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2018年12月27日
不動産売買の流れ

3つの不動産査定方法を宅建マイスターが実務経験を踏まえて解説します!

不動産を査定する方法は、「取引事例比較法」・「収益還元法」・「原価法」の3つがあります。それぞれの査定方法を説明しながら、宅建士がいつもどのように査定しているかを解説します。

 

テキストに書かれているような説明ではなく、宅建マイスターとしての実務経験を織り交ぜながら記事を書いてみたいと思います。

 

不動産業界15年・宅建マイスター・2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~


【目次】

1.  査定方法1:取引事例比較法

 1-1.  取引事例比較法の計算方法

 1-2.  大手の査定書に感じる問題点を指摘します

 1-3.  マンション査定で同じマンション内の成約事例がある場合

 1-4.  相場からズレた事例は使ったらダメ!これを排除できないからAIの瞬間査定は金額を間違える!

2.  査定方法2:原価法

 2-1.  原価法の計算式

 2-2.  再調達単価での再建築は難しい…

3.  査定方法3:収益還元法

 3-1.  直接還元法

 3-2.  DCF法 (Discounted Cash-Flow)

4.  まとめ

査定方法1:取引事例比較法

取引事例比較法とは、査定物件と条件が近い類似物件の成約事例を集め、1坪 (約3.3㎡) あたりの単価をベースに、築年数・階数・方位・駅距離・間取り・室内状況・分譲会社・不動産市況など様々な要因を加味して査定価格を比較検討する方法です。

 

居住用の中古マンションや中古戸建の土地部分を査定するときによく利用しています。

取引事例比較法の計算方法

査定物件と成約事例に点数を付けます。成約物件は「成約価格÷専有面積」で1坪あたりの単価を計算します。成約事例の点数だと坪単価が○○万円。それなら、○○点の査定物件は○○万円になりますね。という計算方法になります。

 

具体的な数字を入れて簡単に見てみましょう。

査定物件:点数が110点・専有面積80㎡

成約事例:点数が100点・専有面積70㎡・成約価格4,200万円

 

この場合の査定物件の計算方法は次のようになります。

 

100点の成約事例は1㎡あたりの単価が60万円 (4,200÷70)です。査定物件は110点付いているわけですから、比較して算出される1㎡あたりの単価は、60万円×110/100で単価が66万円となります。専有面積が80㎡なので、66万円×80㎡で5,280万円となります。

 

100点の物件が@60万円だから、110点の物件なら@66万円で売れるでしょ!?ということです。しかし、実際は点数を正確に付けることができるケースは稀ですから、ここまで細かい点数を私は付けていません。その理由は次の項目で↓↓↓

大手の査定書に感じる問題点を指摘します

大手が使う査定システムの基本的な計算方法は上記のとおりです。詳細は下記の記事を見て欲しいのですけど、この点数の付け方に明確な基準がなくて、担当者の主観で点数を決めています。

 

現場を見たことがないのに点数を付けるわけですから無理がありすぎます。その他にも「○○調整率」という項目で数字をイジるのですが、これも現場を見なければ、上げて良いのか・下げた方がよいのかがわかりません。

 

査定金額の最終段階では「市場動向を見て市場調整率を0.85~1.10で定めます。」 と解説には書かれていました。これを担当者が勝手に選ぶわけですから、いくらでも数字を調整できることになってしまいます。

 

85%~110%ということは、5,000万円の物件だと、4,250万円~5,500万円となり、1,250万円も勝手に動かせるんです。

 

この数字が毎月自動的に決まっているのであれば納得できますけど、エリアごとに毎月数字を決めるなんて実現できないはずです。

 

大手の査定書は説得力を持たせるためにムダに厚みがあります。査定依頼した経験がある人は、その査定書の中身はあまり理解できなかったことでしょう。

 

しかし、それで正解!根拠がない数字を多用した査定システムを使い、担当者がよくわからず作っているわけですから、内容を理解できる方がおかしいのです。

 

査定システムを何度も使ってみましたが、私には全く理解できませんでした。だから、私が査定するときはムリして細かい数字を付けていないのです。

マンション査定で同じマンション内の成約事例がある場合

査定物件がマンションの1室であれば、同じマンション内の成約事例があると比較しやすいですね。南側にマンションが建築されて陽当りが悪くなったなど、周辺環境に大きな変化がなければ、分譲時価格表を使って比べると良いと思います。

 

築15年程度までのマンションであれば、リノベーション履歴がまだ少ないため、私は成約事例と分譲時価格との増減「額」だけでなく、増減「率」も確認してお話をするようにしています。

 

なぜなら、分譲時価格4,000万円の部屋が+400万円で成約したからと言って、分譲時6,000万円の部屋も+400万円しか上がっていないとは思えないですよね。

 

4,000万円の部屋が+400万円なら分譲時価格+10%です。6,000万円の部屋なら+10%の600万円を加算して6,600万円を狙える可能性があると私は考えます。

 

ただし、専有面積が狭い1Rの成約単価は、専有面積が広くて総額が高くなる3LDKの成約単価よりも高くなりやすいという傾向がありますので注意しましょう。

相場からズレた事例は使ったらダメ!これを排除できないからAIの瞬間査定は金額を間違える!

