仲介手数料無料・半額の会社で働いた経験からサービスの質と問題点を語ります!
ゆめ部長は、仲介手数料を「無料」または「半額」にするサービスを実施している会社で働いた経験があります。この経験から、無料・半額というサービスの問題点や、営業マンの質・レベルがどれくらいのものなのか…?をまとめてみます!
不動産業界15年・宅建マイスター(上級宅建士)・2級FP技能士の「ゆめ部長」が心を込めて記事を執筆します!それでは、さっそく目次のチェックからいってみましょう~
仲介手数料「無料 or 半額」の決め方
仲介手数料を「無料」にできるか、「半額」になるか…。どんな基準で決めているかを説明しておきます。まずは「両手仲介」「片手仲介」について理解しておきましょう。
「両手仲介」とは…
仲介会社であるゆめ部長が、売主さま、買主さまの両方から仲介手数料をもらうことができる場合です。両方から仲介手数料の上限を受領することができると、計算式は次のようになります。
成約価格×6%+12万円(税別)
「片手仲介」とは…
仲介会社であるゆめ部長が、売主さま or 買主さま のどちらか一方からしか仲介手数料をもらうことができない場合です。仲介手数料の上限を受領することができるなら、計算式は次のようになります。
成約価格×3%+6万円(税別)
ここまでは、大丈夫でしょうか!?
両手仲介の場合、両方から仲介手数料をもらえるわけですから、どちらか一方の仲介手数料をもらわなかったとしても、3%の報酬は確保できますよね。経費を削減できるように工夫すれば、この報酬だけでも経営していくことは可能です!
■ 新築戸建
■ リノベーション済みの中古マンション
■ リノベーション済みの中古戸建
上記の物件を契約できると、両手仲介になり、売主である不動産会社から仲介手数料をもらえるので、買主さまからの仲介手数料を無料にできます。(両手仲介にならないこともありますけど説明は省略します。)
次は、片手仲介の場合です。今度はどちらか一方からしか仲介手数料をもらうことができません。売主さまを担当したら買主さまからはもらえず、買主さまを担当したら売主さまからはもらえません。
担当したお客さまからの仲介手数料を無料にしてしまうと、タダ働きになってしまいますよね。そこで、仲介手数料を半額だけもらうことになります。
無料にできる場合は … 3.0%
半額になる場合は … 1.5%
実は、無料にできる物件の方が不動産屋さんの利益が多くなったりします。興味があれば、次の参考記事をぜひ読んでみてください。
参考記事…
仲介手数料無料・半額の会社では、平均仲介手数料額は2%程度になる
ゆめ部長が勤務していた会社での 無料 or 半額 の割合は次の通りでした。
仲介手数料無料:3件 に 1件
仲介手数料半額:3件 に 2件
年間で平均を取ってみると、
1取引あたりの平均的な仲介手数料率は2%前後でした。
新築戸建やリノベーション済みのマンションを得意にしている不動産屋さんであれば、もう少し手数料率は高くなるでしょう。新築戸建しか扱いません!という不動産屋さんなら3%になります。
1取引の仲介手数料2%は高いのか・安いのか…?
大手の仲介会社では、平均手数料率が5%を超えている会社があります。これは、両手仲介を狙って「物件の囲い込み」を狙うからこその数字です。
比較すると、1契約あたりの売上は大体40%しかありません…。固定給が少なく、歩合給割合が高かったため、月に3本、年間で35本くらいの契約ができないとボチボチ満足できる年収にはなりませんでした。
1都3県、土地・戸建・マンション・収益物件の全てを取り扱い、売却も購入も対応していました。この状況で、1件1件マジメに取り組み、年間35契約も重ねると寿命が縮まります。もう、2度と、この働き方はしないと思います。
結論:平均仲介手数料率2%はかなりキツイ(涙)
購入したい物件が決まっている「一発案件」は思ったよりも少ない!
他社の不動産屋さんからは「人が頑張って案内したお客さまを横取りして契約するんでしょ!?(怒)」と、何度もクレームを言われましたけど、実際は、そんなことありませんよ。現地を案内して、住宅ローンの審査を通して、支払方法をアドバイスして…という通常通りの仕事をしていました。
まぁ、たしかに、既に購入したい物件が決まっている「一発案件」ばっかり狙って契約している人もいました。でも、数が少ないから成績が良いはずありませんよね。
この会社を退職してから、他の会社で面接を受けた時の話ですけど、面接した営業責任者に「仲介手数料が安い会社で楽してきたんなら、ウチじゃあ、通用しないよ!」と言われたことがあります。
正直、笑っちゃいます…
だって、仲介手数料無料・半額のサービスに辿りつくお客さまは、大手勤務時のお客さまよりも難易度が高いですからね。
仲介手数料無料・半額だからって楽できるほど、今の不動産取引は簡単ではありません!
