【第5回】囲い込みの基礎知識|売却の重大リスクと対策
5,000万円で売れるかもしれない物件が、半年経っても、4,500万円に値下げしても、全然売れない...。このような状況の原因は、不動産業界の悪しき慣習「囲い込み」かもしれません。この記事では、売却の重大リスクである囲い込みについて解説します。
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囲い込みとは?
囲い込みとは、不動産会社が物件情報を他社に公開せず、自社だけで買主さまを探す行為のことです。よくある手口は2つです。
1. レインズに登録しない手口
専任媒介と専属専任媒介では、レインズへの登録が法律で義務付けられているのに、意図的に登録しません。これは宅建業法違反です。
2. レインズには登録するけど他社の仲介活動を妨害する手口
たとえば:
「広告はうちの会社だけで実施するので一切、お断りします」
「担当者不在で内覧できるかはわかりません」
「契約予定なので案内不可です」
「1番手が入っているので申込は受け付けられません」
このように他社の仲介活動を邪魔するわけです。これらは売主さまを裏切る行為であり、媒介契約違反にもなります。
囲い込みの問題点
囲い込みの問題点は、「高く売れない」「早く売れない」の2つです。
不動産を高く・早く売るためには、情報を拡散させ1人でも多くの買主さまに検討してもらうべきです。それなのに、物件情報を他社に公開せず隠してしまうわけですから、高く・早く売れるわけがありません。
さらに深刻なのは、両手仲介を優先するために、本来は断るべき買主さまであっても強引に契約を進めてしまうことです。その結果:
■ 住宅ローンが通らない
■ 決済資金が用意できない
■ 契約解除になる
など、重大なトラブルに発展してしまうケースもあります。
囲い込みから身を守る方法
最も重要なのは、信頼できる不動産会社・担当者選びです。
具体的なチェックポイントは:
■ YouTubeやX、ブログなどで役立つ情報を積極的に発信しているか?
■ 取引の流れや仕組みを丁寧に説明してくれるか?
■ 強引な営業をせず、売主さまの意向を第一に考えてくれるか?
このような特徴がある会社は信頼できる可能性が高いでしょう。一方で要注意なのは:
■ 極端に安い仲介手数料
■ 過剰な無料サービス
を謳う会社です。両手仲介するために、売主さまに内緒で囲い込みしている可能性が高いからです!
まとめ|囲い込み対策の重要ポイント
【1】
囲い込みとは、不動産会社が物件情報を独占し、自社だけで買主さまを探す問題行為
【2】
情報を隠すことで売却機会を失い、契約トラブルにもなりかねない重大リスク
【3】
情報発信や対応の丁寧さを確認し、信頼できる不動産会社・担当者を選ぶことが重要
— name (@yumebucho) YYYY年MM月DD日
