不動産売却で価格交渉を受ける?断る?宅建マイスターが現場の経験から解説!
マイホームを売却するとき「きっと、価格交渉されるよな…」というその予感は、残念ながら高確率で当たります。購入申込をもらった喜びと同時に、価格交渉はどこまで受けたらいいのか、断ってもいいのか、断ったらチャンスを逃してしまわないか…こんな悩みを抱える売主さまがたくさんいます。
そこで、数多くの高値成約を実現してきた「宅建マイスターのゆめ部長」が、悩める売主さまへのアドバイスを記事にまとめてみますので、少しでも参考になれば嬉しいです!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
不動産売却での価格交渉は90%以上の確率であると覚悟しよう!
ゆめ部長の経験では、90%以上の確率で、購入申込と同時に価格交渉がきます。
■ ダメもとでチャレンジしてくる人
■ 現金購入で少し予算オーバーの人
■ 気に入っているけど住宅ローンが組めない人
■ とにかくケチな人
■ 悪いところを指摘して安く買い叩こうとする人
などなど…いろんなお客さまがいます。
売主さまは、価格交渉があると機嫌を悪くしてしまうかもしれませんけど、もし、自分が購入する立場だったらどうでしょうか…?
100万円未満の端数部分…たとえば、80万円でも値下がりしたらすごく嬉しくないですか?そのお金で新しい家具や家電を購入できると思ったら、一気に購入意欲が増してくるような気がしませんか?
相手の立場を考え、価格交渉が来る前提で戦略を立てる。
これが大事なことですよ!
不動産は価格交渉するのがあたり前!?
不動産購入では価格交渉するのがあたり前だと考えていて、「とりあえず、価格交渉をやれるだけやってみて欲しい。」と主張する人が圧倒的多数だということを知っておいてください。そして、困ったことに、価格交渉を「気軽に」する人が多くなった印象があります。
購入サポートの現場を少し見てみましょう。
メールでよくある問い合わせ…
「価格はいくらまで下がりますか?」
これに対して、
「価格交渉できるかどうかは、売主さま側の担当者に電話で聞いてわかるものではなく、こちらの熱意を伝えて初めて売主さまの本音がわかるものですよ。」
という回答をすると…
ほとんどの人がメールを返信すらしてきません。
「300万円下がりますよ!」なんてバカげた話を聞きたいのでしょうね。現地を見てもいないのに…困ったものです。
あとで説明しますけど、売主さまは、お得に購入することにしか興味がない「セコイ人」は相手にせず「価格交渉は一切お断り!」という姿勢を貫くのも1つの戦法です!
価格交渉は100万円未満の端数・100万円+端数くらいの金額が多い!
販売価格4,980万円の不動産売却で考えてみましょう。
1番多いのは…
「4,900万円」とか「4,800万円」でしょう。
「端数部分は値下げできるもの」と認識している不動産屋さんが多い印象です。まぁ、不動産の価格設定は「4,900万円」とか「5,000万円」よりも、「4,980万円」のように端数で「80万円」をつけることがよくあるので、そう思われても仕方ないかもしれませんね。でも、「80万円」には特に根拠はないんですよ。実は。
2番目は…
「4,950万円」とか「4,930万円」だと思います。
気持ちだけ…お願いします!という感じですね。あるいは、中古物件で不具合があり、その補修費用ということで値下げ交渉されることもあります。
3番目は…
「4,700万円」とか「それ以下」
やれるだけやってみる。という価格交渉です。他の記事でも書きましたけど、「交渉するだけならタダでしょ?」というお客さまの主張は間違っています。なぜなら、不動産屋さんはムリな交渉を続けるたびに業界での信用を失っていくのですから。
500万円以上の交渉もある…
500万円の価格交渉でも、販売価格が1億円なら「まぁ…それもアリかな。」と思いますけど、5,000万円前後の不動産だと「ちょっと待ってよ…」と言いたくなりますよね。
強すぎる交渉は即お断りでOKですけど、念のため条件は聞いてみましょう。
残置物・契約不適合責任・契約解除条件・手付金額・住宅ローン審査の進捗状況・引渡日などに関しては、売主さまの希望条件を全て受け入れてくれるというなら、一考の余地があるかもしれません。
特にチャレンジ価格で販売しているときは冷静に考えてみてください。
最初から価格交渉分を上乗せして販売スタートするのもOK!
