仲介手数料無料のデメリット&トラブル|値引サービスの使い方
ゆめ部長は、仲介手数料を値引するサービスを行っていますし、仲介手数料「無料」または「半額」にする会社で働いた経験があります。この経験から、「無料」「半額」など、仲介手数料値引サービスのデメリットやトラブルを紹介するだけでなく、損をしないサービスの使い方まで記事にまとめてみます!
仲介手数料を詳しく勉強したいなら…
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
デメリット(1) 不動産取引のプロじゃない!?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」1つ目は、担当者が不動産取引のプロじゃないかもしれない…そんなリスクがあることです。
実は、「仲介手数料無料」「仲介手数料半額」サービスを打ち出す不動産屋さんは、集客ができなくて…とか、仕事がないから仕方なく…とか、ネガティブな理由で仲介手数料を値引きしていることがあります。
たとえば…
■ 賃貸だけだと厳しいから売買もやろう
■ 建売が不調だから仲介もやろう
■ 手数料安くすれば客が来るだろ
などなど。
売買仲介を専門にしていない会社、仕事がなくて困っている会社が、こんな浅い考えで仲介手数料を値引きしていることがあるのです。申し訳ないですけど、こんな会社に仲介を依頼したら…そりゃあ、大変なことになりそうですよね。仕事が雑なだけではなく、もしかしたら「仲介手数料安いんだから文句言うなよ(怒)」なんて言われてしまうかもしれません。
ちなみに…
今の不動産取引は本当に難しくなりましたから、3年くらいの経験があったとしてもシロウトとあまり変わりません!
デメリット(2) 結局損をするかも!?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」2つ目は、仲介手数料は安くなっても、その他の部分で損をするかもしれない…そんなリスクがあることです。
売買仲介を専門にしていないと、
■ 税金の軽減や還付の説明
■ 住宅ローンの提案
■ 金利や事務手数料が安い銀行の紹介
■ 価格交渉のアドバイス
■ 高値成約のコツを伝授
■ 物件が抱える問題点の指摘
など、プロのアドバイスをできるわけがありません。
また、仲介手数料は本当に無料だったけど「価格交渉は一切お断り!」と言われ、全く対応してくれなかった…という話も聞いたことがあります。
安くなった仲介手数料より大きな損失を被るかもしれませんね。
デメリット(3) サービス・保証の質が落ちる!?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」3つ目は、不動産屋さんのサービス・保証の質が落ちるかもしれない…そんなリスクがあることです。
仲介手数料を安くするためには、次のような工夫が必要になります。
たとえば…
■ ターミナル駅に事務所をおかない
■ 駅近・路面に店舗を出さない
■ 費用がかかるオシャレ店舗にしない
■ 高級車での案内サービスをやめる
■ 高額すぎる広告費を削減する
■ 過剰サービス・ムダな保証を削る
■ 不要な管理職をつくらない
■ 人件費を減らす
などなど。
こんな企業努力をした結果…
次のようなデメリットがあるかもしれません。
■ 店舗に行くのが少しメンドウ
■ オシャレな店舗で契約できない
■ 高級車の送迎サービスがない
■ 手厚い保証がなくなった
■ 新人さんが1人で対応する
「別にOK。受け入れるよ!」と考えるお客さまがいれば、「高額な商品の売買を行うんだから高級感と安心感は必須だよ!」と考えるお客さまもいますから、デメリットになるか、デメリットにならないかは人それぞれ違うとは思います。
なお…
大手に「3.3%+66,000円」支払ったんだから、あれも、これも、それも、全部やってよね!と考えるのは危険です。たとえば、不動産を売却する際に、ハウスクリーニングをいれてもらい、壊れた箇所のリペアもしてもらい、ホームステージングをしたうえで、プロのカメラマンに撮影してもらう…こんなサービスを求めれば、支払う仲介手数料を超えた過剰サービスになってしまいます。
過剰サービスを求めた結果、両手仲介しないと利益が出なくなり、「囲い込み」をされてしまう…そんなリスクもあるので注意が必要でしょう。過剰なサービス&過剰な保証を求めれば、両手仲介で「6.6%+132,000円」ないとやっていけません。
デメリット(4) 担当者のモチベーションが低い!?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」4つ目は、担当者さんのモチベーションが低いかもしれない…そんなリスクがあることです。
ゆめ部長が勤務していた会社では、1取引あたりの平均的な仲介手数料率は平均で「2%」くらいでした。大手の仲介会社では、平均手数料率が5%を超えている会社がありますので、1契約あたりの売上は約40%しかありません。
しかも、
・楽な一発案件が実は少ない…
・クレーマー率がけっこう高い…
・金融リテラシーが高いお客さまも多い…
・全部1人でこなさなければいけない…
・固定給がすごく少ない…
こんな厳しい環境で仕事をしていました。
こうなると営業マンはどうなるでしょうか?