正直…変な問い合わせが多くてクレーマーが多い印象だった…
とにかく物件価格と仲介手数料を安くして自分だけが得をしたい!という問い合わせが多く、営業スタッフはかなり疲弊していました。
ゆめ部長は大手や中堅の会社で勤務していたことがありますので、その感覚から言いますと、明らかに変な人が多かったと言えます。ワガママで、自己中心的。約束は守らないし、何でも無料でやって欲しいという人たちまでいて、まともに対応できないレベルの問い合わせもありました。
10組に1組・2組はそんな感じのお問い合わせが混じっていたと思います。もちろん、全力で応援したくなるお客さまや、尊敬できるお客さまもたくさんいます。ココでお話しているのは「本当の困ったちゃん」の出現率が高い…ということです。
マジメにやっている人は疲れ果てていましたが、雑な仕事をしている人たちは仕事が楽だと言っていました。では、仕事が楽に感じるほど「雑な仕事」とは、どんな感じだと思いますか…?
次の項目で箇条書きしてみますね。
仲介手数料が安いから手を抜いてOKでしょ!?そんな営業マンの雑な仕事を見ておこう
平均手数料率が2%前後しかない…
楽な一発案件が実は少ない…
クレーマー率がけっこう高い…
このような状況で仕事をしていると営業マンはこうなります。
■ 一度も現地を見ることなく契約してしまう
■ 契約書は相手業者に任せきりで内容をチェックしない
■ 重要事項の説明を省略する
■ 住宅ローンはお客さま任せにする
■ 残代金決済を相手業者に任せてしまう
■ 価格交渉は一切受けない
■ 住宅診断をやめるように説得する
などなど。
サービスの質が低い「雑な仕事」があたり前になれば、たしかに、仕事は楽でしょう。だけど、こんな仕事っぷりが許されるわけがありませんよね。これが、仲介手数料を安くすることで生じるデメリット・問題だといえます。
仲介手数料が安いと契約件数が増えるから会社のバックアップがないとキツイ。
この会社の社長は「仕事ができるベテランを集めているから…」と、いつも言っていました。しかし、なんでもかんでも営業スタッフに責任を押し付けるだけで、バックアップは何もしてくれません…。
ゆめ部長は最高で1ヶ月に7契約しましたが、その時、売買契約書を6件作成しつつ、月に15件の案内をこなして、売却物件を3件登録しました。すでに契約をしていた物件の引渡業務も5件ありましたから、月の勤務は400時間を超えてしまいました。
スタッフの得手不得手に合わせて、分担制・分業制にしたり、やりきれない仕事を上席が積極的にサポートする(プレーイングではなく)システムにすることくらいは、やればできるはずですよね。
■ 追客業務と契約業務で分業制にする
■ 売却と購入・ エリア・実需と投資などで担当を分ける
■ 忙しい営業マンの業務サポート
これくらいは、やって欲しかったな。
仲介手数料を割り引くということは会社の利益が減るということ。だから、余計な経費をかけられない…とそんな発想になっているのでしょう。
結果、営業スタッフが疲弊して退職し、また不慣れな営業スタッフを募集する…ということを繰り返し、熟練度の低いスタッフとモチベーションが低いスタッフであふれかえることになるのです。
このような会社では、質の高いサービスを受けられる気がしませんよね…?
仲介手数料無料・半額などのサービスは悪くない。会社とスタッフを見極める!
仲介手数料無料・半額サービスを実現するのは簡単なことではありません。しかし、お客さまにとっては大きなメリットがあるサービスですから、怪しんでばかりいないで、会社と営業スタッフを自分の目で見極めることをオススメします!
まずは、会社のチェック。
Webページで企業理念や社長のコメントを読んでみましょう。無難で小難しいことしか書いてなければ、お金にしか興味がなくて、お客さまのために、良いサービスを広める情熱がないことはすぐにわかります。
社長がダメなら、その会社のサービスも間違いなくダメ。どの会社も儲かればよいと考えすぎなんですよね…。
次は、営業スタッフのチェック。
ゆめ部長がいた会社は、なぜか、良い営業さんが集まっていました。本当に驚くほどのスーパー営業マンもいましたから、このような担当者に巡り合えたのであれば、会社のサービスが良くなくても満足できるサービスを受けられるはずです。
営業マンのブログやお客さまの声などで一次審査を行い、二次審査でメール・電話・面談をしてみましょう。相性も大事だと思いますよ。
最後に…
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— name (@yumebucho) YYYY年MM月DD日
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