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2019年09月12日
不動産売買の知識

虚偽記載は損害賠償!?「物件状況報告書」を宅建マイスターが解説します!

「物件状況報告書」は買主さまが購入する際に知っておきたい情報が満載です。販売開始前に売主さまがこの書類と向き合い、しっかり記入することで、商品の不動産にどのような問題があるのかを把握することができます。また、事前に物件資料をチェックすることで、高値成約できる可能性が上がると言えます。

 

売主さまにとっても、買主さまにとっても、重要な書類になる「物件状況報告書」を宅建マイスターが丁寧に解説します。

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

「物件状況報告書」とは…?

「物件状況報告書」は、売買対象の不動産について、売主さまが知っている内容を買主さまへ伝えるための書類になります。

 

物理的な不具合があればその状態を説明し、補修して引き渡すのであればその内容を記載します。もし、記載していない事項について不具合が判明した場合には、売主さまは買主さまに対して責任を負わなければいけません。(瑕疵担保責任免責でも隠していたことに関しては責任が生じます!)

 

しかし、予め伝えていた不具合に関しては「納得・了承して売買契約を締結した」と言えますから責任は生じません。

 

なお、物理的な問題だけでなく、事件・事故などの心理的な問題や周辺環境に関する問題なども対象となりますので注意してくださいね。

 

ゆめ部長がいつも使っている物件状況報告書の「記入上の注意」を引用しておきます。ちょっと長いので、興味があれば…どうぞ。興味がなければ、紫の文字は飛ばして次にいってください!

 

公益社団法人全日本不動産協会の売買契約書では、売主様は、買主様に、売買物件について、売主様が知っている事柄を本書「物件状況報告書(告知書)」に記入して説明いただくことになっています。

売主様には、本書を媒介契約締結後、速やかにご記入下さるようお願いいたします。また、本書の記載内容については、買主様だけではなく、購入検討のお客様に参考情報としてご提供させていただきますので、あらかじめご承知おき下さい。

本書は重要な書類ですので、下記内容を十分にご理解の上、記入漏れのないよう正確にご記入ください。

不動産売買契約では、売買物件の状況等が売買契約締結時にどのような状態であるのか、またはどのような状態で買主様に引渡すかを明確にしておく必要があります。特に中古物件の場合は、経年変化等により物件に損耗が生じていることが一般的ですので、その状態を買主様に説明し、買主様はそれを了解して取引するというのが通常の扱いになっています。

売買物件に瑕疵(欠陥や不具合のことをいいます。)があれば、本書にて買主様にあらかじめ説明することが必要です。万一、売主様が知っていたにもかかわらず買主様に知らせなかった瑕疵については、不動産売買契約書の定めにかかわらず、売主様は買主様に対し損害賠償義務等が発生し、トラブルになる場合があります(たとえ瑕疵担保責任を負わない旨の取り決めがあっても同様です)。

一方、売主様は、買主様が売買契約締結時に瑕疵の存在を知っていたときは責任を負う必要はありませんので、売主様が知っている瑕疵はできるだけ正確に買主様に伝えておくことが、売主様にとって重要なことになります。

瑕疵には、物件に関する物理的瑕疵だけでなく、心理的瑕疵(事件・事故・自殺等)もあります。また、物件に何らかの影響を及ぼすおそれのある建築計画や、騒音・振動・臭気等の発生、暴力団事務所等が物件の近隣周辺にあるか否かも購入の際の判断基準となることがあります。
これらの「重要な事実」についても、トラブル防止や売主様の説明義務違反に問われないようにするため、売主様が知っている事実は本書にて説明することが必要です。

物件状況報告書の記載事項

物件状況報告書は「マンション」と「土地」「戸建」で記載事項が変わります。マンションであれば、管理費・修繕積立金・大規模修繕の予定などを記載しなければいけませんし、土地戸建であれば、越境・境界・ライフラインの配管状況・地盤・敷地内残存物などを記載しなければいけません。

 

マンションの大項目は…

 

売買物件の状況 

管理費・修繕積立金等の変更予定および大規模修繕の予定等

売買物件に関する資料等

 

土地戸建の大項目は…

 

売買物件の状況 

売買物件に関する資料等

 

記載事項の詳細は下記の画像を見てください。なお、マンション用と土地戸建用の2種類があります。

【1】マンションの物件状況報告書

【2】土地戸建の物件状況報告書

物件状況報告書はいつ記入するべき?