■ 一度も現地を見ることなく契約してしまう
■ 契約書は相手業者に任せてチェックしない
■ 重要事項の説明を省略する
■ 住宅ローンはお客さま任せにする
■ 残代金決済を相手業者に任せてしまう
■ 価格交渉は一切受けない
■ 住宅診断をやめるように説得する
こんな感じで、モチベーションの低さが現れた仕事になってしまいます。
会社からのサポートがあれば良かったのですが、仲介手数料を値引きするということは会社の利益が減るということ…だから、余計な経費をかけられない!そんな発想になっているのでしょう。
結果、営業スタッフが疲弊して退職し、また不慣れな営業スタッフを募集する…ということを繰り返し、熟練度の低いスタッフとモチベーションが低いスタッフであふれかえることになるわけです。
次の(5)と(6)は、不動産売却に関するデメリットになります。
デメリット(5) 買取業者へ売却させられる !?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」5つ目は、不動産買取業者との契約へ誘導されるかもしれない…そんなリスクがあることです。
不動産屋さん(仲介会社)にとって、不動産買取業への売却は「オイシイ」仕事です。なぜなら、不動産買取業者への売却を両手仲介したら「6.6%+132,000円」、さらに、物件紹介のお礼として販売商品の専属窓口にしてもらい、自社で買主さまを見つけて両手仲介すれば、追加で「6.6%+132,000円」も儲かりますからね。
4,000万円で1本目の契約をして、
5,000万円で2本目の契約をしたら…
両手仲介×2=「13.2%+264,000円」
仲介手数料の最大は 約 620 万円 !
買取業者への売却には次のようなメリットがあります。
■ 決断が速く現金化を急げる。
■ メンドウな責任が発生しない。
■ 現況引渡も相談できる。
■ 住宅ローン特約の契約解除がない。
■ 周りに内緒で売却できる。
でも、買取金額は相場より安くなる…これが最大のデメリットになるでしょう。仲介手数料値引サービスを使う理由が「手取額を増やしたいから!」であれば、不動産買取業者への売却を狙われてしてしまうと、損する結果になるかもしれませんよ。
参考記事…
デメリット(6) 売却物件を囲い込みされる !?
「仲介手数料無料・半額のデメリット」6つ目は、「囲い込み」されるかもしれない…そんなリスクがあることです。
囲い込みとは、売却依頼を受けた不動産の情報を不動産業者内で共有せず、他社が買主さまを見つけることを妨害する行為をいいます。両手仲介を狙った囲い込みについては、下にあるYouTubeで詳しく解説しているので、時間がある時に見てくださいね。
不動産屋さんの思考を簡単にまとめると…
売主さまの仲介手数料は、
値引サービスで安くなるよな(涙)
それなら…
囲い込みして
買主さまからは仲介手数料をもらおう
売主さまを無料にしても、
買主さまは「3.3%+66,000円」
よしよし。これなら儲かるな♪♪
こんな感じだと思います。
囲い込みをする場合、自社で高額な広告費を負担しなければならず、少しでも早く成約させたいと考えます。その結果…「売却金額を下げて売らせればいいや!」と考え、相場より安い金額で売却するように言いくるめようとするわけです。仲介手数料を節約したら売却金額も一緒に下がった…これじゃあ意味ないですよね。
トラブル(1) 仲介手数料無料でも別の費用を請求
「仲介手数料無料(0円)です!」でアピールしているなら、その不動産屋さんには、お金を一切支払わなくてOKだと考える…それが、ふつうだと思います。
「仲介手数料」は無料。でも、「契約書類作成費用」や「住宅ローン代行手数料」という名目で10万円~30万円も請求されることがある…。これでは「仲介手数料無料」とは言えませんよね!
