仲介会社にとって売主の不動産会社の方が買主さまより大事…という秘密を語ってみよう
マイホーム購入は一生に一度の大きなお買い物。高い仲介手数料も支払うわけだから、大切なお客さまとして丁寧に対応してもらえるんだろう!そんな期待をしますよね。しかし、残念ながら…新築一戸建てなどを購入する場合、その期待はあっさり裏切られる可能性が高いと言えるでしょう。なぜなら、仲介会社は買主さまである皆さまより、売主さまである不動産会社を大事なお客さまだと考えているからです。
今日はちょっぴショックな真実をお話したいと思います。
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
不動産仲介会社の基礎知識
この記事を理解しやすいように、最初に「不動産仲介」に関する基礎知識を一緒に勉強しておきましょう。
皆さまがマイホームを購入する場合、次の3パターンに分けられます。
パターン1…
売主の不動産会社から直接購入する
パターン2…
仲介会社のサポートを受けて購入する
パターン3…
不動産屋さんが係わらず個人間で売買する
パターン1は、新築マンションを購入する場合が該当します。通常、新築マンションを購入する時は仲介手数料がかかりませんよね。理由は仲介会社が入っていないからです。
パターン2は、新築一戸建てや中古マンションなどを購入する場合が該当します。仲介会社のサポート受けて、売主が不動産会社の新築一戸建てを購入したり、売主が個人の中古マンションを購入する時は仲介手数料がかかることが多いです。
パターン3は、知り合い同士で不動産取引を行う場合が該当します。例えば、隣人に自宅を売却する場合で仲介手数料を節約したい場合などですね。
今回はパターン2のお話になりますから、ここをもう少し深堀しておきましょう。
仲介会社がサポートする契約は次の4つがあります。
■ 売主さま:個人 買主さま:個人
■ 売主さま:業者 買主さま:個人
■ 売主さま:個人 買主さま:業者
■ 売主さま:業者 買主さま:業者
今日のお話は上から2つ目です。不動産会社が売主で、皆さま(個人)が買主になる不動産取引で、仲介会社のサポートを受ける場合になります。
なお、3つ目も少し該当する部分があるので最後に解説しますね。
参考記事…
売主の不動産会社が大事な理由
売主が不動産会社になる契約では、仲介会社は、基本的に両手仲介になります。
両手仲介と言うのは、左手の売主さま・右手の買主さまの両方から仲介手数料をもらえる取引のことです。日本の不動産取引では、なぜか、仲介手数料が「上限」の「成約価格×3% + 60,000円」となっていますから、仲介会社は、1つの取引で最大「成約価格×6%+120,000円」の報酬を受け取ることができます。
両手仲介なら、売主さまも、買主さまも、仲介会社にとって大切なお客さまになるはずですよね。しかし、現実は異なり、タイトルの通り「売主の不動産会社が大事!!」だと仲介会社は考えているのです。
その理由を列挙してみましょう。
■ 何度も取引するから
■ 新規未公開物件情報を優先してもらいたいから
■ 価格交渉を通しやすくしたいから
■ ネット広告の許可をもらいやすいから
■ オープンハウス開催を任せてもらえるから
■ 競合がいても優先してもらえるから
などなど、いろんな理由が考えられます。
簡単にまとめれば、何度も契約させてもらいたいし、仲良くなることでアドバンテージをもらいたいと企んでいるわけです。
初めて勤務した会社(新築一戸建てをメインで取り扱う仲介会社)で、上司に言われたことを暴露しましょう…
1回でサヨナラする客なんてどうでもいいんだよ。何度も取引させてもらって売り上げになるのは誰のおかげなの?業者さんでしょ!?価格交渉を通そうなんて思わないで、満額で申し込みもらってくるのが営業だろ!!