「物件状況報告書」は「付帯設備表」と一緒に販売開始前に記入することを強くオススメしています。

 

売買契約の場で記入を求める不動産屋さんがとても多いのですが、その場ではわからないこともあるから絶対にダメです!ゆめ部長はこんな対応をしている不動産屋さんに反省して欲しいと願っています。

 

どうしても不動産業界への不満が混じっちゃいますね~(苦笑)

 

実際に記入すると、おそらく…わかりづらくて困惑すると思います。

 

後回しにしたくなる気持ちは理解できますけど、トラブルの温床ですから、不動産屋さんに協力してもらいながら早めに記入してください。

 

それともう1つ。高額な商品を売却する売主さまの責任として、記載されている内容を予め調べ切っておくのはあたり前のことだと考えましょう。この過程を通して商品を磨いていくことをイメージすれば、やる気がみなぎります!

 

アドバイスを1つ。

 

担当者さんから「自分で書いておいてくださいね~」なんて言われたら、その不動産屋さんは断ってしまった方がいいかもしれません。やる気が感じられませんし、プロの仕事ではありません。仕事ができるかどうかの目安にもなりそうです。

物件状況報告書は誰が記入するの?

ゆめ部長が加入している(公社)全日本不動産協会の売買契約書第10条「物件状況報告書」には次のように記載されています。

 
売主は、買主に対し、本物件について、本契約締結時における状況を別紙「物件状況報告書(告知書)」に記載して説明します。

 

つまり、物件状況報告書の記載事項については、売主さまが買主さまへ説明する義務があることになります。

 

また、国土交通省が定めた包括的なガイドライン「宅建業法の解釈・運用の考え方」を見てみますと…

 

協力が得られるときは、売主等に告知書(物件状況報告書)を提出してもらい、これを買主等に交付することにより将来の紛争の防止に役立てることが望ましい。

 

とあります。「物件状況報告書を提出するのは売主さま」と記載されていますから、記入するのは売主さまの責任ということです。

 

なお、都庁に確認しましたら…「付帯設備表」や「物件状況報告書」の作成は「仲介業務」ではないとのことでした。売主さまから書類作成を依頼されることがありますけど、「仲介会社であるゆめ部長が責任を負って作成する書類ではない。」ということを知っておいてくださいね。

 

とはいえ…売主さまだけで記入するのはけっこう大変です。

 

物件資料・マンションの管理・境界に関することなどは、売主さまでも把握していないことが多いわけですから、不動産屋さんがサポートするべきだと考えています。

 

そこでゆめ部長は、お客さまが記入した書類を見ながら、不足部分を売主さまにヒアリングして加筆・修正していきます。その情報をエクセルに打ち込み、契約時に綺麗な状態で持参すれば記入ミスなどは防げますよね。

 

大手仲介会社との売買契約では「売主さまが直筆しないとダメ!」と言われることもありますけど、この対応はいかがなものか…と思います。書き方がわかりづらい書類ですから、誤記入や記入漏れなどでトラブルにならないことを重視した対応を心がけたいものです。

物理的瑕疵(かし)だけでなく心理的瑕疵も記載する

建物の物理的瑕疵(かし)というのは、建物の故障不具合などのことです。雨漏り・シロアリ・給排水管の故障・腐食など、建物に発生している問題を買主さまへ伝えます。

 

瑕疵は物理的瑕疵だけではなく、心理的瑕疵も報告しなければいけません。心理的瑕疵というのは、事件・事故・自殺などのことです。

 

