建物立会(現地内覧会)の注意点を解説します!
不動産売買契約が終わってから引渡を受けるまでの間に「もう1度現地を確認したいなぁ」と思うことってありますよね。そこで、売主さま・買主さま・不動産屋さんが現地に集まって最終確認を行う日を設定するのが一般的です。これが「建物立会(現地内覧会)」です。
建物立会に関する質問・要望がとても多いので、注意点や知っておくべきことをこの記事でまとめておきたいと思います。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
建物立会(現地内覧会)って何をするの?
建物立会(現地内覧会)は、必ずしも行う義務があるわけではなく、売主さまの協力を得て行うことが「好ましい」とされています。
新築物件であれば、キズ・汚れのチェックをする必要があるので必ず行いますけど、中古物件の場合であれば、省略されるケースも結構あります。特に、引越が引渡日の直前になる時は建物立会をしないことが増えてしまいます。
では、この建物立会・現地内覧会では何をするのでしょうか…?具体的に列挙してみますので確認してみてください。
やること1…
売主さまから説明を受けていないキズ・汚れ・不具合がないかを確認します。中古物件であれば、売買契約時に売主さまが「付帯設備表」を記入して、設備の有無と不具合の有無の報告を受けていますから、その内容が間違っていないか…不動産屋さんと一緒に書類を見ながらチェックしてください。ついでに、使い方がわからない設備があれば売主さまから説明を受けておきましょう。新築物件については別項目でまとめますね。
やること2…
土地や一戸建てであれば、隣地との境界票を確認しておきましょう。ブロック・フェンス・塀が、敷地内にあって自分の所有物か、隣地との共有物か、敷地外にあって隣地の所有物かを確認して把握しましょう。老朽化して倒壊の危険がないかもチェックしておくことをオススメしています。
やること3…
引越業者さん・電気屋さん・リフォーム会社さんなどに現場へ来てもらい、見積もり・下見をしてもらいます。洗濯機・冷蔵庫・エアコン・ソファーなどが設置できるかどうかの確認や、カーテンの採寸も完了させておきましょう。売主さまに協力してもらうことになりますから、なるべく、まとまった時間に全員が来てもらえるよう手配をしてください。自分で家電を手配するなら、エアコンのコンセント(100V or 200v)と、照明器具を取り付けるための引掛シーリング(天井)を撮影しておくと便利です。
やること4…
売買契約後にインスペクション(建物診断)を行う場合は、この日に診断してもらいます。別の日程にすることもありますけど、売主さまの都合がありますから、できるだけ1日で済ませるのが良いです。
やること5…
家具の配置を考えるために必要箇所の採寸をしておきましょう。不動産屋さんに手伝ってもらいながら、サクサク進めたいところです。測り忘れがないように、事前に間取図を見ながらチェック箇所を考えておいてくださいね。表札を取り付ける箇所の採寸と写真撮影もしておきましょう。
やること6…
両親や親せきなどに最終確認をしてもらいます。資金援助を受けている場合は引渡前に内覧したいと思うでしょうから、早めに連絡しておくと良いと思います。なお、夫の両親が土曜日で、妻の両親が日曜日で、兄弟姉妹が月曜日で…となるとキリがありませんから、基本的には1日限定にさせてもらっています。
このように、建物立会で行うことはお客さまによって異なります。売買契約が終わった後に不動産屋さんと相談しながら要望をまとめておきましょう。
建物立会で必要な物はこれ!
建物立会で持ってくると便利な物を紹介しておきましょう!
■ メジャー(3m以上あると使いやすいです)
■ 間取図(採寸結果と補修箇所をメモします)
■ 立面図・配置図(一戸建て・補修箇所をメモします)
■ 地積測量図や境界確認書(一戸建て・境界票を確認します)
■ 筆記用具と下敷き
■ カメラ(スマホでもOKです)
■ 仮表札(一戸建て・新住所登記をする場合)
■ 認印
仮表札は剥がしやすい素材のガムテープなどに油性マジックで苗字を書いて貼り付けるのでも構いません。
なお、注文で建物を新築した場合、建物立会時に外構工事が終わらず、ポストがまだ設置されていないこともよくあります。ポストを段ボールなどで自作するか、ホームセンターで購入しておきましょう。住民票を先行して移転した場合(新住所登記)は役所から書類が郵送されてくる可能性があるためです。
参考記事…
建物立会は「いつ」「何時間」「何回」できるの…?
