新人の頃に聞いた話で当時はよくわからなかったですけど、これ、脱税ですよね。

 

ここで記事のタイトルをもう1度見てください。

 

「不動産買取業者への売却は相場より20%~30%安いという話はウソ!?」

 

わかってきましたか…?

 

仲介会社はお小遣いをもらいたいので「安い金額でしか売却できない!」と主張して売主さまを説得している可能性が高いのです。

 

不動産買取業者さんへの売却は、メリット・デメリットがあります。このメリットに魅力を感じられる場合は前向きに検討してよいと思いますが、「相場よりも20%~30%安くなるのがあたり前」という営業トークにダマされないように注意してください。

 

ここで言っているのは、ムダに安い金額で売却させられないように注意してほしいということです。▲30%になるのが当然な不動産だってもちろんあります。また、「安く売らされた!」と主張する人が相場を掴めていなくて、実は、妥当な金額だった…なんてこともよくあります。

 

適正で妥当な価格で不動産を安心して売却するのは意外と難しいものです。だからこそ、信頼できる不動産屋さんを味方に付けなくちゃいけないわけですね。

 

参考記事…

不動産業者の買い取りなのに仲介手数料を支払うの?それ…無料にできますよ!

不動産買取業者を利用するメリット・デメリット

不動産買取業者さんへ売却することを検討する場合のメリット・デメリットをまとめてみます。

 

【メリット】

 

決断が速く現金化を急げる。

メンドウな責任が発生しない。 (契約不適合責任免責)

現況での引渡も相談できる。

住宅ローン特約による契約解除の心配がない。

周りの人に知られず内緒で売却できる。

大きな土地でも1度の契約で完了できる。

 

【デメリット】

 

相場よりも売却金額が安くなる。

確定測量・私道の通行掘削承諾取得などを依頼される場合がある。

建売会社売却の場合は建築許可が下りるまで入金されない場合がある。

 

不動産売却で優先させたいことを明確にできていれば、上記のメリット・デメリットを見ながら簡単に判断できると思います。

 

ゆめ部長が不動産買取業者さんの買取を提案する具体例…

 

具体例1…

 

離婚が決まり近所に内緒で売却を終わらせたいという相談があった場合。

 

具体例2…

 

経営している会社で急な資金が必要になったなどの理由で早期に現金化したいという相談があった場合。

 

具体例3…

 

実家を相続したけど、住んだことがないため建物の状態がわからない。契約不適合責任を負うのは不安だから免責で契約をしたい場合。

 

具体例4…

 

再建築不可・借地権などで売買契約までに相当の時間がかかることが想定されるため早期に決着をつけたいという相談を受けた場合。

 

具体例5…

 

ゴミ屋敷・事件事故物件で現況売却が困難な場合。

 

具体例6…

 

土地が広くて一括購入の需要がない場合。

 

「時間」「リスク」「めんどくさい」をお金で解決するようなイメージを持つとわかりやすいかな??と思います。

 

次に、不動産買取業者さんの裏側を見ていきましょう。

不動産買取業者の利益はどれくらい?

不動産買取業者さんは、リノベーション工事や再建築することで不動産の価値を高めます。知識・経験・アイディアにより、かけた費用以上の価値を生み出すことで利益をあげているのです。

 

また、売主さまの「時間」「リスク」「めんどくさい」を引き受ける分も会社の利益になります。このリスクを最小限にして利益を上げられるか…?ここがプロとしての力量が問われる部分です。

 

このようにして商品化された不動産は高く売れます。その理由を箇条書きでまとめますので確認してください。

 

不動産買取業者さんが再販売すると高く売れる理由…

 

工事を大量発注することで単価を抑えられる。

かけた費用以上の価値を生み出すノウハウがある。

住宅ローン控除額が最大200万円から400万円にあがる。

建物の契約不適合責任が3か月から2年に延びる

不動産仲介会社が強い営業をかける。

 

この記事では高く売れる理由の詳細な解説は省略します。

 

不動産屋さんは不動産を右から左にただ流しているわけではなく、プロとしての経験で不動産の価値を高めたり、問題を整理してキレイな状態に仕上げることも大事な仕事になっています。

 