心理的瑕疵をどこまで報告するかは難しい判断ですが、知っている内容であれば、すべて書くべきだとゆめ部長は考えています。人によっては霊感が強く「目に見えないものが私には見える!」と主張してくるからです。

 

下記のような状況であれば、物件状況報告書への記載をお願いしています。

 

例1…

ご主人がお風呂で倒れ、救急車で運ばれた先の病院で亡くなられた。

 

例2…

近隣や同じマンション内で起こった重大事件・重大事故・自殺。飛び降り自殺は意見が分かれるところですが、知っていることは全て告げるべきです。亡くなった場所の特定ができない場合もありますけど、低層階の場合は気にする人の方が多いと言えます。

 

例3…

お年寄りが孤独死され、数か月後に遺体で発見された。既に建物が解体されていたとしても報告するべきです。

 

心理的瑕疵があっても、その後に何人か人が入れ替われば告知しなくてOKと考えている営業マンがいますけど、周知の事実であり、有名な話で風化していなければ告知するべきです。

 

近所でヒアリング調査しても何もわからなかったけど、情報通のおばちゃまだけは知っていた…という場合は調査しきれませんから、このような場合は、事件・事故・トラブルなどは「特になし。」という記載で良いでしょう。

環境に影響を及ぼす事項は必ず説明する

「近隣でタワーマンションが建築されるらしい…。」

「ゴミ焼却場が移ってくるらしいよ…。」

「道路が拡幅されて交通量が増えるらしいよ…」

 

こういう話は、居住者であれば噂を耳にすることがあるはずです。

 

たまたま噂を聞いただけだから…という言い訳は通用しません。皆さまが聞いたということは、周知の事実になっている可能性があります。買主さまが引っ越しをした後に「こんな有名な話を知らなかったんですか?」なんて言われたら、トラブルに発展しそうですよね?

 

こういう視点で記載するべきかを判断するとわかりやすいでしょう。

騒音・振動・臭気は人によって感じ方が違うからできるだけ記入する!

車・電車・船・飛行機・学校・公園・河川・海・宗教施設・工場・商業施設など、生活していると、いつの間にか気にならなくなっていることでも、新しく生活を始めた時は、騒音・振動・臭気が気になることはあり得ます。

 

現場を見たらわかるでしょ?と言わず、メンドウでも報告しましょう。このような姿勢は、買主さまの印象アップにもつながりますよ!

マンションなら管理費・修繕積立金に関して内容を把握しておく

マンションの修繕積立金は年々高くなっていくものです。数年後に予定されている大規模修繕では積立金が足らず、管理組合が数千万円のお金を借り入れる予定があったり、一時金で数十万円~100万円程度の支出を求められている場合があります。

 

また、修繕計画を修正するために、数年おきに積立金額をアップすることもあります。マンションによっては、数年以内に2倍・3倍になることもありますから、報告しなければトラブルになるのは当然ですよね。

住宅診断・耐震診断・リフォーム履歴はアピールポイントになる

建物の状況を買主さまはとても気にしています。そのため、建物のメンテナンス履歴・リフォーム履歴があるのは大きなプラスポイントになります。また、住宅診断(建物の状況調査・インスペクションとも言います)や耐震診断をしていれば、その事実をしっかりアピールしましょう。

 

せっかく調査しているのに、何もアピールしていない不動産屋さんが多くいますけど、非常にもったいないと思います。高値成約を目指したいなら、積極的な情報開示をして、買主さまを安心させるようにしてください。

 

なお、旧耐震基準のマンションで耐震診断をした結果、耐震補強工事が必要だと判明した場合、その補修費用や補修工事の予定なども重要事項です。もし、補修が高額過ぎて管理組合が諦めているなら、必ず不動産屋さんへ相談しておいてください。

 

耐震性の不安だけでなく、住宅ローンが組めないかも…という問題も生じます。

虚偽報告・重要事項の不告知は損害賠償請求の対象になる可能性がある

売主さまの心理として「バレなさそうなら言いたくない。」と考えるのは、わからなくはありませんが、絶対にやったらいけません。虚偽報告・重要事項の不告知は損害賠償請求の対象になる可能性があり、後々にトラブルになると大変です!

