不動産売却の流れ STEP ② 査定
売主さまから売却物件に関する情報のヒアリングを行い、役所・法務局・水道局・マンション管理会社などで物件調査を行った後、周辺の成約事例・販売物件のデータを収集、不動産市場の動きを考慮して査定金額を算出します。
査定には「机上査定」と「訪問査定」があり、精度は 机上査定 < 訪問査定 です。また、「AI査定」の精度や「一括査定」の問題点についても理解しておきましょう。
机上査定と訪問査定
不動産の査定は「机上査定」と「訪問査定」があり、精度は、机上査定 < 訪問査定 となります。それぞれ、どんなことをするのか説明しましょう!
「机上査定」とは…?
売主さまから物件情報を教えてもらい、大まかな査定金額を算出します。物件調査や現地確認を行わずに行う簡易的な査定のため、査定価格と成約価格がズレてしまうことが多いと言えます。机上査定のメリットは、面談や訪問なしで査定金額を教えてもらえることです。メール・電話・郵送だけで査定金額を知れるので、最初の1歩として始めやすいと言えるでしょう。
「訪問査定」とは…?
机上査定を依頼した中で、対応が良かった・高い金額を提示してくれた・サービス内容を詳しく聞いてみたい不動産屋さんに現地を見に来てもらい、机上査定の精度を高めるのが訪問査定です。設備・仕様・使用状況(キズ・汚れ・不具合)・メンテナンス状況・陽当り・バルコニーからの景色・周辺環境・近隣トラブル・事件事故・災害に関する情報などを確認、ヒアリングします。また、役所・法務局・水道局・マンション管理会社などで物件調査を行うこともあります。
査定するための物件調査
物件ごとに調査内容は異なります。イメージを掴みやすいように、一戸建て・マンションに分けていくつか具体例を挙げてみますね。
一戸建て・土地
■ 道路種類の確認・接道
■ 境界票と越境の確認
■ ライフライン(上水・下水・ガス)
■ 法律・条例
■ 法務局(謄本・公図・測量図・建物図面)
土地面積を確定するための測量、建物増築登記、未登記建物の登記を行う必要があるかなど、専門家のアドバイス・調査が必要かどうかも検討します。一戸建て・土地は物件調査の結果で査定金額が大きく異なることがあるため要注意です。
マンション
■ 管理規約
■ 通常総会議事録3期分(3年分)
■ 臨時総会の議案書
■ 長期修繕計画に関する資料
■ 管理費・修繕積立金の額と滞納
■ 耐震診断の実施状況・結果
売却不動産を購入した際の「重要事項説明書」・「物件資料一式」を確認できると物件調査を進めやすいです。
不動産の査定方法
不動産を査定する方法は「取引事例比較法」・「原価法」・「収益還元法」の3つがあります。収益還元法は投資用不動産で使用する査定方法なので、ここでは、取引事例比較法と原価法について簡単に触れておきます。
取引事例比較法とは…?
「査定物件」と条件が近い「類似物件」の成約事例を集め、1坪 (約3.3㎡) あたりの単価をベースに、築年数・階数・方位・駅距離・間取り・室内状況・分譲会社・不動産市況など様々な要因を加味して査定価格を比較検討する方法です。居住用の「中古マンション」と「中古戸建の土地部分」を査定するときに使います。
原価法とは…?
査定物件の建物を取り壊して、同じ建物をもう一度建てた場合の原価を計算し、その価格から建物設備が老朽化している分を経過年数に応じて差し引くことで査定価格を推定する方法です。居住用の「中古戸建の土地部分」を査定するときに使います。
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ゆめ部長の売却査定
「大手仲介会社の査定システム」でさえ、いまだに、妥当な査定金額を一発で出すことができません。「AI査定」も参考程度にしかならない精度だと言えるでしょう。そこで大事になるのが「経験値」です。不動産の査定は「どれだけ多くの不動産を自分の目で見てきたのか?」その経験値で精度に差が出るものです。実際、ゆめ部長には、大手の査定書やAI査定が示した金額よりも高い金額での成約事例がたくさんあります!
ゆめ部長の査定 ⇒
売却不動産の特徴を調査・現場確認・ヒアリングしてまとめ、現在販売中のライバル物件・直近の成約事例から査定に役立つ情報を抜き出します。この情報をもとにして「納得できる金額」「狙える最大金額」を売主さまと一緒に検討しています。売主さまが「自分が購入するなら…」という立場になってイメージできると妥当な価格を導きやすくなりますよ。
AI査定と一括査定
先ほども指摘した通り「AI査定」の精度は高くありません。不動産を売却したい売主さまをWebページへ集めるための手段としてAI査定は流行っていますが、この査定結果をそのまま信用しないようにしましょう。
次に「一括査定」についてお話します。
一括査定は、無料で複数の不動産屋さんから査定してもらえるため人気サービスになっています。しかし、この一括査定は「不動産業界を苦しめるサービス」になっているため、売主さまは不動産屋さんから営業攻撃を受けることになります。営業されるのが苦手、しつこい営業を受けたくないのであれば利用してはいけません!
参考記事…
よくある質問集(FAQ)
よくある質問をまとめておきます。
質問:不動産屋さんの査定金額が全然違うのはなぜですか?
不動産屋さんのレベルが違うこと、会社によって戦略が異なることが原因でしょう。新人さんでは「査定物件」と「比較する取引事例」の良し悪しを判断できません。会社の戦略による違いは、不動産買取業者に買ってもらうために「安くしたい」不動産屋さんがいれば、逆に、媒介契約をもらえるなら「高くても構わない」不動産屋さんもいる…ということです。大手勤務時代は売上だけでなく「媒介契約取得数」も評価対象でした。(裏話)
質問:大手の査定書が理解できないのですが…?
理解できないのが「正解」です。なぜなら、比較する取引事例は現地を見たことがないにもかかわらず、担当者が勝手に点数を付けているため、根拠を説明できないからです。大手の査定金額は、査定システムによって導かれたものではなく、先に、査定金額を決め、査定システムの点数をイジっているんですよ…(秘)
質問:しつこい営業を受けない方法はありますか?
一括査定を止めましょう。そして、不動産屋さんを全力で探しましょう。訪問査定を依頼する不動産屋さんは3社~5社にすることをオススメしています。そして、この3社~5社を選ぶことにエネルギーを使ってください。担当者を指名する、SNSなどでやる気がある不動産屋さんを探すなど、できることはたくさんあるはずです!
マイホーム売却の流れ 前回・次回・全体
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