そして、売主さまが負うリスク…たとえば、大地震が起こって不動産がしばらく売れなくなるリスクなども肩代わりすることになりますので、場合によっては大きな赤字になることもあります。

 

そのため、ある程度の利益を見込めなければ、不動産を買い取ることはできないのです。では、実際にどれくらいの利益を見込んで事業化するのでしょうか…?裏側をのぞいてみましょう。

 

会社によって狙う利益は異なります。最近は競争が激しいため、販売価格の10%前後という会社が多いように感じますが、15%以上や20%以上という強気の会社もあります。5,000万円で販売する不動産であれば、一般的に狙う利益は400万円~750万円くらいだと思われます。

 

「そんなに儲かるの!?」なんて思いましたか…?

 

たしかに、1つの取引で数千万円~数億円儲かる案件もありますが、同じ額だけ赤字になる可能性もあるのです。不動産は本当に恐ろしいもので、リーマンショック・東日本大震災などであっという間に倒産した会社はたくさんあるのですよ。こんなリスクがあるわけですから、これくらいの利益はあって当然だと思います。

 

しかし、今は売り手が強い時期です。不動産業者同士の競争も激化していますから、上記のような利益率を求めていない・求めようがない状況になっている可能性があるかもしれませんね。

不動産買取業者の競争激化!薄利多売戦略の会社が増えて利益率は下がっている!

少し前(2017年)の話ですが…「マンションのリノベ再販事業がすごく儲かっているらしいよ!」という噂を聞くようになった頃、あっという間に複数の会社が事業に乗り出してきました。その結果、利益が100万円でも事業化にチャレンジしている…なんて話を聞いたことがあります。そんなバカな…と思いましたが、リノベ再販物件は価格交渉が通りづらい傾向にありますので、本当に薄利で頑張っているのかもしれませんね。

 

さすがに、100万円の利益しか目標にしていない会社はほとんどないと思いますが、ゆめ部長の経験では、築15年を過ぎたマンションでビックリ価格での買取提案を受けて成約になったことがあるので、利益率5%強くらいの薄利でも買取することがあるのではないか…と考えています。

 

ちなみに、築15年を過ぎてくると、現況取引では成約金額が落ちてくる頃です。設備が古くて故障も目立ちますし、室内のキズ・汚れも気になりますよね。それに対してリノベーション済みのお部屋は少し割高でも光って見えるため、あっさり売れてしまうことが多いものなのです。

 

なお、この記事をリライトしている2021年(令和3年)時点でも買取競争は激しく、レインズに掲載して販売している価格のままで買取業者が購入してくれた…なんて事例も聞いたりしています。

 

次は、土地の話になります。

 

大きな土地は個人で購入する需要が少ないですし、小さく分割して自分で売却するためには宅建業の免許が必要になる可能性があります。そのため、不動産買取業者さんへの売却を検討することになります。

 

土地は買い取り金額に大きな差が出やすいです。例えば土地の真ん中に新しい道路をいれて5棟現場にする業者さんと、新しい道路はいれないで6棟現場にする業者さんでは、後者の方が利益がだいぶ大きくなるため、買取金額を上げることができるのです。

 

1棟多くするために分割方法を検討する経験・企画力だけでなく行政との調整能力も必要になる場合があります。このように、少しでも利益を上げられるように工夫をする会社だと高値買い取りの金額を提示してくれやすくなります。まずは土地の仕入競争に勝たなければいけないので、工夫した分を買い取り金額に上乗せして提示していることが多いそうです。

 

参考記事…

複数の不動産を反復継続して売買すると宅建業免許が必要!何回で免許が必要になるのか…都庁で聞いてみた!

参考にゆめ部長の経験を紹介します!

ゆめ部長が不動産会社に買い取ってもらった案件は参考になると思います。2つの案件を紹介しましょう!

【1】2000万円後半のチャレンジ価格で販売していたマンション

築30年過ぎているマンションで室内は荒れ放題でした。

 

ゆめ部長の査定金額は2,000万円台の半ばでしたが、高めの金額で販売してみたいとのことで2,000万円台後半から販売を開始しました。高すぎてやっぱり内覧は少なく、せっかく見に来てくれたお客さまからは「室内が汚くて…」という感想でした。

 

値下げしないと絶対に売れないな…と思っていたところ、不動産買取業者さんから「2000万円台半ばで購入を検討したい」という驚きの提案をもらいました!