15年前の話だけど、あまり変わっていないみたいですよ…
売主の不動産会社が優先されることのデメリット
売主の不動産会社が優先され、
買主さまである皆さまが蔑ろにされる…。
こうなった場合、どんなデメリットがあるかを挙げてみます。
■ 価格交渉が通らない
■ 売主さまにペコペコ、買主さまに高圧的な態度
■ 売主さまに不利なことを隠す
■ インスペクション(住宅診断)などを拒否する
■ ネット銀行の住宅ローン審査に協力してくれない
などなど。
勝手なイメージかもしれませんけど、未公開物件が多い不動産屋さんは、売主の不動産会社とのお付き合いを重要視しているので、この傾向が強い気がします。
なお、月末に売上が足りなくて仲介会社が「なんとかしなくちゃ!」と焦っているとき、仲良くお付き合いしているからこその切り札を使い、大幅値下げを通してくれることもあるので、「業者と仲良し=悪」とは断定できないかもしれませんね。
両手仲介という日本独自の商慣習が諸悪の根源
外国では両手仲介が禁止されている国もあるのに、なぜか、日本の不動産取引では「両手仲介」があたり前のように行われています。
この商慣習が諸悪の根源だと思うので一緒に考えてみましょう。
両手仲介のデメリットを簡単に解説します。
売主さま … 高く売りたい立場
買主さま … 安く買いたい立場
つまり、売主さま ・ 買主さま の関係は「VS関係」ですよね。
では、両者の間に入る仲介会社はどうあるべきだと思いますか?
■ 結婚の仲人
■ 離婚訴訟の弁護士
当然、自分の利益を守ってくれる離婚訴訟の弁護士のような役割を期待しますよね。ゆめ部長なら、自分だけの味方として徹底的にサポートしてほしいな。
ところが、両手仲介だと、両方がお客さまになるわけですから、どちらか一方を味方することができません。売主さまを味方すれば買主さまが損するし、買主さまを味方すれば売主さまが損しますからね。
ここまでは天秤が釣り合っています。
しかし!ここに「仲介会社の都合」が乗っかってくるとどうでしょうか…?
先ほど「売主の不動産会社が大事な理由」で説明した事情は、売主さま有利に働きますよね。ここで、天秤は大きく売主の不動産会社に傾いてしまうのです。
これは間違いなく、日本の不動産取引の悪しき慣習がもたらす弊害だと思いませんか!?ゆめ部長は、原則として、両手仲介には反対しています!
参考記事…
バイヤーズエージェントが定着して欲しい!
売主さま・買主さまの両方から仲介手数料をもらうのが「両手仲介」でしたね。一方、売主さまから、または、買主さまのどちらか一方からだけ仲介手数料をもらう取引は「片手仲介」と呼ばれます。
片手仲介の場合、自社が担当するお客さまからしか仲介手数料をもらえません。そうすると…自社のお客さまの利益だけを考えて行動することができますよね!
たとえば…
三井のリハウスさん:売主さま担当
ゆめ部長 :買主さま担当
この場合、
三井のリハウスさんは売主さまの利益を優先し、
ゆめ部長は買主さまの利益を優先します。
このように、自分が担当するお客さまだけの強い味方として、不動産取引をサポートするエージェントが求められるようになっています。
売却専門:セラーズエージェント
購入専門:バイヤーズエージェント
このエージェント制が日本の不動産取引で実現したらどうなるか…。ちょっと考えてみましたので聞いてください!
ゆめ部長がバイヤーズエージェントとして新築一戸建ての購入をサポートしたとしましょう。そうすると、ゆめ部長は売主さまからは仲介手数料をもらえませんが、皆さま(買主さま)からはもらうことができます。
そうすると、ゆめ部長にとってのお客さまは皆さま(買主さま)だけになります。
それなら、ゆめ部長は皆さまだけの味方をすればOK!この記事の心配は吹き飛ぶわけですよ!
ホント素敵♪
そうなってほしいなぁ~
参考知識…
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が発行し、不動産取引もグローバル規模で自由化されていく流れにあります。日本の不動産取引の慣行は見直しが求められるようになり、両手仲介はNGになる可能性が高いと考えています。この流れを加速できるように、現場で働くゆめ部長は、一所懸命情報を発信して周知させていくつもりです!