TwitterやBlogを通して寄せられる相談から判断すると、これらの費用については、不動産屋さんからしっかり説明されることはないのでしょう。売買契約で疲れているところを狙い、ササっと説明して合意書に署名捺印をもらうため、買主さまからすれば「えっ!?そんな合意書は知らないんだけど…」となり、トラブルになっていくようです。
支払い問題は解決したけど、その後、担当者がすごく感じ悪くなってしまい、引渡しを終えるまでがとにかく憂鬱だった…なんて相談もありました。こんなトラブルに巻き込まれないように、皆さまは、十分に注意してください。
トラブル(2) 価格交渉を全くしてくれない
「仲介手数料無料だから価格交渉はしません!」そんな不動産会社もあるそうです。たしかに、この記事をリライトしている2022年は不動産の売れ行きが好調なので、「価格交渉できなかった…」のであれば仕方ないです。でも、最初から「交渉はお断り!」なら、仲介手数料を支払った方がお得になることだってあるでしょう。
次のお話は、お客さまの知り合いが経験したことです。
仲介手数料無料の不動産会社を通して売買契約が終わった後、今までお世話になった不動産屋さんへ契約したことを連絡したそうです。そのとき、ある不動産屋さんから「その物件だったら200万円交渉できたのに…なんで言ってくれなかったんですか!?」と言われてしまったそうです。
仲介手数料を3%支払って200万円値引きしてもらった方が80万円も安かったなんて…ショックが大きかったでしょうね(涙)価格交渉してくれなかったことにクレームを入れたら、不動産屋との関係が険悪になり、引渡までずーっとイヤな気持ちを引きずったそうです。
トラブル(3) 売買契約後は何もしてくれない
売買契約までは感じ良い不動産屋さんだなぁ~と思っていたのに、売買契約が終わった途端に態度が変わって対応が雑になり、ほとんど連絡がこなくなってしまう…こんなトラブルもよく聞く話です。しかし、このトラブル(3) は「えっ!?そんなことある??」と思うほどヒドイ対応だったので紹介します。
売買契約後に何も連絡が来なかったため、不安になったお客さまは、自分で住宅ローンの審査・手続きを行い、司法書士先生に連絡して必要な書類まで確認しました。わからないことは売主の不動産会社へ質問して、なんとか無事に引渡を終えることができたそうです。
ゆめ部長が、売主として、新築一戸建てやリノベーションマンションを販売していたとき、何もやらない仲介会社に何度か出くわしたことがあります。本来、仲介会社が対応しなければいけないのに、なぜか、直接ゆめ部長へ連絡が来て対応させられる…。契約書も作れず、契約後のサポートもできない。それなのに、仲介手数料だけはしっかり請求してきたので驚きました。
仲介手数料値引サービスのデメリットを解消する方法
ゆめ部長は仲介手数料値引サービスを提供していながら、ここまで、仲介手数料値引サービスのデメリットとトラブルをお話してきました。では、なぜ、デメリットやトラブルがあるサービスをしているのでしょうか??その理由を説明して終わりにしたいと思います!
ゆめ部長は、仲介手数料値引サービスは決して悪いサービスではなく、逆に、積極的に利用することをオススメしたいと考えています。
なぜなら…
不動産会社と担当者(エージェント)をしっかり選べば、デメリット解消・トラブル防止できるものが多いからです。
最近は「安かろう悪かろう」ではなく、「不動産業界を変えたい!」という熱い気持ちをもっている不動産屋さんや、「人のためにがんばりたい!」という優しい気持ちをもった不動産屋さんが増えてきています。実際、ゆめ部長がTwitterで交流のある値引サービスを行っている不動産屋さんは、皆さん、とってもいい人たちですからね!
「ただ安いだけ」ではなく、工夫を凝らした値引サービスを探し、同時に、レベルが高くて相性がよい担当者さんを探してみてください。きっと、納得できる売買を実現できるようにサポートしてくれる不動産屋さんが見つかることでしょう!
何が良くて、何が悪いか…わからない。
そんな悩みがあるなら、まず、
ゆめ部長のサービスを読み込んでください。
自分で言うのも…なんですけど、すっごく、真っ直ぐなサービスに仕上がっています♪ゆめ部長に依頼しなかったとしても役に立つと思いますので、ぜひ、サポート内容を確認してみて欲しいです。
購入サポート…
売却サポート…
仲介手数料無料で不動産を売却する!
最後に…
「仲介手数料無料・半額などの会社が増えている」という声を聞きます。しかし、大事なことを忘れています。それは…、新規参入会社と同じくらいの会社が潰れているということです。仲介手数料を安くしただけの会社では、もう、生き残れないのでしょう。
上の図のように、サービスの質も高め、お客さまのデメリットを解消していかなければ、淘汰されていく時代になったということだと思います!ちょっと大変ではありますけど、少しずつ不動産業界が良くなっていくのは本当に喜ばしいことです!!
というわけで、今日の記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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