 

「販売が好調過ぎて在庫がなくて困ってます。」と言っていましたが、リノベーションした後の販売価格は、駅に近くて、築年数が新しいマンションと同じくらいになりそうだったので「本当に買ってくれるの…?」と、正直、半信半疑だった記憶があります。

 

結局、他の部屋の取引事例から算出した最初の査定金額とほぼ同じ金額で無事に契約!もし、相場の▲20%~▲30%でしか買い取りできないなら、1,750万円~2,000万円です。この案件は▲5%未満で成約できましたから、わからないものですね。

 

【 注意! 】

現在は、荒れ放題の状態では売却依頼を受けていません!

【2】5,000万円台の後半で販売していた一戸建て

中野区にある中古一戸建てのお話です。

 

物件情報をうまく拡散させることができて現地内覧が20件以上!しかし、3か月以上売れる気配もなく時が過ぎていきました…。残念ながら、市場からは「金額が高い」と評価されてしまったようです。

 

このような状態にもかかわらず、不動産買取業者さんから「300万円下がれば買い取りしたいです!!」との相談が届きました!!

 

買い替え先を本格的に探すために、そろそろ200万円値下げしようかな…と考えていた売主さまからすると、すごくありがたい提案だったようです。

 

個人の買主さまを探し続けた場合…

 

値下後に更なる価格交渉される可能性がある

住宅ローン特約による解除リスクがある

3か月の保証を付けなければいけない

 

買取業者さんとの契約では、これが全て解消されるわけですから、300万円の価格交渉で住むのであればかなり良いお話ですよね。

 

この物件には「5,000万円前半まで下げられないですか?」との相談は複数あったので、このあたりが相場だったのだと思います。▲20%~▲30%では、4,000万円前後になってしまいますから、この記事タイトルのウワサ通りに売却したら…恐ろしいくらいの大損でした。

 

というわけで、結論!!

 

「不動産買取業者への売却は相場より20%~30%安くなる」という噂は間違っている可能性が高い。必ずしも20%~30%安くなるわけではない!

 

2021年9月28日追記【重要】

20%~30%安くなる場合がない!とは書いていません。たとえば、1,000㎡の土地に200㎡の道路を新設して100㎡×8区画にして分譲する場合、買取業者さんが販売できるのは800㎡分しかありませんので、近隣の1坪あたりの単価(1区画100㎡くらい)と比べれば、買取価格が20%~30%安くなるのは当然です。この記事で伝えたかったのは、絶対に20%~30%安くなるわけではないから、信頼できる不動産屋さんを見つけて相談してほしい!ということでした。(追記・終)

最後に…

ゆめ部長は高値成約を目指していきたいので、業者買取を積極的にお勧めしてはいません。それでも業者買取のメリットが魅力的であれば、複数の不動産買取業者さんへ物件情報を流すことで高値成約を狙っていきます。

 

また、業者買取の場合はゆめ部長の仕事が楽になりますし、業者さんから仲介手数料をもらえますので、売主さまからの仲介手数料は無料で構いません。

 

高値で買える会社を見つけたうえで仲介手数料無料。

 

これなら納得できますよね??

 

いろんな選択肢を提案するためには、売主さまへのヒアリングがとっても大事になります。売却を検討中でしたら、一度どこかでお会いしてお話を聞かせてください。お問い合わせを心よりお待ちしております!!

 

ちょっと追記しておきます。

 

ゆめ部長は「不動産買取業者」ではありません。売主さま・買主さまを結ぶ「仲介会社」になります。「ブログ記事を読んだんですけど、ゆめ部長は相場で買い取ってくれるんですよね?」というお問い合わせがありましたので補足しました。(追記・終)

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

参考記事…

不動産業者の買い取りなのに仲介手数料を支払うの?それ…無料にできますよ!

 

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2019年09月09日 更新

2021年09月28日 更新

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この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋16年、仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも…楽しく仕事をしている不動産業界には薄暗いイメージがあり、このままではダメだと思っています。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人たちが楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。会社が幸せの発信基地になり、小さなHAPPYが拡がって欲しいと心から願っています。できることを1つずつ。コツコツ「幸せの種」をまいていきたいですね。
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