営業エリア外の不動産売却を仲介するのが難しい理由
ゆめ部長がいつもお仕事しているのは「東京23区+周辺エリア」ですが、お客様の紹介などで「ご縁」がある場合は、エリア外であってもお手伝いすることがあります。
東京都西部・埼玉県・千葉県・神奈川県などの売買経験から感じたのは、得意エリアを外れて契約するのは本当に大変なことであり、場合によっては、ゆめ部長がお手伝いすることで売りづらくなっている可能性もあったのではないか…ということです。
この記事では、地元密着の会社に勤務していたときではわからなかった、遠方不動産売却の難しさをまとめてみます。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
ゆめ部長がエリア外の不動産売買をサポートする理由
エリア外の不動産売買をお手伝いしているのは、お客さまからの紹介であることも理由の1つですけど、もう1つ、個人的に重要だと考えている理由があります。
それは…
得意エリア外で進行する不動産に関する問題について、ネットや本で学ぶだけではなく、実際に肌で感じるようにしたいからです。
■ 空き家がどれくらい増えているのか…
■ 過疎化が進むエリアでの行政サービスの限界…
■ 地方都市の地価下落の状況…
などなど、自分の目で見てみると問題の深刻さが窺えますからね。
ちなみに、ゆめ部長がお手伝いをしたことがあるのは…
東京都の西部
八王子市(3件)
埼玉県
川口市(2件)・川越市・入間市
狭山市・鶴ヶ島市
千葉県
習志野市・白井市
神奈川県
横浜市青葉区・横浜市磯子区・横浜市中区
川崎市高津区
などがあります。
こんな経験があり、誠実な販売方法を採用しているからこそ、遠方不動産を売却することの難しさを語れるのだと思います。「お手伝いしない方が良かったのかも…」そんな本音も包み隠さずお話しますね。
価格が安くて利益があがらないから「両手仲介」を狙って当然だった!
「入間市」・「狭山市」・「鶴ヶ島市」の物件を成約させたときに感じた「地方都市ならではの事情」を紹介します。
まず、それぞれの物件の特徴をみておきましょう。
「入間市」はバスで20分・バス停から徒歩で5分の場所にあり、価格は800万円くらいの中古戸建。
「狭山市」は中古戸建で販売開始したものの、大雨が降った2日後に激しく雨漏りしていることが判明したので、解体して1,500万円弱の価格設定で土地売り。
「鶴ヶ島市」は駅から徒歩25分の距離にある「古い大型分譲地内」にある築30年くらいの中古戸建で1,500万円弱。
どれもゆめ部長のメインエリアから比較すると金額はお安めでした。
物件価格が安い
↓
仲介手数料が安い
↓
売主さまからの仲介手数料は半額で両手仲介はしない
↓
ゆめ部長は儲からない…
それでもゆめ部長は頑張りました!
雨の日が続いて写真をしばらく撮れない現場もありましたけど、妥協せず、天気の良い日を選んでキレイな写真を撮影しました。いつも通り、その写真を使い、写真がメインの販売図面を丁寧に作成し、不動産会社専用の物件検索サイト「レインズ」に情報を登録しました。
しかし…不動産屋さんからはいつものような反応がありません。
キレイな写真を撮影して情報を拡散すれば、不動産屋さんからたくさんのお問い合わせがあるのですけど、残念ながら、この3つの現場はどこも電話がほとんどありません…。どうやら、地元の不動産屋さんは、お客さまへの物件紹介を積極的には行っていないようでした。
結果、どうなったかと言いますと…
入間市は建売用地として大手デベロッパーが購入。狭山市はハウスメーカーが自社で建築を希望するお客様を紹介してくれて契約。鶴ヶ島市はリノベーションの依頼をもらうことが目的の地元工務店さんがお客さまを見つけてくれて契約。
建売分譲・注文建築・リノベーションなどで利益を出すことを目的にした契約ばかりで、地元の不動産屋さんが仲介手数料を稼ぐための紹介をしてくれませんでした。頻繁に電話をくれる会社もあったのですが、よく調べてみたら、似たような条件の土地を分譲中の会社で、自社物件を引き立たせるために案内(利用)していたようです。
1,000万円ちょっとの価格で「片手仲介」をする場合ですと、仲介手数料が安くなりすぎてしまうため、利益を出せる他の仕事を組み合わせてお仕事をしているのでしょうね。
そう考えると、遠方不動産の売買は、ゆめ部長がサポートするよりも、地元の不動産屋さんが「両手仲介」できるようにしてあげた方が、早期・高値成約に結びつくのではないか…という結論になります。
片手仲介とは…
買主さま または 売主さまの一方からだけ仲介手数料をもらう取引。
両手仲介とは…
買主さまと売主さまの両方から仲介手数料をもらう取引。報酬が片手仲介の2倍!
地元の不動産屋さん目線で、ゆめ部長が担当する物件を契約する場合の仲介手数料額を参考に書いておきます。
物件価格が1,200万円とします。
ゆめ部長が売却を担当している物件を買ってくれるお客さまを見つけて「片手仲介」した場合、仲介手数料は42万円。売却もその不動産屋さんが担当できて「両手仲介」にすることができれば、仲介手数料は2倍の84万円になります。
この差は、やはり大きいですよね…。
参考知識…
物件調査もちょっと難しくて時間がかかる
不動産を売買するためには「物件調査」を行わなければいけません。法務局・市役所・水道局などで書類取得やヒアリングをしています。
物件調査はエリアごとに注意するべきポイントがあったしります。
たとえば…。
ガスが集中プロパンで、上水道引込には局納金というお金が必要。土を掘れば、埋められた浄化槽や解体した建物のガラが大量に出てくることが多い。土地区画整理を施行中。米軍基地が近くにあり航空法の調査が必要。 などなど。
もちろん、順番に調べていけば問題なく調査はできるのですが、調査漏れがないか気を使いますし、担当部署での質問事項が多くなるため、慣れたエリアと比べると、調査時間が2倍・3倍かかってしまいます。
怖いのは、時間がなくて急がなくてはいけないときです。調査ミス・調査漏れでお客さまに迷惑をかけてしまわないか、たまにすごく心配になるときもあるものです。勉強にはなりますから、たまには遠方の仕事をお受けしますけど、お互いデメリットがありますので、基本的には丁重にお断りしています。
最後に…
エリア外の売却をお断りすることが多いのは、ゆめ部長がお手伝いすることで成約までよけいな時間がかかったり、物件調査で迷惑をかけてしまう可能性が少しだけ高まることが理由になります。
正直なところ、移動するのにも時間がかかりながら報酬が少ないわけですから、これも理由ではあります…。それでもなにかのご縁で売却相談があれば、可能な範囲でお手伝いしたいと思っています。
この記事が皆さまの不動産売却に少しでもお役に立てば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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