相場よりも高値成約するケースがあります。

 

例えば、計画道路の用地買収で隣地が5坪だけ残っていたとします。その5坪を購入すれば広い道路に接道する東南角地になるとしたらどうでしょうか?

 

また、現在は再建築不可の物件に住んでいたとします。道路側の隣地を購入したら再建築可能になる場合はどうでしょうか?

 

どちらも少し高くても買えるなら買いたくなりますよね。このようにして高値成約の事例が発生します。他に私が経験した事例としては、小学校の学区限定で2年探していた、中学受験で第1希望の私立に合格したから2週間以内に買いたいということもありました。

 

逆に相場よりも安値成約になるケースはどうでしょうか?

 

不動産買取業者の買い取り案件、事業の資金繰りの都合ですぐに現金化したい、離婚が成立したので一刻も早く現金化したいなどの事情が考えられますけど、これもよくあるケースだと思いませんか。

 

このような取引は特殊事情で相場からズレていると判断し、取引事例比較法を利用する際に採用してはいけません。経験を積んだ宅建士であれば、ある程度は特殊事情を予測して排除することができます。

 

しかし、AIだとどうでしょうか?さすがに今の技術ではそこまでの判断はできないでしょう。データを入力するだけで簡単に査定金額を出してくれるサイトが出てきましたが、大きく査定金額がズレるのはこのような事例も含めて比較しているからだと言えます。

査定方法2:原価法

原価法とは、査定物件の建物を取り壊して、同じ建物をもう一度建てた場合の原価を計算し、その価格から建物設備が老朽化している分を経過年数に応じて差し引くことで査定価格を推定する方法です。

 

居住用中古戸建の建物部分の査定で利用しています。

原価法の計算式

計算式は下記のようになります。

再調達単価 × 延床面積 ÷ 耐用年数 × 残存年数(耐用年数-築年数)

 

「再調達単価」は「建物の標準的な建築価額表 」を参考にしています。平成28年度・構造別の1㎡あたりの単価は…

 

木造・・・・・・・・・・・165,900円

鉄筋鉄骨コンクリート造・・308,300円

鉄筋コンクリート造・・・・254,200円

鉄骨造・・・・・・・・・・204,100円

 

「耐用年数」は税法で下記のように定められています。

 

木造・・・・・・・・・・・22年

鉄筋コンクリート造・・・・47年

鉄骨鉄筋コンクリート造・・47年

軽量鉄骨造・・・・・・・・19年 または 27年 

重量鉄骨造・・・・・・・・34年

 

実際に具体例をもとに計算してみましょう。

 

築11年・建物面積100㎡・木造2階建ての物件を査定すると、

165,900円×100㎡÷22年×11年 (22年-11年) = 8,295,000円  となります。

 

余談ですが…。

 

上記の耐用年数は「事業用」になります。「居住用」は期間が1.5倍になるため、木造の場合は33年となるはずなのですが、原価法を用いて居住用中古戸建の建物部分を査定する場合、「おおむね20年~25年で残存価値10%程度」として計算しているのが宅建士の実務です。

 

税法の定めを参考にしつつ、取引事例の積み重ねの中で考えられた年数なのかもしれませんね。申し訳ないですが、理由は不明です。

 

用語解説「建物の標準的な建築価額表」

 

「建築着工統計 (国土交通省) 」の「構造別:建築物の数、床面積の合計、工事費予定額」表を基に1㎡あたりの工事費予定額を算出 (工事費予定額÷床面積の合計) したものです。

再調達単価での再建築は難しい…

再調達単価で再建築するのは実際には難しいと思います。2階建・3LDK・80㎡の建売仕様の木造住宅であれば、165,900円×80㎡=約1,330万円となり、ギリギリ再建築できるかもしれません。しかし、3階建てや大手ハウスメーカーでは厳しくなるでしょう。

 

なお、大手の査定システムでは「グレード率」を定めていて、建売住宅であれば×0.85、地場工務店で×0.95、ハウスメーカーで×1.1~1.3となります。

 

