三井・住友・三菱・野村などブランドマンションはグループの仲介会社に売却を依頼すれば高く売れるのか…?
三井のマンションだからリハウスさん、野村のマンションだから野村不動産アーバンネットさんで売却をお願いしようかな…と考えているなら、この記事を読んでみてください。売却活動における最優先事項が「大手の安心感」でないのであれば、きっと役に立つはずです!
ブログ執筆:上級宅建士「ゆめ部長」
ブランドマンションと分譲会社をいくつか見てみよう!
分譲会社がマンションにブランド名を付けていることが多いですよね。例えば、三井不動産であれば「パークホームズ」、野村不動産であれば「プラウド」などです。このあたりは皆さんご存知だと思います。
住友不動産は「シティテラス」「シティハウス」のブランド名を付けない「DEUX-TOURS(ドゥ・トゥール)」などのマンションも販売するようになりました。
参考に…有名なブランドマンションと分譲会社をまとめておきます。
■ 三井不動産 … パークホームズ・パークシティ・パークコートなど
■ 野村不動産 … プラウド・オハナ
■ 住友不動産 … シティハウス・シティテラス・グランドヒルズ
■ 東急不動産 … ブランズ
■ 阪急不動産 … ジオ
■ 三菱地所レジデンス … ザ・パークハウス(最高級はグラン)
■ 住友商事 … クラッシィハウス
■ 長谷工 … グランシエラ
■ 東京建物 … ブリリア
■ 大和ハウス工業 … プレミスト・D’Grafort・D’Cladearなど
■ 積水ハウス … グランドメゾン
■ 旭化成不動産レジデンス … アトラス
■ パナホーム … パークナード
■ トヨタホーム … アネシア
■ 近鉄 … ローレルコート
■ モリモト … ピアース・クレッセント・ディアナガーデンなど
■ サンウッド … サンウッド
■ 大京 … ライオンズ
■ オリックス … サンクタス
■ 丸紅 … グランスイート
■ NTT都市開発 … ウェリス
■ コスモスイニシア … イニシア
■ ゴールドクレスト … クレスト
ゆめ部長が売却をサポートしている「アトラスブランズタワー三河島」は、旭化成不動産レジデンス(アトラス)・東急不動産(ブランズ)の2社が合同で分譲したタワーマンションでした。また、過去にサポートした「ピアース中目黒ローレルアイ」はモリモト(ピアース)・近鉄(ローレルアイ)の2社合同分譲でした。
このように、複数の分譲会社が合同で分譲すると、名前が合体することがあるわけです!
ちなみに、豊洲にある「スカイズ タワー&ガーデン」は、なんと!下記の6社が合同で分譲しました。もう、ブランド名は見当たりませんね(笑)
■ 三井不動産レジデンシャル
■ 東京建物
■ 三菱地所レジデンス
■ 東急不動産
■ 住友不動産
■ 野村不動産
なんか、スゴイ安心感がありませんか!?
ブランド会社と仲介会社をいくつか見てみよう!
マンションにブランド名を付けている分譲会社であれば、系列で仲介会社があることが多いですよね。三井不動産であれば…三井のリハウスさんなどです。
いくつか参考に分譲会社と系列の仲介会社をまとめておきます。
■ 三井不動産 … 三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
■ 野村不動産 … 野村の仲介+(野村不動産アーバンネット)
■ 住友不動産 … 住友不動産販売
■ 東急不動産 … 東急リバブル
■ 三菱地所 … 三菱地所ハウスネット
■ 長谷工 … 長谷工リアルエステート
■ 東京建物 … 東京建物不動産販売
■ 大和ハウス工業 … 日本住宅流通
■ 積水ハウス … 積和不動産
■ 大京 … 大京穴吹不動産
■ 近鉄 … 近鉄不動産
大規模マンションやタワーマンションであれば、建物内や建物近くのビルに店舗を構えている分譲会社のグループ会社(仲介会社)を見たことがあると思います。
目立つ場所に店舗がありますから、その店舗の前を毎日のように通ることで、「ココなら安心して売却をお願いできそうだな!」と感じることでしょう。
まぁ、その気持ちはわからなくはありません。
しかし!
この記事ではその考え方が間違っていると断言します。大手に勤務した経験も踏まえて解説しますので一緒に考えてみてください。
ブランドの安心感は確かにあるけど…
ブランドマンションを購入したのは、ブランドの安心感が大きかったはずですから、売却するときにもその安心感に頼りたいという気持ちはよく理解できます。
なぜ理解できるのかと言うと…
ブランドマンションのグループ仲介会社に対して否定的な記事を書いているゆめ部長は、三井不動産の「パークホームズ」を新築で購入したからです(笑)不動産シロウトの嫁さんを見ていてブランドの安心感がどれだけ強いかを実感させられました。
ただし…
業界の裏側をお話しますと、系列会社の中では、仲介会社は間違いなく下の方に位置づけされています。本社に勤務するような優秀な大学を卒業した人はほとんどいないですし、採用条件では、営業力があれば学歴不問な会社もあります。
会社のブランド力は高くても、中で働いているスタッフが特別優秀か…?と聞かれれば、その答えは「NO」となります。そのため、大手だからと安心せずに、担当者の人柄・仕事っぷりも確認したうえで判断するようにしてくださいね。
ウェイティングリスト、新築マンションからの振り替えに期待はできない!
ブランドマンションの系列仲介会社に行くと…次のような営業トークをされるかと思います。
「予算の都合で新築マンションを購入できなかったお客さまがいます。」
「ウェイティングリストがあるのですぐにお客さまをご案内します。」
皆さまはこの営業トークをどう思いますか?