不動産は高額なお買い物になりますから「私はお客さま!要望を全て受け入れてもらって当然だね。」と思ってしまう気持ち…わからなくはありません。しかし、残代金を支払っていない状況だと、まだ「マイホーム」ではありませんから、売主さまの協力なく自由に出入りできるわけではありませんよね。
もし空き家だったとしても、不動産屋さんには「仲介責任」がありますから、鍵を貸し出して自由に見てきていいですよ…とは言えないわけです。
では、妥当なラインはどのあたりなのでしょうか?ゆめ部長が新人時代に対応してしまったケースを参考に考えていきます。
売買契約から引渡までの約1ヶ月で、少なくとも、5回は現地の再内覧をしたお客さまがいました。夫の両親が…妻の両親が…引越屋さんが…電気屋さんが…ソファーが入るか確認したくて…のように、1度で済ませられること、10日後に引渡を受けてからでも問題なくできることにもかかわらず、「私はお客さまですよ!」と言いながら要望を押し通されたことがあります。
ちょうど忙しい時期だったので、業者さんはピンポイントの時間では見積もりに来てくれません。「12:00~14:00の間で行きます。」と言われてしまうことが多く、売主さま・ゆめ部長は毎回・毎回…数時間空けておかなければいけませんでした。
この状況、どう思いますか…?
買主さまの気持ちもわかるけど、もう少し、相手の都合も考えて対応できたんじゃないの??と言いたくなりませんか。
見る方はテンションが上がっていて楽しいでしょうけど、土日祝日の貴重な時間を待つためだけに使う売主さまには我慢が必要です。ついでに、不動産屋さんにとっても、稼ぎ時に何もできない時間を過ごさなければいけないのはかなり苦しい状況だと言えます。
売主さまが優しい方で「何度でもどうぞ~」と言ってくれたので「じゃあ、遠慮なく!」となってしまったのだと思いますけど、ゆめ部長がしっかり調整して、相手への気遣いをしてもらえるようにしなければいけなかったな…と反省したことを今でも覚えている案件です。
というわけで、ココの結論は…
■ 売買契約後
■ 住宅ローン本審査内定後
■ 引渡前
■ 1日にまとめて
■ 1時間~最大5時間程度
で、現地立会いを行うようにしましょう。
新築一戸建ての建物立会はココに注意しよう!
新築一戸建てはキズ・汚れ・不具合が付いていたらイヤですよね。そこで、売主の不動産会社がしっかり補修をしてくれるのですけど、ココの認識が売主さまと買主さまでズレてしまうことがあります。
新築一戸建てで注意したいことをまとめておきますので、建物立会を行う前に必ず確認しておいてください。
注意事項1…
建物立会日が現地の最終確認になります。当日に発見・指摘した箇所以外のキズ・汚れ・不具合は引渡後になると補修に応じてもらえませんので注意してください。補修箇所が1箇所だけだったとしても、職人さんを手配すると数万円の経費がかかってしまうためです。もちろん、気が付かなかったけど大きな問題が見つかった場合は、保証期間内であれば補修してもらえます。ここでお伝えしているのは「生活に支障がない」キズ・汚れ・不具合のお話です。
注意事項2…
両親や知人が内覧を希望している場合は建物立会日に来てもらってください。多くの人でチェックした方が見逃しが少ないのでオススメです。ただし、多くの人が自由に動くと建物立会がスムースに行えません。全員が一緒になり、1部屋ずつ回っていくように協力してください。
注意事項3…
建物立会後は新しいキズがつかないように現地へ入れなくなります。「ちょっと確認するだけだからコッソリ5分だけ見させてよ。」という要望がたくさんありますが、通常は対応できないことをご了承ください。
注意事項4…
建物は人の手によって作られますし、多くのお客さまが内覧します。そのため、小さなキズや少しの汚れが残ることは仕方ないことです。床に這いつくばってようやく見つかるような小さなキズを探すのではなく、普段の生活で気になるキズや汚れ、また動作不良がないかどうかを中心に確認してください。新築一戸建ての立会は大体1時間で終了させます。
注意事項5…
補修箇所の確認をするための再立会いは行いません。建物立会時にチェックした箇所を記載した書類を送りますので、引渡後にその書類を見ながら現地確認を行ってください。念のため、建物立会時に指摘した箇所を写真で撮っておくと安心できると思います。もし補修が完了していない箇所があればお知らせください。当日中に確認して売主さまへ補修を依頼します。
注意事項6…
インスペクション(建物診断)を入れる場合は早めにお知らせください。直前で「インスペクションをやりたいんだけど…」と言われても、2時間~5時間かかるため対応できない場合があります。また、当日は建物立会開始時間からすぐに始められるように手配をお願いします。インスペクションで指摘された箇所は、引渡日までに補修が完了しないことがあります。すぐに引越をしないなら、引渡を受けた後も工事用キー(本キーを1度鍵穴にさすと工事用キーは使えなくなります。)を設置しておき、職人さんが自由に入れるように協力してください。もちろん、補修工事中に立ち合ってもらってもOKです。
最後に…
建物立会は「お互いさま」の気持ちで対応できるとスムースに進められます。自己都合を押し付けすぎるお客さまだと相手を不快にさせてしまい、つまらないトラブルが頻発することになりますからご注意ください。
建物立会に関するトラブルは多いので、下記の記事で「付帯設備表」「物件状況報告書」に関しても勉強しておくことをオススメします!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
参考記事…
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