不動産を売却して利益が出た時の税金をわかりやすく解説!
不動産を売却して利益が出たら、ビックリするような税金が課税されることがあります。「知らなかった…」とショックを受けることがないように、税金を安くできる特例を一緒に勉強しておきましょう!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
不動産売却の利益に課税されるのはどんな税金なの?
不動産を売却して利益があると「所得」が生じたことになります。この所得のことを「譲渡所得」と呼びます。
「所得」というのは「収入」のことです。サラリーマンであれば「給与所得」がありますよね。他に「不動産所得」・「事業所得」・「配当所得」・「利子所得」など全部で10種類あるんですけど、ここでは「所得 = 収入」だけ抑えておいてください。
「収入があったら税金が課税される…」これは、まぁ、常識かな…と思います。では、どんな税金が課税されるのでしょうか??
答えは、「所得税」と「住民税」の2つです!!
どの収入に対して、どんな軽減を受けられて、どれくらいの税率で所得税と住民税がそれぞれ課税されるのか…そんなお話をこれからしていきたいと思います。
まずはザックリとした概略を抑えてください。その後に参考記事を読み進めてもらえると、理解が進みやすいはずです。ちょっと難しいですけど、一緒に頑張って勉強していきましょうーー♪
譲渡所得税の計算式をザックリ理解してみよう!
譲渡所得税 = 課税譲渡所得金額 ×「所得税」・「住民税」
はい。ここでイヤになった人も多いですよね。漢字が並んでいて読むのもちょっとメンドウですから当然だと思います!これをわかりやすくしていきますよ。
例えば、3,000万円で購入したマンションを5,000万円で売却したとすると、単純計算で2,000万円の利益が出たことになりますよね。
不動産を購入して1年とか2年とかの短期間で売却すると、利益に対して、所得税 + 住民税の合計で39.63%も課税されますから、せっかく利益が出て喜んでいたのに2,000万円×39.63%で、約800万円も税金で取られちゃうことになるんです(涙)
そこで!!高額すぎる税金を払わなくて済むように、税率をかける元になる「所得」を少なくできるように軽減する措置を認めてくれています。
1つは、売却の利益から購入・売却時の諸費用を引く制度。
例えば…上記の例で、マンション購入時の諸費用が200万円・マンション売却時の諸費用が150万円だった場合、この合計金額350万円を利益の2,000万円から引くことができます。この制度により、利益は1,650万円まで圧縮することができてしまうのです!
税率が39.63%だと、これだけで約140万円も節税できちゃいますね。
もう1つは、利益から一定額を差し引いて計算する制度。
要件を満たすマイホームを売却した場合、利益から3,000万円も差し引いてくれます。上の例で計算すると、1,650万円から3,000万円引くと利益はなくなりますよね。
この制度を使うことで、所得税・住民税が課税されないことになりました!(やったね!パチパチパチパチ~~)
これがまず押さえて欲しい概略になります。
次からは、1つ1つをもう少し詳しく見ていきます。概略を抑えてから詳細を確認していけば、それほど難しくはありません。ただし、具体的な計算をするときは、必ず税理士先生・税務署で相談してくださいね。
譲渡所得税の計算式をもう少し詳しく見てみよう!
譲渡所得税の計算式は…課税譲渡所得金額 ×「所得税・住民税」でしたね。
「課税譲渡所得金額」というのは、所得税率・住民税率をかけ算する元になる利益のことです。この「課税譲渡所得金額」から分解していきます。
課税譲渡所得金額 = 譲渡所得 - 特別控除
「譲渡所得」は売却した時の利益。先ほども説明した通り「売却金額 - 購入金額」ではなく、売却時と購入時の諸費用を利益から引くことができます。「特別控除」は先ほどの例だと「-3,000万円」のことです。
次に「譲渡所得」を分解してみると…
譲渡所得 = 譲渡収入金額 -( 取得費 + 譲渡費用 )
だんだんわかりづらくなってきましたね (笑)
「譲渡収入金額」は不動産を売却したお金。「譲渡費用」は不動産を売却するためにかかった費用です。
さらに「取得費」を分解します。
取得費 = 土地価格 + 建物価格 + 購入諸費用 - 建物減価償却費
「購入諸費用」に含まれるのは、不動産を購入した時の仲介手数料・印紙税や登録免許税などの税金・住宅ローンの保証料や事務手数料などです。これらは売却の利益から差し引くことができます。
で、わかりづらいのが「建物減価償却費」ですよね。
減価償却というのは…建物価値の減少分のことです。1つ上と2つ上の式を見ると、建物減価償却費は譲渡収入金額に加算されることに注意が必要です。
これを全部1つにして足し算・引き算・かけ算で並べてみると…
不動産を売却したお金
- 土地購入価格
- 建物購入価格
- 購入の諸費用
- 売却の諸費用
+ 建物減価償却費
- 特別控除
× 所得税・住民税
となります。上の方の説明がわからなければ、この計算式だけでもOKです。
具体例を入れておきます。
15年前に4,000万円(土地2,500万円・建物1,500万円)で購入した建売住宅を4,500万円で売却しました。購入時の諸費用は250万円・売却時の費用は200万円・建物減価償却費が630万円とした場合、課税譲渡所得金額はいくらになるでしょうか?なお、マイホーム売却時の3000万円特別控除の特例を利用できるものとします。
単純に上の式に数字を入れていくと…
4,500万円
- 4,000万円(2,500万円 + 1,500万円)
- 250万円
- 200万円
+ 630万円
- 3,000万円
計算すると、【-2320万円】
つまり、売却利益はなくなったということです。
だから、課税譲渡所得金額はありません!!
よって、所得税・住民税は課税されません♪
譲渡所得に対する所得税と住民税の税率は不動産の所有期間で変わる!
もうちょっとだけお付き合いくださいね。最後は税率をチェックしていきます。
所得税と住民税は、売却する不動産をどれくらいの期間所有していたのかで税率が変わってきます。投機目的…つまり、居住するためではなくて、利益を上げるために短期間保有して売却するような人には税金をたくさんかけちゃうからね!ということです。
具体的に見てみましょう。
■ 保有期間が5年以下
所得税 30.63% 住民税 9% 合計 39.63%
■ 保有期間が5年超
所得税 15.315% 住民税5% 合計 20.315%
■ 保有期間10年超
・利益6,000万円以下の部分…
所得税 10.21% 住民税 4% 合計 14.21%
・利益6,000万円超の部分…
所得税 15.315% 住民税5% 合計 20.315%
※ 所得税は復興特別所得税2.1%を含めてあります。
実際に計算するためには、いろいろと確認するべきことがあるんですけど、この記事は【入門編】のお話ですから、お話はこの辺でやめておきますね。もっと勉強したいぞ!とやる気があるなら、次の参考記事へ進んでください。
参考記事…
最後に…
できるだけ簡単に書いてはみましたけど、普通の人が初見で理解するのは厳しいと思います…。ゆめ部長は宅建試験に44点/50点満点で合格していますけど、税金がなんとなくわかるようになってきたのは、15年実務を積んでからなんです。
税法は頭のイイ人たちがわざと難しく作っているらしいので、理解できないのは当然だと思います。少しずつ、1歩ずつ、知識を蓄えていってください!
というわけで本日はここまで。
最後まで頑張って読んでくださりありがとうございました。
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