ゆめ部長は「売りたい金額・査定金額」に価格交渉分を吸収する程度の金額を上乗せして販売スタートすることを提案しています。もちろん、相場と比べて高くなりすぎないように注意が必要ですよ。
具体的には、査定金額に100万円~200万円弱の金額を上乗せするイメージです。高く売れたらラッキーですし、交渉が来たら、上乗せした金額の範囲で交渉を受けるわけですね。
ただし、スーモ・ホームズ・アットホーム等は500万円単位で条件を絞り込めますから、たとえば、5,000万円前後が相場の物件であれば、5,480万円が販売スタートの上限として考えてもらえると、検索にヒットして内覧数を増やすことができます。この点も考慮してみましょう。
なお、ゆめ部長は最初から「相場+α」での成約を目指していますから、提案価格は「相場+α+価格交渉吸収分」となります。
無策で適当に高値を狙うのではなく、不動産の魅力を引き出し、価値を高めて販売するからこそ実現できることです。決して魔法使いではないですし、高値売却保証付きではありませんので勘違いはしないでくださいね!
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価格交渉を受ける代わりに交換条件をだすのもOK
不動産は高額な商品ですから、いつの間にか感覚がマヒしてしまいますけど、「100万円未満の端数」といっても数十万にもなります。そんため、交渉金額に応じて他の条件を提示するのだっておかしい話ではありません。
たとえば…
交渉金額が低いなら、引渡日を1ヶ月以内にして欲しいとか、手付金を10%にしてもらうとか、お話するのも良いと思います。交渉金額が大きいなら、3ヶ月の瑕疵担保責任や1週間の設備保証などを無にしてしまうのも良いでしょう。
この場合、売買契約書に「売主が価格交渉を受けて金額を〇〇万円から〇〇万円に値下げして契約をするため、〇〇の保証は付けないものとします。」などの文言を入れておいた方が安心ですよ。
強気で断ったり、粘ってキャッチボールするのもOK
1年3ヶ月も高値で販売を継続し、価格交渉を断り続け、最終的に38万円の交渉だけで成約を勝ち取った売主さまもいました。
最初の価格交渉は200万円弱の金額で即NGの回答をしました。その後、80万円ならどうでしょうか…?という再交渉にもNGを出し、次に50万円は…という再々交渉に対して38万円が限界だと回答し、最後に買主さまが折れました。
1度の価格交渉で決めなければいけないというルールはありませんから、上記のように、何度かキャッチボールをしてみることも戦略として検討しましょう。なお、この事例のように、1年以上も売れなかったにもかかわらず厳しいキャッチボールをしてしまうと、不動産屋さんには嫌がられますから、状況に応じて…ですよ。)
ちなみに…「価格交渉は一切受けません!」と言い切っておくことで、すんなり満額で成約することもあります。不動産取引って不思議なものですね。
「値下げしたんだから、それくらいガマンしてよ!」は通じません!
よくあるトラブルに、売買契約時には判明していなかったことが発覚し、買主さまが怒り出すということがあります。
たとえば、洗濯機を動かしたら巾木が腐っていたり、家具を動かしたら壁に大きな穴があいていたり、空きがあると思っていたバイク置場が埋まっていたり…。
このような時、売主さまは「こっちは価格交渉を受けたんだから、それくらいで文句言わずにガマンしたらどうなんだ!」と言います。
それに対して買主さまは「このことが判明していたらもっと価格交渉をしていたよ!後で不利な話が出てくるのはフェアじゃない!」と言います。
この争いは、残念ながら売主さまが負ける可能性が高いでしょう。価格交渉を受けて契約したら、売主さまは「譲ってあげた」と思ってしまいますけど、買主さまはそんな恩を感じていないですし、「大きな穴があいていないマイホームを購入したつもりだ!」という主張はもっともだと思います。
価格交渉の話は売買契約で終わり。売買契約後~引渡までの話はまた別であることを理解しておいてくださいね。
最後に…
価格交渉は必ずあるものだという前提で、販売価格を設定してみてください。そして、価格交渉が来たときは、いくらまでなら受けるのかを考えておき、1度断ったり、何度かキャッチボールをしたり、交換条件を出すことで調整したり…といろんな選択肢があるので、要望を不動産屋さんに遠慮なく伝えましょう。
交換条件を出すためには、日程・保証・残置物・引渡条件などの希望を事前に確定させておかなければいけません。不動産屋さんとしっかり相談しておくことを強くオススメします。
不動産取引がどのように行われているか…この記事の内容を知っておけば、高値成約を目指す作戦を立てやすいですね。良い条件で売れるように、頑張ってください!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
参考記事…
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■ 2020年01月10日 更新
■ 2023年08月23日 更新
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