参考記事…
売主さまが個人、買主さまが業者の場合
皆さま(個人)が売主で、不動産会社が買主になる不動産取引で、仲介会社のサポートを受ける場合も見ておきましょう。(先ほどのパターン3)
具体的には次のようなケースが想定されます。
■ 即現金化したい!
■ コッソリ秘密で売却したい!
■ メンドウを排除して楽に売却したい!
■ 土地が広すぎて個人で売却できない
このような場合でも、やっぱり、仲介会社は不動産会社を大事にする可能性があります。
なぜなら、儲かるからです!
仕入契約で両手仲介を行い、売却契約でもう1度両手仲介を狙えるかもしれません。うまくいけば、仲介手数料は最大で「12%+24万円」にもなるんですよ(驚)それに、コッソリ内緒でお小遣いをもらっている担当者がいるのも理由の1つでしょう。
ただし、物件を紹介する立場になると、仲介会社が仕入する不動産会社に対して上から目線でマウントを取ろうとすることがあります。「今後も仕入でウチと取引したいなら今回は高値で買ってよ!」とか言っちゃうわけです…
というわけで、パターン3はパターン2と比べると、仲介会社が不動産会社を大事にする度合いが下がると言えるでしょう。
仲介と分譲会社の力関係は時期・エリアでも違う
この記事はゆめ部長が得意にしているエリアでの一般的な話です。
不動産取引の流通性が低いエリアでは、仲介会社が分譲会社に対して「契約してやっているんだ!」なんて強気な態度を取っていることもあるそうです。
また、リーマンショック後など、分譲会社が困っているときには「契約したいんじゃないの!?値下げしなよ!」という態度になるのを見たこともあります。
しつこいようですけど、この記事は、流通性が高くて不動産の動きが悪くない時期の話なので、この点はご理解くださいね。
最後に…
この記事は、一般的な不動産取引の裏側をお話して、お客さまに注意喚起することを目的として執筆しました。そのため、ゆめ部長のWebページを読んでくれている人からすると、言っていることが違う!と感じる部分があったかもしれませんね。
ゆめ部長のWebページを読み込んでもらえればわかると思いますけど、まだ数記事しか読んでいない人にはわかりづらいでしょうから、一応、説明しておきます。
ゆめ部長が提供しているサービスは、ここで記載した問題を解決できるように作り込んであります。しかし、時代がまだゆめ部長のサービスに追いついていないため、現在のルールの中でベターな選択肢を提供することで不足部分を補うようにしました。
たとえば…
バイヤーズエージェントとして新築一戸建て購入をサポートしたい!でも、今の日本の不動産取引では、売主さまから仲介手数料をもらわず、買主さまからだけ仲介手数料を3%受領するという取引が理解されていません。そのため、ゆめ部長は、売主さまから仲介手数料をもらい、買主さまからの仲介手数料を無料にしながらも、消費者である買主さまに寄り添ったサービスをできる限り実現したいと考えています。
不動産業界に問題がある!だからみんなに知ってもらって改善しよう。でも、今の不動産取引の現場では実現できないから、理想は語るけど、修正して対応しなくちゃ。こんな感じでサービスを作ったため、記事を読み込んでいないと一貫性がないように感じられてしまうのだと予測しています。
Twitterを休止しているのも、流し読みする人から「言っていることが違うじゃないか!」と言われるのがメンドウになったからなんです。
文章って難しいっすなぁ~~~
人に絡まれて悩みながら、なぜ、ここまでするのか…。
それは、不動産業界の悪しき慣習を打破し、お客さまが安心して不動産取引を実現できるようにしたい!と強く願っているからです。
「プロ意識」というよりも「正義感」ですね。
理解してくれる人が10%もいないことはわかっていますけど、自分でやりたいことなので、これからも貫いていきます!!
というわけで、本日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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