株式会社 麻布ハウス
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2018年12月30日
不動産売買の知識

2番手の購入申込を受け付けるときは要注意!そもそも1番手にする条件は…?宅建マイスターが売主さまの注意点を解説します!

売却中の不動産に複数のお申し込みが同時に入ってくることがあります。本当にうれしい悲鳴ですが、どのお客さまに売却するかをきちんと決めなければいけません。この記事では、2つの申込のどちらを選ぶのか…選び方と注意点をお話したいと思います。

 

不動産業界15年宅建マイスター(上級宅建士)2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~

 

【目次】

1.  不動産購入申込が2件同時に入ってきたら…どうしますか?

2.  不動産購入申込者の「1番手」とは…?

3.  1番手の購入申込に誠意をもって対応するのが大原則!

 3-1.  価格交渉を承諾して契約日まで決まっている場合

 3-2.  条件交渉中の場合

4.  「2番手を優先してキャンセルになると1番手もダメになる」…「不動産あるある」に注意!

5.  不動産売買契約は「買います」「売ります」の口約束だけでは成立しない!

6.  「売主の立場」と「買主の立場」で言うことは逆転する!

7.  最後に…

不動産購入申込が2件同時に入ってきたら…どうしますか?

5,000万円で販売に出している不動産に購入申込が同時に2件入ったとしましょう。

 

先のお客さま…

 

2組目に内覧されたファミリーでした。とても気に入ってくれて、内覧したその日の内に4,900万円でお申し込みをしてくれました。とても良い人たちですが、100万円の価格交渉があり、住宅ローン審査がこれからになります。

 

後のお客さま…

 

1組目に内覧されたファミリーで、奥さんとお子さんだけがで先に内覧していました。申込が入ったことを知り、すぐにご主人も内覧して、満額の5,000万円で現金購入するから1番手にしてほしいと言っています。

 

さぁ、みなさんはどちらを選びますか?  難しい問題ですね…。

 

どのように決めればいいのか、注意点は何か?一緒に考えていきましょう。

不動産購入申込者の「1番手」とは…?

先に「1番手」「2番手」という言葉の定義を考えてみたいと思います。

 

不動産取引の実務では「1番手」という言葉の定義が曖昧で、明確な定義づけをされていません。もしかしたら定義はあるのかもしれませんが、みんな使い方がバラバラです。

 

先に不動産購入申込書を入れたから「1番手」

住宅ローンの事前審査が通ったから「1番手」

事前審査が通って交渉も成立したから「1番手」

 

など、営業マンによって言うことが変わってきます。そこで、私が考える「1番手」の定義をまとめておきます。

 

「1番手」の「番手」は交渉をする権利の順番だと考えます。交渉する権利は、住宅ローンの事前審査が内定済みであり、不動産購入申込書の提示による意思表示ができていることで発生します。

 

先に申込をしたお客さまが事前審査をしていなければ、現金購入のお客さまが「1番手」となります。事前審査が内定済みであれば、不動産購入申込書を提示した順番通り「1番手」「2番手」とします。

 

「1番手」が交渉を開始して条件がまとまれば「決定」となり、原則として1番手のお客さまと契約します。ただし、この時点では民法の定めと異なり、契約は成立していないので【確定】ではなく、2番手を繰り上げる再考の余地はあるでしょう。

 

現金で満額で購入。とっても素敵なファミリーで安心でき、明日契約できます…これは【確定】となります。

1番手の購入申込に誠意をもって対応するのが大原則!

交渉がどの段階まで進んでいるか、それぞれが希望する契約条件により、対応策を売主さまへアドバイスしています。交渉の進捗状況を2つにわけて説明しましょう。

【1】価格交渉を承諾して契約日まで決まっている場合

価格交渉を承諾して契約日まで決まっていれば、既に「決定」している状態です。この場合は、1番手のお申し込みを優先させるべきです。

 

交渉が通り、契約日をセッティングできた時点で、住宅ローンの審査・契約のための印紙購入・日程調整などの準備を進めています。それにもかかわらず、1度まとまった交渉を一方的に破棄すれば、信頼を裏切ることになってしまいます。

 

どうしても満額での成約を目指す場合は、2番手の方をすぐに繰り上げるのではなく、1番手のお客さまに「2番手のお客さまは価格交渉なしです。買い上げを検討してもらえませんか?」と説明して、買い上げの機会を提供してください。

 

「値上げはNG!」という回答であれば、2番手を繰り上げるのは仕方ありません。1番手のお客さまは納得できないかもしれませんが、これなら誠意をもって対応したと言えるはずです。

 

ただし、2番手を繰り上げる場合は次のことも考えて総合的に判断しましょう。

 

(1)2番手の住宅ローンの難易度は?現金購入?