おそらくですけど、「おーっ!なかなか頼もしいじゃないか!!」と思ったのではないでしょうか。
しかし、この営業トークに騙されたらいけません。
3つ、理由を挙げてみます。
理由1…
売りたい金額とお客さまの予算がピッタリでも、必ずしも契約になるわけではありません。予算が合っていたとしても、方位・広さ・間取り・階数・室内の状況などによっては検討対象外になることだってありますからね。
理由2…
そのお客さまは、その仲介会社からしか物件を購入しないのでしょうか…?それほどの魅力が営業スタッフにあるのであればOKですが、そうでもなければ、他の不動産屋さんから売りに出されたら、そこに問い合わせをするのが通常ですよね。今の時代、お客さまは自分でネットで情報収集をしています。不動産屋さんから紹介された物件しか検討しない…なんて人は1%もいないはずです。
理由3…
「売りたい」と「買いたい」を結び付けるだけで「成約価格×6%+12万円」の仲介手数料をもらえる「両手仲介」になります。こういう楽な仕事に慣れた仲介会社は、プロ意識が薄れてしまい、売主さまに損をさせても自分は歩合給を稼ぎたいと考えるようになっています。つまり、購入したいお客さまの要望に合わせるために、売主さまへ攻撃(営業)を仕掛けてくる…ということです。
ゆめ部長なら…そんな数人のお客さま限定で購入を検討してもらうのではなく、情報を一般公開して少しでも多くのお客さまに見てもらい、競争して欲しいと考えます。
多少購入の意欲が高くても、少ない購入検討者の中から買主を探すやり方で、売主さまが納得できる条件での成約を狙えるわけがありません。
ハッキリ言って「楽な商売しているなぁ~」と思っています。
参考記事…
ブランドマンションの系列会社と契約して感じたこと…
ゆめ部長の経験を2つ紹介しましょう。
1つ目は、数棟のタワーマンションだけで売上を確保している仲介会社、
2つ目は、1つの駅を中心に仕事をしている大手仲介会社です。
【1つ目】凄く狭いエリアで仕事をしている仲介会社
湾岸エリアなどにはタワーマンションがたくさん建築されていますから、自社ブランドマンションの仲介店舗をおけば、いくつかのマンション限定で仕事をすることができてしまいます。
そうすると…少ないマンションを何度も何度も案内しているため、どんな営業スタッフでも、共用施設・管理人さん・マンション内でのトラブルや大規模修繕の計画などを熟知しています。質問すればすぐに回答してくれるので「さすがだなぁ~」とは思いました。
しかし…同じマンション内での住み替え、賃貸から購入への変更などで両手仲介をしやすいようで、最終的には「囲い込み」をされてしまいました。
ゆめ部長のお客さまが購入すると、ゆめ部長もその仲介会社も「片手仲介」になります。仲介手数料が「両手仲介」の半分になってしまうので嫌なのでしょうけど、それでも「成約価格×3%+6万円」はもらえるのでOKだと思えないのですかね…。
囲い込みをしても売れる…それはすなわち、情報を公開すればもっと高く売れる可能性が高いということです!
ココ大事なのでよく覚えておいてください。
参考記事…
【2つ目】最大手の仲介会社
最大手の仲介会社ですから、ブランドマンションの近くには必ず店舗があります。今回のマンションは…最寄りの店舗から徒歩15分くらいの総戸数が150戸ほどのタワーマンションでした。
近くにある自社のタワーマンションですから、その担当者さんは何度も契約したことがあると言っていました。しかし…「住宅性能評価書」はありますか?という質問には「さぁ、どうでしょうね?何に使うんですか…それ?」という回答でした。
ゆめ部長のお客さまは、贈与税の非課税枠を増やすために「省エネ等住宅」かどうかを確認したいと考えていたので、住宅性能評価書が欲しかったのですが、あるかどうかすらわかっていなかったのです。
ということは…今までの契約では、物件状況報告書の「住宅性能評価書の有無」欄には「無」にしていたということです。ゆめ部長の方で調査をしたら、分譲時に交付されていることがすぐにわかりました。
それに、販売図面は過去の物をササッと修正しただけの販売図面…。
これで、系列会社に任せた価値があるのでしょうか?
この問題は2つです。
1つ目は、担当者に「慣れ」からくる油断があったこと。
2つ目は、営業スタッフのレベルが低かったということです。
高値成約のコツは市場に情報を拡散させること!
ウェイティングリストのお客さまとか、
新築マンションで予算が合わなかったお客さまとか、
数人~多くても20人程度(?)のお客さまから買主さまを探すなんて…売主さまに不利だと思いませんか?
それよりも、数百人~数千人のお客さまに情報を届け、その中から興味を持ってくれたお客さまに内覧してもらい、さらにその中から検討してくれるお客さまに競争してもらうことで高値・早期の売却を狙うべきです。
限られた市場で売買を行うと、仲介会社の思うがままに契約をすることができてしまいます。
仲介会社にとっては、売主さまが安く売って損をしようと、買主さまが高く買って損をしようと、仲介手数料をもらえればどうでもイイんですよ!
参考記事…
最後に…
ブランドには安心感という大きな魅力はありますが、系列の仲介会社のつまらない営業トークには騙されないでください!業界の裏側、仲介会社の思惑を理解することで、自己防衛して欲しいと思ってこの記事を書きました。
系列の仲介会社の利用を検討するのは、良い不動産屋さんに巡り合えなったときの次善策として…にすることをオススメします。否定的なことも書きましたけど、全体的なバランスは決して悪くないですからね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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