 

タワーマンションであったゆめ部長の経験をお話します。

 

タワーマンションなどの高層マンションでは、第三者が侵入して高層階から飛び降り自殺するという事故は意外と多くあります。不謹慎なことを言ってしまい申し訳ないですけど、エントランスで亡くなった場合はキツイですよね。

 

このような事故が発生すると、オートロックを過信せず、第三者が入ってこないように注意喚起する書類が配布されることがあります。また、掲示板に張り出されたり、総会議事録に加筆されている場合もあります。

 

このような場合、売主さまがこの事件を本当に知らなくて「事件・事故は特になし。」と記載してしまったとしても「本当は知っていたんじゃないの…?」と疑われ、知らなかったことに責任あり!と判断される可能性があると言えます。

 

掲示板・配布物・総会議事録・臨時総会資料などは必ず目を通しておき、買主さまが気になりそうなことは、必ず物件状況報告書へ記載しておきましょう。

 

なお、しっかり物件状況報告書へ記載をして説明してあれば、売主さまは責任追及されずに済みます。自分を守るためにも頑張ってくださいね。

購入時の資料は全て揃えてから記入する

新築時に購入したのであれば、分譲時パンフレット・図面集・設計図書などを全て不動産屋さんに見せてください。

 

ゆめ部長は、これらの資料を全てお預かりし、いつでもお客さまに提供できるようにPDF化しています。「鉄は熱いうちに打て!」です。興味を持ってくれたお客さまにアピールできる書類は完璧に揃えておくのがあたり前だと考えています!

 

マンションであれば、管理規約・長期修繕計画・総会議事録直近3年分も集めましょう。集めた資料を確認しながら、物件状況報告書に詳細を書き込みます。

 

土地戸建なら、隣地や私道所有者と取り交わした覚書などがある場合もあります。また、ゴミ置場・町内会などもしっかり確認して書き込んでおくと、買主さまの安心感を得ることができますよ。

建設住宅性能評価書は大事!

建設住宅性能評価書というのは、建物の通信簿のようなものです。耐震等級が1・2・3など、項目ごとに等級を数字化して評価しています。

 

この書類があることで、税金の軽減を受けられたり、地震保険料の割引を受けられたりします。そのため、住宅性能評価制度を利用しているのであれば、アピールポイントになりますから、必ず準備するようにしましょう。

 

なお、紛失している場合は発行元に連絡することで再発行してもらえる場合があります。数万円の出費になりますけど、不動産は簡単に100万円単位で成約価格に差が出ますからお金をケチったらいけません!

最後に…

物件状況報告書の記入をきっかけにして、物件の魅力・アピールポイント・問題点を把握しておくと良いでしょう。魅力・アピールポイントは不動産屋さんにうまく使ってもらい、問題点は早めに解決方法を探すようにしてください。

 

問題点があったとしても、事前に解決策を提示できれば、買主さまの気持ちを下げずに済むものです。マイナスになるどころか「信用できる売主さんだな…」と思ってもらえるような準備が良縁を導くものだと思います。

 

ぜひ前向きな気持ちで頑張ってくださいね!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考記事…

トラブルの発生源「付帯設備表」を宅建マイスターが解説します!

 

2019年8月17日追記…

「手数料0円売却」・「セラーズエージェント」は準備中なので「仲介手数料半額の不動産売却」をご検討ください。現在は「購入」サポートもお休みしています。

 

事情を説明した記事はコチラ…

【超・重要なお知らせ】「セラーズエージェント」「手数料0円売却」をしばらくお休みにします。

この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年…仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも、不動産業界にはなんか暗いイメージがあります。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人財が楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。「全員がHAPPY」なんてムリだけど、ゆめ部長と係わってくださったお客さまにはHAPPYになってほしい。できることを1つずつコツコツ積み重ね「幸せの種」をまいています♪

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