(2)金額と条件を比較してどちらが有利?

    条件:契約日・引渡日・手付金の額・特約の有無など

(3)物件の人気度

(4)相場と物件価格 

(5)「不動産あるある」リスク

(6)お客さまの購入動機・意欲 

 

自営業者・転職してばかり・営業職などで年収の増減が激しい・契約社員・物件価格に対する年収が不足気味など、住宅ローンの審査が厳しいと判断できるなら、確実に契約できそうなお客さまを優先させた方が良いと思います。

 

また、買主さまが買い替えで、自宅の売却が解約になったら購入の契約も解約する「買替特約」を付けて欲しいという要望があった場合も同様です。

 

このように、どちらを優先させるかは個別具体的な案件ごとに考えることです。1番手で「決定」したお客さまが最優先であることを前提にしつつ、一緒に考えましょう。

【2】条件交渉中の場合

1組目の住宅ローンが内定していなければ、1番手ではありません。2組目が「1番手」となります。

 

1組目の住宅ローンが内定していれば、1組目が1番手・2組目が2番手となります。まだ「決定」・「確定」はしていないので、条件が有利な方を選択することができます。ただし、同一条件であれば「1番手」を優先しましょう。

 

1番手で「決定」していたとしても、2番手の条件が良ければ再交渉に戻すことがあるのは先ほど説明した通りです。

 

言葉の定義づけをしっかりしておけば、わかりやすいですね。

 

グチと批判で余談を…

 

不動産屋さんは言葉を明確に定義づけしたくありません。なぜなら…他社さんから申込みが入っていても、両手仲介できる可能性を残しておきたいと考えているからです。わかりやすいように、よくある話を紹介します。

 

他社さんから申込みが入りました。既に住宅ローンの事前審査が内定していて、満額購入で週末に契約予定となっています。「確定」の状況ですね。

 

この申し込みが入った後、自社のお客さまがどうしても「購入したい」と言ってきました。このお客さまを優先できれば、この悪い不動産屋さんは「両手仲介」できることになります。

 

そこで「確定」している状況であるにもかかわらず「2番手のお客さまが現金購入なので、売主さまがこちらのお客さまと契約したいと言っています…」という話を作り上げてきます。…「作り上げる」と言っているのは、現金購入ではなく、事前審査すらしていないからですよ。

 

「1番手」「2番手」「決定」「確定」などと言葉を明確にしておけば、取引の安全を図ることができます。でも、「確定」なんて言われたら、両手仲介できなくて困ってしまうわけですね。

 

売主さまの利益を損なう両手仲介を企てた場合、営業停止にできないのでしょうか?大手であれば、1店舗を営業停止にすればよし。依頼者の利益を無視するなんて異常だと思います!

「2番手を優先してキャンセルになると1番手もダメになる」…「不動産あるある」に注意!

売却中の不動産に複数の申込が入った場合、2番手以降を繰り上げると、1番手も3番手以降もダメになる!という「不動産あるある」があります。特に、2番手以降を繰り上げるときに1番手を雑に扱うと、後でしっぺ返しをくらうことが多くなります。

 

この「あるある」を少し考えてみましょう。

 

「他の人が検討している」という話を聞くと、「急がなくちゃ!」「こんな良い物件二度と巡り合えないかも!」と、焦って競争してしまいそうですよね。なんとなく、人生経験の中で思い当たる節があると思いますが、どうでしょうか?

 

営業マンが「この物件は人気物件で、他にも検討している人がいます!」こんな三流トークを繰り返しているのは、それだけ、人の競争心理が強いからなのです。

 

しかし、この2番手のお客さまは、ふとした瞬間に冷静になり、悪びれることもなくあっさりキャンセルしてきます。激戦を勝ち抜いて競争に勝ったことを認識すると、人は満足して気を緩めてしまうのでしょう。

 

「焦って契約しようとする人は、キャンセル率がメチャクチャ高い!」これは私たちが何度も痛い目に合って学んだ不動産業界の常識です。

 

残念ながら2番手がダメなことが確定しました。そこで、1番手のお客さまへ電話をします。「良かったですね!キャンセルになりましたよ!!」と。

 

しかし、既に1番手のお客さまは気持ちが冷めているものです。雑な扱いをされたことへの怒りもあり、営業マンに「この物件はご縁がなかったと思います。」というカウンターパンチを食らわせて、その後は連絡が途絶えてしまうのです。そして、不思議なことに3番手以降も同時に冷めてしまいます。

 

その後は売れない状況が続き、値段を下げざるを得なくなるのはよくあること。高い金額での成約を狙った結果、1番手にも3番手以降にも嫌われ、逆に安い価格でしか売れない。そんな「不動産あるある」リスクがあることを知っておいてください。

 

不動産業界が水曜日定休なのは「契約は水物」だと言われているのも理由の1つらしいですよ。

不動産売買契約は「買います」「売ります」の口約束だけでは成立しない!