そうすると、上記の建売住宅は、165,900円×85%×80㎡で1,128万円となり、さらに厳しいと言えます。もちろん、パワービルダーの原価はもっと安いですけど、企業努力で抑えているのであって、そこに利益が上乗せされることを忘れたらいけません。

 

ハウスメーカーのグレード率も問題があります。最高評価の1.3倍でも80㎡の建物を1,725万円で建築できる計算ですけど、積水ハウスや住友林業でこの金額で建築するのは難しいですよね。

 

このように、計算式通りで妥当な金額を算出するのは難しいのです。不動産屋さんがこの計算式をなぜ使用しているのか…私には理解できません。

査定方法3:収益還元法

収益還元法とは、査定物件が将来どれくらいの利益をあげられるか、その収益力に基づいて査定金額を計算する方法です。投資用の収益物件で使われていて、直接還元法とDCF法の2つの算出方法があります。

 

麻布ハウスは「居住用」のみの扱いですので、この部分の知識・経験は深くありません。取引事例比較法や原価法のような経験値がないため、申し訳ないですが簡単な解説のみになります。

直接還元法

直接還元法とは、1年間で受け取れる賃料などの純利益を表面利回りで割って収益価格を求める方法です。

 

例えば、賃料が80,000円/月のワンルームを査定する場合、同じような投資物件が表面利回りが何%で成約しているのかを調査します。この点は取引事例比較法と同じになります。

 

とある大手は、レインズの登録物件を見てみると一律6%で計算していました。金額が安いワンルームなんて媒介を取れなくてもいいや…と考えて、確実に、楽に売れる金額なら媒介を取得しようかな…と考えているのかもしれません。

 

計算式は、毎月の受け取り賃料等×12か月÷表面利回りとなります。表面利回りが良ければ査定金額が下がりますし、表面利回りが悪くても売れるのであれば査定金額が上がります。具体的に見てみましょう。

 

表面利回り6%・・・80,000円×12÷6% = 1,600万円

表面利回り5%・・・80,000円×12÷5% = 1,920万円

表面利回り4%・・・80,000円×12÷4% = 2,400万円

 

港区のタワーマンションや都心にある新築の小規模木造アパートが表面利回り3%台で売れていくのを見て驚いたことがあります。将来的に価値が上がるとみているのか、税金対策なのか…。投資物件は不思議です。

DCF法 (Discounted Cash-Flow)

DCFとは、Discounted Cash-Flowの頭文字をとったもので、直訳すると「値引きされたキャッシュフロー」になります。

 

査定物件の価値を未来のリスクを考慮に入れて算出することができるそうです。金融機関が担保評価を算出する場合や、不動産投資信託など保有不動産を鑑定評価する際に使われるようですが、私の業務対象外です。

まとめ

麻布ハウスが得意にしている、居住用の中古マンション・中古戸建の査定方法に関して、私の経験を踏まえて記事を書いてみました。

 

私の感覚では、大手の査定システムは決して悪いものではないですけど、ツッコミどころは満載だと思います。大手でさえこのような査定書になりますから、査定書を信用しすぎないように注意してください。

 

査定書は1つの参考資料としながら、その金額で本当に売れるのか?同じ金額で販売されている周辺の物件と比較してみてください。自分だったらウチの物件買うかな?という視点で見てみれば、いろいろな気づきがあるはずです。

 

納得のいく売却を実現できるように、応援しています!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2019年8月17日追記…

現在、「手数料0円売却」・「セラーズエージェント」はお休み中です。「仲介手数料半額の不動産売却」をご検討ください。

 

事情を説明した記事はコチラ…

【超・重要なお知らせ】「セラーズエージェント」「手数料0円売却」をしばらくお休みにします。

宅建マイスターが解説するマンションの査定方法
宅建マイスターが解説する中古戸建ての査定方法
宅建マイスターが解説する土地の査定方法
この記事を書いた人
渡部 直人(ゆめ部長) ワタナベ ナオト
渡部 直人(ゆめ部長)
不動産取引の仕事一筋15年…仕事中心の生活をしてきました。ハッキリ言って仕事は趣味です(笑)でも、不動産業界にはなんか暗いイメージがあります。そこで、ゆめ部長は考えました。お客さまが安心して取引できるだけでなく、才能あふれる人財が楽しく働ける環境を作り、この暗いイメージを払拭・改善していこう!と。「全員がHAPPY」なんてムリだけど、ゆめ部長と係わってくださったお客さまにはHAPPYになってほしい。できることを1つずつコツコツ積み重ね「幸せの種」をまいています♪

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