不動産取引は口約束だけで成立する契約諾成契約 ( だくせいけいやく ) ではありません。売主さまが「購入申込書」を受け取り、買主さまへ「売渡承諾書」を渡したとしても、まだ契約は成立していないのです。

 

民法の定めでは、意思表示の合致で契約は成立しますから「買いたいな!じゃあ、売るよ!」で成立します。不動産取引は民法の定めとは異なるという点も踏まえて考えてください。

申込が入った後に値段を上げての再販売はOK?NG?

複数のお申し込みが同時に入ると「もっと高く売れるんじゃないの!?」「金額を上げて再販売してよ!」というお客さまが少なからずいます。

 

この意見には、賛成できる場合と、できない場合があります。

 

まず、反対したい場合は、私たちが作成した査定書の金額に納得して販売していながら、お申し込みを受け付けない場合です。売主さまを担当する不動産屋さんだけでなく、買主さまを担当する不動産屋さん・現地を見に来てお申し込みをしてくれたお客さんの信頼まで裏切ることになってしまいます。人をあっさり裏切るのは絶対にやめるべきです。

 

それに「たまたま」高値でも買いたい人が現れただけかもしれません。売り時を見誤って損をすることがないように、売却する前に近隣相場を調べ、信頼できる担当者を見つけておいてください。

 

逆に、賛成できる場合は、もっと高い金額で販売したかったのに、不動産屋さんに強く説得されて希望よりも安い金額で販売をスタートしてしまった場合です。信頼できない人に任せてしまったという点に落ち度はありそうですが、強引な担当者に「NO!」と言えない人は少なくありません。この場合、1番悪いのは不動産屋さんになりますから、再販売もアリだと思います。

「売主の立場」と「買主の立場」で言うことは逆転する!

上記のお話の中で、売主さま・買主さまそれぞれが、どんなことを言っているのか?現場でのやりとりをお伝えしながら、注意点をまとめてみます。

 

売主さまの主張…

 

少しでも高い金額で売りたいし、リスクが少ない買主さんに買ってほしい!売買契約前であればノーペナルティでキャンセルできるわけだから、こちらの都合で売る人を決めたっていいはずだ!なんで、1番手をキャンセルして2番手にしたらダメなんだ!?あなたは私たち売主の味方をする気がないのか!

 

買主さまの主張…

 

価格・手付金額・引渡時期などの交渉がまとまって契約準備をしているのに、急にキャンセルして他の人と契約したいなんて、あまりにも不誠実で考えられないことだ!

 

人の性格や考え方によるもので、いろんな考え方があるのでは…?と思うかもしれませんが、私は違うと思います。このお話の問題点は「相手の立場を考えられるか・おもいやりがあるかどうか」なのです。

 

お客さまは「自分は大切に扱われて優遇されるはずだ。」と思い込んでいることが多く、相手の立場を考えられなくなるものです。「高額な商品を売買するんだからおもてなしされたい!」と心のどこかで思っているのですね。そこを理解しておく必要があります。

 

不動産は「高額な商品であり1点もの」になりますから、契約が成立するまでは何が起こるかわかりません。売主さまは高く売りたいですし、買主さまは安く買いたいのです。こちらの準備をしっかりしておくことで、納得のいく条件での契約を目指してください。

最後に…

不動産売却は、売り方1つで大きく成果が変わるものです。お申込みが入った時に、迷わず自信を持って「GO!」を出せるように、信頼できる担当者と事前準備をしっかり進めておくようにしてください。

 

皆さまの売却がうまくいくように応援しています!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。よかったら、Twitterもフォローしてください!!

この記事を書いた人
ゆめ部長 ユメブチョウ
ゆめ部長
不動産のことが大好き!宅建マイスター&2級FP技能士の「ゆめ部長」です!営業スタッフとして、たくさんのハッピーなご縁を結ぶ経験を積んでから、「Webページ製作スタッフ」 兼 「スペシャルエージェント」として活躍中♪毎日のお仕事に情熱をもってワクワク取り組んでいます!夢は、みんなに頼られる優しい不動産屋さんとしてTV出演すること!!

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